たまにはゆっくりとアフタヌーンティーを楽しみたい方。パン屋さんのケーキにはもう飽きたという方。ミカサ・ドルチでハイグレードなデザートをお試しあれ。
明るいサロン風の店内
中に入ってみると、カワイラシイ!壁の片側は全部鏡張りで、明るい感じ。全体的に白っぽい青が基調のシックな花模様。壁と椅子とテーブルマットがうまくコーディネートされていて、センスのよさがうかがえます。真ん中にあるクリスタルのシャンデリアが、雰囲気を盛りたて、座席はざっと20名ほど座れる程度でしょうか。こじんまりとしています。それよりも、なによりも、入ってきた瞬間に広がるこのお菓子の上品な甘い香り!そんなこと、台北ではめったにない経験だったので、ちょっとびっくりです。これからどんなデザートにお目にかかれるか、もう期待で胸がいっぱいです♪
ホント、緑がきれいです。
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国父記念館がまん前にあるんです。
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遠くからでもはっきりと見える紫のパラソル。
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こーんなに可愛いお名刺がおいてありました。
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彩り鮮やかなケーキたち
まずは店内をちょっと拝見。お店の一番奥のほうにケーキのショーケースがありました。そのずっと奥は厨房のようです。ショーケースに並ぶ美しいケーキたち。この日はざっと10種類ほど並べられていました。どれもおいしそう!ケースの左側には、当店自慢の手作りアイスクリームが専用の冷蔵庫にずらり。120グラム入りです。お味のほうは、マンゴー、抹茶、オリーブ、チョコレート、ピスタチオ、ストロベリー、バニラ、ごま、なし、それにレモンでした。普段余り目にしないテイストがありますね。さすが!あ、ケーキのショーケースの上には手作りクッキーも6種類ほど置かれていました。こちらのアイスクリームとケーキは主にテイクアウト用だそうですが、ケーキのほうは店内でもお召し上がりできるそうです。人気のケーキは、マンゴータルト、ムワルー・オ・ショコラ、それとシュークリームだそうです。(抹茶、カスタード)ちょっと珍しかったのが、ほうじ茶のパウンドケーキ。なんと、築地から直輸入したほうじ茶で作ったんだそう。
そのほかのショーケースに並んでいたケーキをご紹介しましょう。チーズブリュレ、マロンケーキ、イチジクのタルト、チョコレートケーキ、レモンのパウンドケーキ、イチジクのパウンドケーキ、ブラウニー…ざっとこんな感じでした。でも、ケーキの種類は日によって、季節によっても変わるそうなので、お目当てのケーキがほしい場合は、事前にお電話で問い合わせてみるほうがいいかもしれません。こちらには、高橋さんという日本人スタッフが随時いらっしゃるので、言葉の面でも心配いりません。そのほかの台湾のスタッフも少し日本語が話せるそう。日本語が通じるってことが、一番安心ですね。
カリスマパティシェ、嘉手納慶一さん
先ほどちょっと言いました前評判のことですが、日本で知名度の高いパティシェがここ台北に来て、信義区にある和風創作料理のレストラン「MICASA」でデザートを作っていたのが、デザート部門を独立させて店を出したということを聞いたのでした。ようやくそれが、このミカサ・ドルチだということがわかりました。このパティシェというのが、嘉手納慶一さんです。日本ではファンの方も多いと聞きます。もうすでにご存知の方もいるのでは。
嘉手納さんは、パティシェ歴20年のベテランで、フランスで一年ほど修行もなさっています。福岡ドンク、パティスリー・クィーンアリス、リストランテ・カノビアーノを経て、2002年にカノビアーノ・ドルチェのチーフパティシェ、2006年にNOBU東京にてチーフパティシェを担当。そして2007年には、台北の和風創作料理のレストラン「Umai Micasa」の招きでそちらのチーフパティシェとなります。このレストランでのデザートが大きな評判を呼び、そこに着目した経営側が、新たにデザート部門を独立させてできたのがこのミカサ・ドルチというわけです。
嘉手納さんにプチインタビュー!
嘉手納さん(以下敬称略)は以前、銀座のプランタンでお菓子作りの教室を持っていたこともあるそう。今日はご本人にもちょっとお話を伺いました。
ナビ:こんにちは。本日はお忙しいところありがとうございます。早速ですが、嘉手納さんがデザートで心がけていることは何ですか。
嘉手納:やはり和風の味へのこだわりでしょうか。作品のどこかで必ず和風の味を出すことにしています。たとえば、ティラミスでもアイスクリームは白ゴマ風味にしたり、小豆をプラスしたり、パウンドケーキにほうじ茶を入れたりといったところです。
ナビ:なるほど、台湾の人たちの反応はいかがですか。
嘉手納:こちらの人は、どちらかというと甘さに敏感みたいで、日本人と同じ感覚で甘さを出すと、甘すぎると言われる。そこを工夫して、たとえば、砂糖だけでなく、チョコレートやキャラメル、蜂蜜などを加えて甘さに広がりを持たせる。そうすると、結構いいみたいです。それから、自分の作ったものには、メインの素材というものがないんです。メインとほかの素材とをいろいろとマッチさせた味を皆さんに楽しんでいただきたい。
ナビ:そんな工夫があるんですね。普段、お仕事のない日はどう過ごされてますか?
嘉手納:そうですね、うちには息子が2人いて、たまにですが、パスタなどを作ってあげることもあります。
ナビ:なんだかうらやましいお話ですね。では、これからは台湾でどんなことをやっていきたいですか?
嘉手納:自分は実は場所とかにはこだわってないんです。日本では基本的に自分の味を受け入れてもらえたので、今度は別のところ、それがたまたま台湾であったということで、これからも現地のいろいろな食材を使って、自分の味を紹介していきたいと思っています。
ナビ:ありがとうございました。
試食タイム!
と、言うことで、待ちに待った嘉手納さんのご自慢の作品を試食させていただくことにいたします♪
こちらには軽食もあるということで、今日は2点紹介していただきました。一品目は、本日のフォッカッチャ。もちろん手作りのフォッカッチャ。その間にはさんであるのは、キャマンベールチーズに厚みのあるイタリアンハム。歯ごたえのいいフォッカッチャにチーズ大好きのナビのお気に入りのキャマンベールが入っているので、もうご機嫌です♪セットのスープはポテトのクリーミースープ。普段からカルシウム不足のナビにとっては、ありがたい一品です。でもこちらは日替わりメニューですので、要注意。お店の人に確認しましょう。
もうひとつは、Micasaカレー。こちらは「Umai Micasa」で出されているカレーをそのまま提供しているそうです。中に入っているのは和牛。スパイシーな風味にフルーティな甘さがあります。
そして、いよいよお目当てのデザートです。まず、一番人気のある「チョコレートクレープ」から。こちらはマスカルポーネチーズの中にヘーゼルナッツを刻み、それを薄いチョコレートクレープで包み、その上にバニラアイス、さらに上から3種のベリーのソースをかけたもの。お味のほうは、マスカルポーネチーズとナッツはホワッとしていながら、つぶつぶ感があり、しつこいかなと思いきや、味は意外にあっさり。チョコレートクレープはどちらかというと甘さがおさえてあり、その上のアイスの甘さとベリーソースの酸っぱさが絶妙。アイスはもちろん冷たいのですが、ソースはあったかいのです!ナビは写真を撮ったり、まじまじと見とれていたのですが、皆さんはテーブルに運ばれてきたら、すかさず食してくださいね。でないと、せっかくのデザートが時間とともに溶けてきてしまいます。
2品目は、「サバイヨン」。このネーミングは、サバイヨンという卵黄と砂糖とワインで作ったクリームソースが使われているところから来るのでしょう。こちらは、一口大に切られたバナナの上にローストアーモンド、それからキャラメルアイスクリーム、そして最後にサバイヨンのソースがかかっています。ナビは発見したのですが、嘉手納さんのデザートは、一つ一つを味わうのもよし、お皿にのった全てをいっしょに食べるもよし、いろんな食べ方、楽しみ方があるのだなあ、と思いました。特に注目していただきたいのは、このキャラメルアイス。こんな濃厚なお味、今までに口にしたことありません。みなさんもいっぺんにバアーっと食べてしまわないで、ぜひゆっくり味わってくださいね。
最後は、「和風ティラミス」。なんか、ワクワクした展開になりそう♪出てきたのは、足の高いカクテルグラスのような透明の器の中に入ったティラミス。どうしても、ナビは下のほうから説明をしたいのですが、こちらは苦味を前に出したコーヒーゼリーが底に入っていて、その上にティラミス、白ごまアイス、柔らかく煮込んだ小豆、さらに切り刻んだ黒オリーブがトッピングされていました。これは、本当に未知との遭遇って感じです!「おいしい」と一言では片付けられません。コーヒーゼリーの苦味と、ティラミスの洋風な甘味、そして白ごまアイスと小豆の和風な甘味、さらに黒オリーブのほのかな塩味。この世にこんな味があるんだあ、ってしみじみ思いました。
驚くべき嘉手納ワールド
一言で嘉手納さんのデザートの感想を申し上げますと、それは決まりきったおなじみの味ではなく、斬新で独特な味の展開、期待を裏切ってくれる意外な味の冒険とでも言いましょうか。なんか、そんな感じがしました。まさに、こちらのお店が掲げる「味のフュージョン」を目の当たりにような気がします。
甘さや苦さ、冷たさやあたたかさ、硬さややわらかさ、時にほのかな塩味。そんなものが混然一体となって私たちを驚かせてくれます。メニューのほうも、特に人気のあるメニューは別として、頻繁に変わるので、この次は何が出てくるんだろう、とワクワク感がつのります。ぜひ、皆さんご自身で体験なさってみてください。慣れ親しんだ味を求めてはいけません。「おいしい」プラス無限大の驚きとも言ったところでしょうか。百聞は一見にしかず。ナビの説明が分かりにくかったら、実際に自分の舌で味わってみてください!世界が広がりますよ!!以上、台北ナビでした。
この袋とボックスだけでも買って帰りたいくらいの、カワイさ。
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こちらのラテにはクッキーが一つおまけについています。
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