台湾で最高級クラスのレストラン、おもてなしや接待にはぜひ!とお勧めします。
こんにちは、台北ナビです。
今日は、ちょっと台湾では珍しい杭州料理レストランの「天香楼」へやってきました。場所はランディス台北ホテルの地下1階。20年以上の長い歴史をもつ有名店で、「西湖醋魚」「東坡肉」「龍井蝦仁」「叫化鶏」「純菜羹」などが人気のメニュー。普段仕様にはまず向かない、フォーマルなレストランで、ナビには敷居が高そうと今まで行く勇気のなかったレストランですが、勇気を出して訪れてみると、1280元のセットコースで杭州料理のメインメニューをいただくことができました。来てよかった!と大感激。次回は、家族や大切な人とお祝いや記念でぜひまた来たいレストランになってしまいました。
杭州名物料理コース
●龍井鮮蝦仁(川エビの龍井茶葉炒め) ●宋嫂鮮魚羹(杭州名物魚のとろみスープ) ●生爆酥鱔背(田鰻の揚げもの甘酢たれ) ●絲瓜扒竹笙(きぬがさ茸とヘチマのあんかけ) ●西湖醋溜魚(蒸し草魚の甘酢あんかけ) ●杭州東坡肉(杭州風豚肉の角煮、白ご飯付き) ●精緻鮮水果(季節の果物の盛り合わせ) ●酒釀甜湯圓(ごま白玉入り甘酒汁)
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シェフのおすすめコース
●黄金鮮炒河蝦仁(川エビと塩漬け卵の炒め物) ●生翅香煎牛菲力(牛ステーキのフカヒレあんかけ) ●什錦海鮮菇清湯(椎茸入りの海鮮コンソメスープ) ●翡翠薺菜玉扇筍(なずなとタケノコの煮込み) ●醃瓜白玉蒸時鮮(季節の魚とキュウリの漬物の蒸し物) ●精釀花雕東坡肉(杭州風豚肉の角煮、白ご飯付き) ●時令精緻鮮水果(季節の果物の盛り合わせ) ●白玉雪蛤杏仁露(豆乳で作ったコラーゲンとハシマ入り杏仁ミルク)
他にもこんな単品があります
杭式前菜:
花雕醉雞(花雕紹興酒漬け鶏の冷製) 280元
天香火腿(金華ハムの薄切り) 280元
梅汁蕃茄(トマトの梅紫蘇汁漬け) 180元
上海糖心燻蛋(上海風燻製鴨卵) 65元/1 個
スープ類:
西湖蓴菜羹(西湖じゅん菜入りのスープ) 320元/1人
チキン料理:
富貴土雞(地鶏の蓮の葉包み泥燒き(24時間前に要予約)) 2280元
豌豆雞絲(細切り鶏と真珠豆の炒め物) 680元
野菜料理:
炸響鈴(揚げ湯葉と甘辛ソース) 220元
雪菜百頁(湯葉と高菜漬けの炒め物) 280元
蟹粉豆腐(蟹みそと豆腐の煮込み) 620元
麺類:
蝦爆鱔麵(河えびと田鰻の湯麺) 280元/1人
蔥開蝦仁煨麵(海老と青葱の湯麺) 220元/1人
デザート類:
天香豆雲糕(松の実とインゲン豆ケーキ)180元 (小)/350元 (大)
■ 杭州料理の美
杭州の人は、昔から大自然、美しい庭園、名所古跡を大切にしてきたそうです。そのため、それにまつわる民間伝説も数知れず。「江南の思い出は杭州にあり」と言われるのは、風光明媚に負けないくらいの美食の数々があるからだとも言われています。「西湖醋魚」や「東坡肉」は杭州だけにとどまらず、中華を代表する料理としても有名ですよね。杭州料理は、まず中華で大切な「色、香、味」を兼ね備えているほか、各料理に歴史とそれにまつわるストーリーがあるのが特徴的。
■ 「天香楼」の軌跡
「天香楼」がランディスホテルに入ったのは1987年。香港天香楼の韓桐春氏が顧問となりました。韓氏は、杭州天香楼の名シェフ孟永泰氏の直弟子であるため、杭州料理の神髄を心得ています。韓氏が定期的に台湾を訪れ、台湾天香楼のシェフの指導にあたっているというわけです。台北はレストランの衰退が早く、それはホテル内外ともにそうなので、5つ星ホテルの中に居を構えたからには、いい味を持続させつつ、さらなる向上心をもっていかないと、すぐに追いつかれ追い越されとなってしまいます。そんな中でも20年以上の歴史を保ってきた「天香楼」、中華料理にかけては、台湾では王者クラスだといえますね。
レストラン内部にはクラシックな上品さが漂い、古今斬新な内装で一新する中華レストランが多い中、伝統を守っていて、かといって全く古臭くはなく、上等なお客さんだけを迎え入れる、そんなレストランの品格が静かに秘かに漂っているようです。思わず立ち振る舞いにも気をつけようと動くペースを落とし、発する言葉も小さく上品に努めようとするナビたち。椅子に腰かけたら背筋をピンと伸ばし、料理も小口にして少しずつ、ゆっくり口に運びます。
■ セットメニューの紹介
龍井蝦仁(川エビの龍井茶葉炒め) 620元(一皿)
中国四大茗茶の一つである龍井茶と川エビで調理されています。龍井茶は緑茶の種類で剣先のような形、蒸す製法と煎る製法がありますが、香りがいいとされている煎りのものが使われています。また新茶の開始時期である清明節前後に茶摘みをしたということも、お茶の香りを一層引き立てています。新鮮な川エビは、色が白くて、柔らかい歯ごたえもあります。全体的に淡い色合いが上品で、味も格別。龍井茶を野菜と見立て、エビと和えて調理したのはやはり杭州料理職人の技といえます。「きれいな緑、いい香り、甘い味、美しい形」を備えた龍井蝦仁は、杭州料理の芸術があふれています。さて、こちらのエピソードは、清朝の乾隆帝がおしのびで龍井を訪れた時、獅峰で摘んだお茶を皇太后に献上したところ、皇太后が大変お気に召されたので、お茶を料理に入れてみることになったそうな。
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宋嫂魚羹(杭州名物魚とろみスープ) 280元/1人
小さな容器の中に淡水魚、ハム、タケノコ、シイタケ、卵黄、ねぎ、しょうが、紹興酒、酢、とりがらスープが入っていて、具だくさんです。800年の間、中華の食通たちに好まれてきた味だというだけあって、何杯もおかわりしたくなるほどのさっぱり美味スープでした。このストーリーは、宋五嫂という老婆が侵略者から逃れようと夫の弟と西湖で魚を釣りながら生計を立てていたところ、弟がひどい風邪を引き、調味料を駆使して魚のとろみスープを作って飲ませたところ、すぐに回復したそうな。当時南宋の淳煕帝が西湖を巡行した際にこの話を聞かされ、老婆に飲ませてもらったところ大変気に入り大評判になりました。老婆はその後銭塘門の外側で店を出し大繁盛、その後杭州の名物料理になったそうです。
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醤醋生爆酥饍背(田鰻の揚げもの甘酢たれ)
500元(一皿)タウナギは雄から雌に変わっていく魚。30%くらい雌になったところで、調理されたのがこの料理。食べやすい大きさに切られ、カラッと香ばしく揚げられました。このタレが曲者で、タレなしでもおいしいのが、タレがかかると数倍に味が引き立ちます。揚げものなのに食べた後は口の中にさっぱりした感触が残ります。
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西湖醋魚(西湖風蒸し草魚の黒酢のソースかけ)
220元/1人
桃園県大渓の淡水魚、そのままだとかなりの泥臭さが残るため、調理に使うとなったら半日以上餌を与えないで、池で泳がせ腸内を洗浄させるそうです。この日は、先に蒸され、料理された魚を鍋からサーブしてもらいましたが、通常はショウガやネギ、甘ずっぱいソースもかかった状態で出てきます。魚がとろけるように絶品で、臭みは全くなし。川魚が苦手な人でもおいしい!という言葉が口から出るはず。骨も多い魚ですが、骨抜きもきれいにされていて、ナビたちはツルリペロリと食べてしまいました。絶品!さて、ストーリーですが、漁業を営んでいた兄弟の兄嫁が地元の悪漢に見染められ、兄が殺されました。役人に訴えた兄嫁と弟は報復を恐れて逃げることになり、兄嫁は兄を忘れないでほしいと甘すっぱい魚料理を作って弟に食べさせ送りだしました。その後科挙試験に受かって役人になって戻ってきた弟は当時の悪漢を処罰。連絡が途絶えていた兄嫁ですが、ある宴会席で同じ味付けの料理を食べ、兄嫁を探しだしました。その後2人は元の魚釣りの生活に戻ったそうです。この料理は、別名「叔嫂傳珍」ともいうそうです。
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東坡肉(杭州風豚肉の角煮、白ご飯付き) 200元/1人
お酒、醤油、葱、しょうが、砂糖を調味料とし、豚肉の骨のない胸の部分と一緒に土鍋にいれて、とろ火でじっくり煮込みます。肉は豆腐のように柔らかくなりますがくずれず、味も香ばしくて、飽きがこない味。あまりにも有名な料理なので、上海料理の中の必須メニューにも入っています。料理の名前は、唐宋八大家の一人蘇東坡からとったもので、大文豪でありながら、書画や絵にも長け、かつ料理の腕とセンスにも優れていたこの方。「東坡肉」はもちろん彼が一番得意とした料理なのでこの名前がつきました。作った肉料理を酒とともに送る、と労働者たちに配ったのが、酒とともに料理する、に勘違いされ、皆が酒を加えて食べたら、より一層おいしくなったという話し。単品(200元)でも食べられますし、スープとして汁も飲んでください。全体的にさっぱりした仕上がりになっています。ご飯もこの時にでてきますので、肉汁をご飯にかけながらいただくのがいいですね。ご飯のおかわりもできますよ。
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酒釀甜湯圓(ごま白玉入り甘酒汁) 160元/1人
スイーツ&デザートフルーツは季節のさっぱりしたものが選ばれています。スイーツはこれまた最後に感動させてくれる内容で、日によって少しずつ変わったりするそうですが、この日は、キンモクセイ、オレンジ、湯圓、酒粕、そして、卵が混じったもの。お酒の味が効いてます。ナビは、紹興酒に酔ったのかスイーツに酔ったのか、ちょっと顔が熱くなってるのを感じました。ほんのりと甘くて酸っぱい、和洋にはない味…これぞ中華のスイーツ!という味を感じました。
高級料理は、お酒もたしなみながら、時間をかけてゆっくり食べたいものですね。「天香楼」はそれに十分値するレストランです。 東坡肉が出る時に、白いご飯が出てきます。ご飯のおかわりは自由なので、女性なら1280元のコースで、十分お腹がいっぱいになります。料理はすべて+10%
台北ナビがおとどけしました。