耀紅名茶

Yahon Premium Tea

閉店・移転、情報の修正などの報告

一青妙が紹介する~骨董屋の女性店主が作り上げた大人の隠れ家的空間~

こんにちは、一青妙です。

永康街の角地にある一階のお店が今回紹介する茶芸館の「耀紅名茶」。ガラス張りで外からは洗練されたディスプレイの店内が見えます。「耀」とは輝く意味。通りに面しているため、賑やかでその名のように少し派手な店内をイメージして入ると、全く反対な事に驚きました。まるで寺院の中に入ったときのような静かな異空間。そして見るからに年季の入った品の良い家具や茶器が並べられ、繊細な日本の生け花を思い出させるようなお花がセンスよく飾られていました。

着物が似合いそうな素敵な店主


店主は黄嫊媜さん。元骨董店出身。どうりで!モノを選んだり見たりするセンスは抜群。そんな彼女がお茶の販売しかしていなかった店内を改装して、2008年5月より今の茶芸館をオープンさせたのだそうです。「他のお客様がいても、自分の空間を楽しめるような店内に設計してあるから、お店に来てそれぞれのお茶の時間を楽しんでもらえれば嬉しい」と語る黄さんは、お茶に対しての造詣も深く、お茶を入れて下さる姿は凛としていて、同性の私から見ても、思わずうっとりしちゃいました。

オーナーが心落ち着かせたい場所


「耀紅名茶」のオーナーはちょっと変わった経歴の持ち主。本業は建設業。でも多岐にわたる趣味が功を奏して、今では化粧品からお酒、食器、洋服、宝飾品等多くの商品の総代理店を営みながら、なんと画家でもある多彩な方なんです。だから、お茶屋さんなのに店内にはオーナーの描いたモダンな絵、洋酒や京都の「たち吉」の和食器が飾られ、棚には何故か多くの南部鉄瓶が陳列されていていました。さながら日本の骨董店のよう。ちょっと南部鉄瓶の蓋をずらして裏を見たら、ある有名な日本の百貨店の名前が書いてあってびっくりしちゃいました。1個ずつ何が書いてあるのか知りたい衝動に駆られたのは私だけでしょうか…。そんなオーナーが、自分が仕事の後に一息つけるお茶屋さんを作りたいという思いで作ったお店。
因に、店名の「耀紅」はオーナーの名前から「耀」の一文字取ってつけたもの。興味を持たれた方は、オーナーを紹介する小冊子が店内にあるので、読んでみて下さい。

様々な品揃えのお茶


お店のメニューは黄さんのお友達が毛筆で書いたもの。
一枚の紙に書かれていて、蛇腹状に折り畳んであるので、慌てて開いて破ってしまった方もいたそう。あと残り一冊なので、くれぐれも気をつけて下さいね。残念ながらメニューは日本語の併記はなく、全て中国語。価格の数字も昔の漢字で書いてあるので解らなかったらお店の人に聞いて下さい。(日本人は値段を気にしないから今迄聞かれた事がないと言われてしまいましたけど…(笑)。メニューをまず開くと、お店で使用しているお水について書いてあります。ここのお店で使用しているのは「湧き水」。今回私は凍頂烏龍茶を頂くことに。中国茶はホント~に驚くほど耐泡(何度繰り返して入れても味が出る事)!一杯入れるごとにその香りと味はぐるぐると変化して、常に新しい気持ちで楽しめました。
メニュー
ビンテージ茶
•包種茶 時価
•凍頂茶 時価

台湾茶
(選ぶ時の参考になるように、各々お茶の香りの特徴を店主より伺ったので併記してあります。)
•文山包種 (清々しい香り) 
•白毫烏龍(=東方美人)(蜜の香り) 
•凍頂烏龍(花+フルーツの香り)
•木柵鉄観音(熟れたフルーツの香り) 
•高山茶 (フルーツの香り) 
大陸茶
•遠年普洱(ナツメの香り) 
•武夷佛手 (柑橘系の香り)
•老簍六安 
夏期限定メニュー
実はお茶の苦手な人やお茶を飲み飽きた時に、どうぞ!
(冬でも、頼めば温かい桂花蜜茶を出してくれるそうです)
•檸檬桂花花蜜 
•梅醸紫蘇汁 

お茶の効能


「早朝の一杯のお茶は薬売りを餓死させる」という諺や最古のお茶の科学書である『茶経』の中で、「体が不調のときに、お茶を4~5杯飲めば、効果がある」と書かれているように、お茶は薬ではないけれども、調べたら薬に勝るとも劣らない有効成分を多く含んでいるんです。ウーロン茶が脂肪の吸収を抑制するという事で有名ですが、お茶全般に含まれている成分と効能は主に以下のものが挙げられます。

カテキン(渋み):抗菌•抗酸化作用、口臭抑制
テアニン(甘み):血圧低下作用
ビタミンC:皮膚、粘膜の健康維持
カフェイン(苦み):利尿作用、覚醒作用
フッ素:虫歯予防
ミネラル:生体調整作用

ほら、これらの成分を見ただけで、「漢方は二千五百年。茶は四千年」(漢方薬は二千五百年前から使われ始め、茶は四千年前からあると言う意味)という言葉にも納得できますでしょ。更に、お茶の香りには自律神経の調整をする脳下垂体に良い影響をもたらし、副交感神経を亢進させて、リラックスできる鎮静作用があるんです。嘘みたいに良いこと尽くしっ!歯医者さんとしては、お茶を飲むだけで、虫歯や口臭、歯周病の予防になるので、習慣にすることをぜひオススメします。ホントですよ~。ただし、意外とコーヒーよりも見た目の色が薄いにも関わらず、歯の着色の原因になっているのがお茶。茶渋のこびり付いたお茶碗のようにならないよう、歯の定期的なクリーニングを忘れずに!

お茶選びに困ったら


まずお店の人に、自分の好みを伝えましょう。例えば、淡い味•濃い味のどちらが好きか。更に香りを楽しみたい、甘いお茶が良いなど、情報を渡す事により、より希望に合ったお茶を選んでくれます。複数で訪れた場合には、別々のお茶を頼んで、飲み比べてみるのも良いかも。その場合、お寿司と一緒で、軽くて淡い味のものから飲み始め、徐々に味の濃いものにしていくのが正解だそう。その他、夏には爽やかな包種茶、冬には濃厚な鉄観音の様にその季節に合うとされるお茶があります。そして春摘んだ茶葉は香り高く、夏•秋に摘んだ茶葉は味が濃いといった特徴があるので、ちょっと覚えておいたら、お茶選びに役立つかもしれませんね。

普洱茶のイロハ


店内の棚にぎっしりと並べられ、紙に包まっているのは「普洱茶」の茶葉。普洱茶は保存に強く、長く熟成させることにより、味と香りの変化を楽しめます。10年以上前のものは当たり前。又、昔お茶の葉を運ぶのに固めて小さくした方が便利な理由から、ぎゅっと固めた色んな形になったとか。
「倉庫から出したばかりの普洱茶は味がとがっているから、なるべく暗くて、空気に触れる所に置いた方が味がまろやかになるの」と黄さんは話しながら、籠の中や、机に保管してある普洱茶を見せてくれました。
固形の普洱茶は飲むときに必要量を端から崩して飲む方法と、一塊をそのまま砕き崩して容器に保管する方法があります。崩した茶葉は空気に触れて風味が落ち着き、まろやかになるので、頻繁に飲む場合は、この方法がお勧め。逆に暫くの間保存しておきたい時は、そのまま置いておく方が香りが逃げません。
いずれにせよ、砕くときには結構な力がいるので、ストレス発散しちゃうくらい思い切り良く崩して下さいね!
お土産用の普洱茶に色々な形をしたものがありました。お値段はやはり年代モノほど高い傾向に…。値段と相談しながら、お好みの形を見つけては如何でしょうか?!

■ 餅茶(扁平なお餅の形、円盤形)
■ 香菇頭(別名:牛心菇/緊茶)
(キノコのような形)
■ 沱茶 (お椀型をしたもの)
■ 青磚 (レンガ型をしたもの)

販売されていた普洱茶
•90年代青磚 (ナツメの香り)

•2008年雲南 大理特級青沱(梅の香り)

•90年代緊茶 

「一看、二聞、三摸、四品」という良い茶葉を買うときの格言があります。
これは、「一に見て、二に匂いをかぐ、三になでてみて、四に飲んで質を確かめる」と言う意味。じっくりと手に取りながら、茶葉選びを楽しんで下さい。

体思いのお茶菓子


お茶菓子の種類は8種類と決して数は多くはないけれど、その殆どがお店の手作りや有機栽培のものでここにも店主のこだわりが見られました。中でも「紅麹桂圓米糕」は真っ赤で、とても甘くてカロリーが高そう。でも、一口食べてみると、柔らかくて甘さ控えめで、竜眼の花の香りがふんわり広がる上品な味でした。台湾でも最近体に良い食べものを摂取することが重要視されていて、この「紅麹桂圓米糕」は体に栄養分、鉄分を補給する効果があるので多くの人が注文しているそうです。黄さんの手作りで他の場所では味わえない自信作とのこと。ぜひ食べてみて下さい。

お茶菓子
•紅麹桂圓米糕
•干し葡萄
•ドライトマト(無着色、有機)
•ナツメ
•烏梅
•南棗核桃糕
•オリーブ
•カボチャ等の種

お茶には必ずと言って良い程甘いお菓子が添えられているのは何故??と以前から疑問に思っていた私。黄さんに聞いてみたら、きちんとした理由がありました。「お茶に含まれるポリフェノールには糖質の吸収を遅らせ、血糖値の上昇を抑制させる働きがあるのよ。だから、下がった血糖値を上げる為に、お茶を飲んだ“食間”ならぬ“茶間”に、少し甘味のあるものを食べることがとても大切なの」と黄さん。
なるほど〜、そっかぁ!抹茶と和菓子の組み合わせにもフムフムこれで納得。

唯一無二の骨董品の家具


私の家には中国のアンティーク家具があるので、店内で使われている机や椅子、キャビネットに興味津々!どれも清時代後期のもので、店主が一点ずつ探して来たものだとか。
入り口付近にある釘を一本も使っていない楠木の机。真ん中にある8人は余裕で座れる大きな無垢の一枚板の机。中でも目を惹くのは一番奥にある4人掛けの机。真ん中に大理石をはめ込んだ「雲石卓」と言われるもので石の模様が流れる雲の様。机の奥には観葉植物が植えられていて、静かで落ち着くためか、予約の時に、わざわざこの席を指定するお客様も多いとか。その他、細かく彫刻が施されたキャビネットも空間にしっくりと納まっていました。
黄さんの私物の家具も雰囲気が合えば、お店の家具として置くそう。「少し前に、自分の対のキャビネットを置いてみたら、お客さんからどうしても売って欲しいと言われて泣く泣く手放したのよ」と話して下さった黄さん。これからも少しずつ良いものを探して行くそうです。どうしても気に入った家具があったら、お願いしてみては?

かわいい小物たち


お茶の他、茶器やお茶の道具、小物も置いてありました。中でも珍しいのは「茶杯罐」と書いてあった蓋付きの茶葉を保管する小さな茶杯。茶葉を入れて持ち運び、蓋を取ってそのまま茶杯として使える便利な優れもの。蓋が可愛い布で覆われていて、ステキでした!その他、同じ可愛い布で作られた茶具を入れる巾着。茶具以外のアクセサリー等を入れても良いかも。
•茶杯罐 
•茶杯  
•茶具包布 

緑の映える生け花


店内に品良く飾られている花は全て店主の黄さんの作品。「特別にお花を習ったことなんてないわ」と話していますが、やはりセンスの良さは抜群。毎週土曜日に全てのお花を新しいものに換えるそう。近くには毎週土曜日に開かれる有名な建国花市があるけれども、そこにはお目当ての観葉植物が少ないため、わざわざ内湖まで足を運び調達するほどのこだわり。だから、彼女の活ける花を目当てに、写真を撮りに来店するお客さんも大勢います。

一人でも大人数でも


お店を訪れて暫くしたら、一人の女性客が入って来て一枚板の机に座り、お店の人にお茶を入れてもらいながら、楽しそうに会話を楽しんでいました。
外見からは敷居が高そうに見えるけれども、堅苦しくなく、スタイリッシュでありながらどこか懐かしい感じがして、女性一人でも気負いする事無くふらっと入れるお店。そんなゆる~くて安らぐ空間がここ「耀紅名茶」に広がっています。一人で訪れて、お茶を飲みながら2時間くらい静かに本を読んで行くお客さん。会社関係の大人数で訪れて、美味しいお茶とお茶菓子を楽しみながら会議をするグループ、2人で来て楽しむカップル。夕食後にゆっくりとお茶を楽しむ老夫婦など、来店する客層は様々だそう。店内の壁面にはピクチャーレールが取りつけてあり、今後良いと思った画家の絵を展示して、販売も行っていく予定とのこと。
「一聞、二喝、三想」(一口目で匂いを楽しみ、二口目で味を楽しみ、三口目で思いにふける)の様に「耀紅名茶」に立寄ってお茶を飲み、これからもセンス良く、日々進化して行く様子を一緒に眺めては如何でしょうか…。

記事登録日:2009-09-11

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2009-09-11

スポット更新日:2014-07-14

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