永康街グルメシェフの胃袋を満たしているのは、ここだった!名物高菜料理と小籠包!
こんにちは~台北ナビです。
今日は、実は小籠包食べ比べの一環として、永康街に来ているナビたち。実は、前から一軒、ちょっと気になっている古い小さなお店があるんです。ちょうど一週間前のこと「そういえばあの、李堯綿衣店のそばにも小さいお店で小籠包が売っているお店があったよね。誰か行ったことある!?」なんて一人の一言がきっかけで、6人で押し掛けることになりました。
お店は永康街界隈じゃけっこう有名な地元の老舗店のようで、人気のお茶屋さん沁園のオーナーからもご推薦をいただきました。
お店にはひっきりなしに白いコック姿の人々がテイクアウトに訪れています。そして、その白い後姿は、永康街の各レストランの厨房へと消えていきます。どうやら、彼らグルメシェフの胃袋を満たしているのは、このお店の料理のようですね。ということは、なかなか底力のあるお味なのでしょうか。期待が膨らみます。
半OPENの厨房からは、店主が一生懸命料理をしている姿を見ることができます。テイクアウトの場合は、お店の中に入らなくても、厨房にいる店主に声をかければOKという楽チンさ。このOPEN加減が台湾らしいですね。
よく見ると、隣には高菜の塩漬けがボールにどっさり!
小さな厨房ですが、ここではいろんな作業が行われています。なにせ、お店で作られているもののなるべくほとんどを手作りで賄おうとしているんですから。もちろん小籠包も皮から肉からすべて手作り。奥のほうには、山もりの肉餡が準備されていました。
基本的には「上海風」の小吃をメインに作っているらしく、ここのオーナー若そうに見えますが、この仕事を始めて、かれこれ20年以上になるんだそう。最初に教えを請うた師匠が上海料理のシェフだったことから、こうやって上海系の点心店を開くに至っています。
高菜と湯葉の肉巻きが看板商品
台湾は日本より台風が多く、夏の台風直撃後は水没・崖崩れ・橋の崩壊が多発し、野菜の値段が急激に上がります。しかも、最近は物価上昇と原油高の影響等々で、小籠包の原料である小麦粉も値上がりし、時によっては元が取れないときもあるようです。「高菜の値段も落ち着かないし、小麦粉の値段も落ち着かないけど、うちは安くておいしいものを提供できるよう、努力しているよ!」と、うれしい一言を言ってくれるオーナーです。そんなことを言うように、このお店は、とにかく「安い」ことが魅力の一つで、なんと、小籠包は8個入って90元!しかも一つ一つが大きいですから、得した気分になります。
そんな苦労話をしていると、奥様が高菜で作ったスープを持ってきてくれました。ドカンと大きなお椀の中には、これでもかというぐらい、高菜がどっちゃりと入っています。真緑です。雪菜油豆腐。
中に、茶色の細長いものが入っているのですが、これは湯葉でお肉をまいたものです。今まで見たことがありませんでした。どうやら上海料理に分類される江淅料理の特徴は、このような高菜や豆腐を使った料理が多いということでしょうか。
:さて、小籠包ですが、一籠に8つ入って90元。うん。鼎泰豊の値段に比べると天と地の差です。でもころっとして硬そうな外見にちょっと不安を感じたナビたち。
ひと口カプリと食べてみると、「うわぁ、肉がたくさん~」とびっくりマークが頭に飛びました。肉汁というより「肉」で勝負です。赤身肉を多めに使っているので、あまり肉汁がでないんですって。皮も比較的厚く、ちょっと粉っぽい味が、手作り感を掻き立てます。コショウの香りが利いていて、スパイシー。
「でもね、実はこっちの蒸餃子のほうがお勧めなのよ」といって、出てきたのは、籠のなかにきれいに詰められた白いぴかぴかな餃子たち。一口かじってみると、これぞとばかりに詰め込まれた雪菜にお口の中がびっくり。とっても健康的です。意外に細かく繊細に作ってあるため、葉っぱの線維感も青臭さも感じませんでした。(菜肉蒸餃 8つ)
続々と登場する素朴な料理たち
実は小籠包だけが目的で食べに来たナビたちですが、なんだかおいしそうなものがたくさんあるので、気がついたらテーブルの上にはたくさんの料理が。醤油味の柔らかい豚肉ステーキは、一般的なステーキほど分厚くはないですが、箸でつつける大きさ。一般的には排骨麺として注文して、麺と一緒に食べるんですよ。
さらに見覚えがあるものが…そう日本人にとっての中華料理の典型「肉まん」もありました。中国語で肉まんは「肉包」と言い、逆に中身が青い野菜になると「菜包」となります。大きさは日本のそれより小ぶり。開くと中からわっと飛び出す水蒸気!
デザートの芋プリンみたいなものを持ってきてくれました。なんだか冷たそうです…食べてみると、あれ、意外に固いぞ。口に入れると、あっれ~ホットスイーツ!トップに乗っているので、紫はナツメ、でも他の緑とピンクのものは何だろう。その他の部分は、タロイモの餡からできていて、温かくてホクホク。昔おばあちゃんが作ってくれたような素朴な味わいがあります。冬に食べたい一品(八寶芋泥)。
できる限り、手作りを心掛けているこのお店。食材の味がそのまま料理に出ていて、癒される味です。その手作りに掛ける意気込みはすごく、まず今日の分は朝中に作ってしまうんですって。特に小籠包や肉まんの皮は、毎朝9時から作り始められ、もちろん粉から作っています。毎日使う高菜の量は10kgというから驚きです。
オーナーの高芳良さんと 奥様の蘇素女さんです。
永康街のグルメを汗水流して支えるコックさんたちだって、「おいしいものをおなかいっぱいに食べたい」って欲求があるはず。ここの小籠包が汁ではなく肉中心だということや、中に入っているお肉や高菜の多さなどで、永康街のシェフたちに「安全で、おいしい料理を格安でたくさん」提供したいと頑張っているんです。あまり多くを語らないご夫婦ですが、ナビが訪れた時は、とても温かく迎えてくださり、数々のご質問にも遠慮なく答えてくれました。家庭的なぬくもりと素朴さに癒されるお店です。台北ナビがおとどけしました。