台湾ではなかなか触れることができない味、それは日本の家庭料理の味。恋しくなったらココに来ます
こんにちは、台北ナビです。台湾のB級グルメもいいけれど、やっぱりたまには食べたい日本の味。それもできれば実家で、お母さんの料理を食べているような家庭の味が無性に恋しくなるものです。日本食を食べるのに事欠かない台北ですが、ここまでほっこりとさせてくれる場所、あったでしょうか…?
ここ「北村家」は2010年3月22日オープン!住所を頼りにタクシーで訪れたナビたちは、車窓からすぐにお店に気付きました。日本語とのれん、一見するとラーメン屋さんにも似た雰囲気がありますが…、やっぱり目立ちます。通りすがりで、外から店内やメニューを覗きこむ人が多くいました。日本の家庭料理の味を求めるのは日本人だけではないようで、このように通りすがりで見つけて飛び込みで入ってくる台湾人も多く、今は全体の8割が台湾のお客さんなんですって。
早速のれんをくぐり店内に入ると…トーンダウンされた落ち着いた空間がナビをやさしく迎え入れてくれました。その空間に笑顔がひとつポッと浮かんでいます。北村豊晴さんです。北村さんは台湾で活躍する映画監督・俳優さん。実は先日、台北ナビの取材を受けていただいていたのです。取材に同行しなかったナビはこの時初対面。聞いていた通り、関西弁があたたかい印象の北村さん。伺うと、こちらのお店は北村さんのご両親が開いた小料理屋さんでした。お父様の北村茂さんは、日本で40年以上のコックの経験が!日本では、あるゴルフ場のレストランを任されていたそうなのですが、「いつか自分の店を持ちたい」というのは長年の夢だったそう。そんな中、息子の北村さんが台湾で活躍していることもあり、台湾という海外の地でその夢を実現することを一大決心したのです。「くるみ小料理屋」の「くるみ」は、お母様のカワイイお名前でした。くるみさんは基本的に茂さんのお手伝いですが、くるみさん特製メニューも食すことができます。店長は北村さんの後輩にあたるCUTEな台湾女性、蘭ちゃん。いつも笑顔で感じのイイ蘭ちゃんは、日本語も少しできますよ。
こだわりの店
茂さんの長年の夢の実現というだけあって、店内には至る所に“こだわり”を見ることができます。さて、店を入ると10名が座れるバーカウンターになっています。地下1階は、取材時まだ改装中。20~40名収容できる宴会場にする予定なんですって。北村さんは茂さんにとっては頼りになる次男坊、ということで店のデザインなど北村さんが中心となって進めてくれたそう。お皿一枚までもこだわり、滋賀県甲賀市出身の北村さんは、もちろん信楽焼のものを揃え、たぬきもまた然り、です。また、くるみさんは生け花が趣味ということもあり、お店にはキレイにお花が飾られています。さりげないのですが、あるとないのでは大違い。グンと華やかになり…全体的に“モダン小料理屋さん”といった趣に。さらに、店内ではインターネットラジオで日本のラジオがリアルタイムで聴けるんですよ。スピーカーにもこだわったそうで…細かい所にも気を使っているのがわかりますね。
本当に食べたい料理
さて、お目当ての料理!メニューは北村さんファミリーで相談しながら考えたのだとか。台湾在住歴12年になる北村さん。その北村さんが台湾で本当に食べたくなる料理を中心に選んだといいます。それって自然と在住が長い日本人の食べたいものにつながりますもんね…そして、北村さんが育ってきた中で、大好きな父の味&母の味を看板メニューに!また、その看板メニューこそ多くの人に味わってもらいたい、ということで値段設定もお安くなっているのでありがた~い!
牛肉刺し(生和牛肉搭配北村家獨家醬汁)220元
ズバリ、北村さんお気に入りの1品。ナビもこれには納得!台湾ではなかなか生肉は食べられないんですよー。オーストラリアの牛肉を使用しており、柔らかい!中国語名にあるように、タレが北村家特製!これが、しょうゆベースにニンニクがきいていて…イケル!
これはくるみさん特製の小鉢メニュー。バーカウンターの前に大皿で盛られていて、注文すると小鉢に入れてくれるんです。4品注文するのがおトク~。目の前にあったら頼まずにはいられませんよね!?内容は毎日変わります。今回のメニューではナビのお気に入りはナスのショウガ和え。ホッとする味です。筑前煮もあって、うれし涙が出そうになっちゃった…
牛すじ煮込み(香嫩牛筋味噌煮)160元
ものすごく煮込まれているので、牛筋がハンパなくヤワヤワトロトロ!噛んだ記憶がございません。コラーゲンを食しているといいましょうか、唇がベトベトしてくるほどなんです。
「台湾でカニクリームコロッケ食べるの初めてかもー!?」と思わず叫んでしまったナビ。ナビ個人的に何年ぶりかに見るメニューです。かなり大ぶりの外見ですが、中も期待を裏切らず具だくさんで、クリームもたっぷり~。ソースからもカニ風味を感じました。
これも北村さんイチオシの1品!生でも食べられる牛ヒレを使用しているので、ナビたちは撮影後冷めた状態で食べたのですが、それでも柔らかくかなりのおいしさ!それでこの価格は赤字覚悟でしょうか!?かかっているソースはデミグラスソース。これが実はいちばん手間暇込めているそう。牛筋などを1週間ほど煮込み作ったソースです。茂さんは、休みの日もこのソースのためにお店に出てきて見ているんだとか…子供みたいにじっくり育てているんですね。
出ました、本場オムハヤシ!そのご自慢デミグラスソースをふんだんに使いました。ソースの中には赤ワインで煮込んだ厚切り牛肉が入っています。中のご飯は白ご飯で、ソースとの相性ピッタリ。台湾のコシヒカリを使用しています。この卵の半熟具合もいいですね~!台湾の卵は生で食べるのに抵抗がありますが、「北村家」ではいい卵を使っていますので、その点も安心ですよ。
これらの料理と一緒に…一杯、といきたいですよね。「北村家」では、北村さんセレクトのお酒の数々も並びます。日本酒に芋・大麦・米・蕎麦などの焼酎、泡盛、梅酒、ゆず酒など…今後は故郷、滋賀の地酒なども持って来たい、とおっしゃっていました。グラスも切子グラスがステキでした。