地元に愛され90年! 老若男女がはまってる老舗の味に悶絶するのはいかがでしょ? 特に、八寶冰ならまずはココで食すべし。
こんにちは、とまこです(←新米ナビ、どうぞよろしくお願いいたします)。このナビはかき氷が大好きです。大好きというか、狂ってます。気がつくと、かき氷屋さんでひとりニンマリとろけ顔、夢遊氷病レベルです。いえ、かき氷は以前から好きなのですが、台湾の味に出会ったとき、愛がググーッと一気に深まりました! 「かき氷好き」というか「台湾かき氷好き」なのです!
日本のかき氷と台湾かき氷、何が違う?
なにが日本のかき氷と違うかって……そりゃもう、1から10までまるで違います。氷の味と食感、トッピングの種類の豊富さと合わせの大胆さ、驚異的にビッグな盛り、そしてお安さ! ハッピー満タン万歳モノでございます~!!
それで、現地の方や台湾在住の方にお会いする機会があると、よく「おいしいかき氷屋さんはどこですか?」と聞いてしまうのですが、必ずと言っていいほど挙げられるお店があります。そのお店こそが「龍都冰果専業家」。ガイドブックなどでもよく取り上げられている有名店だから、ご存知の方も多いかもしれません。もちろん、ナビも何度か通っていますが、何度だって行きたいお店のひとつです。なので、改めまして、いざ「龍都氷果専業家」! 朝&昼ごはんをぬいて、気合充分、鼻いき荒く乗り込みました~。
びっくり級の賑わい
とにかく人がいっぱい! 地元の皆さんがおっしゃるとおりの盛況っぷりですね! 老若男女がカウンターをうわっと取り囲み、目を輝かせながら順番を待っています。視線の先は一様にカウンター下のトッピング具材。今日は何にしよう、あれもいいしこれも食べたいし……♪ そんなわくわく感がリアルに伝わってきて、こちらまで一気に幸せな気分になってきました。愛しのかき氷までもう少しのがまんです。
さくさく仕上がる絶品氷
なかなかの混みっぷりなので、待つことは覚悟していました。この賑わいこそがおいしい証ですしね。ところが、あっという間に番がまわってきてまたびっくり。ずいぶん手際がいいのですねぇ。さすが、長年多くのお客さんを満足させてきたお店は違います。どんな風に作っているのか、ちょっと背伸びをしてのぞいてみると、なるほどです。4機のかき氷機をスタッフみなさんで巧みに操っていました。スピーディかつ丁寧かつ、豪快な作業は見ていて楽しいです!
店内はレトロでポップ。味ありです
イートーインスペースは、シンプルな白いテーブルと丸イスが並ぶ庶民的なスタイル。取り囲む壁には、創業者さんや歴代スタッフさんの写真などがグルッと貼られていて、レトロな雰囲気をかもし出しています。なんだか味あり。加えて、店の奥につまれた食材ケースがカラフルでかわいいこと! 果物のダンボールも図案が渋くてなんだかキッチュ! 台湾のケースは楽しい気分が詰まっていていいですねぇ。
お一人様おじぃから、キャピキャピ女子まで
お店に集う人はというと、まさに老若男女。ひとりおじさんにおじいさん、キャピキャピ女子グループに井戸端会議風のおばちゃんたち、ご夫婦、親子連れも多いです。見渡したところ、外国人観光客の姿はいませんでした。この地元密着感もわくわくさせてくれるじゃありませんか。
ところで、日本でのかき氷の存在といえば、お食事のおまけだったり、他の甘味との並列一部だったりですよね。ところが、どうでしょう。台湾では、まさに「かき氷」を目当てにこれだけの人が集まるのですね! 改めて、認識の違いがおもしろいし、うらやましいと思いました。
積まれた1000のカップは何日分?
お店を見渡すと他にも気になることが。カウンターの前には、ずいぶんとうず高く紙カップが積まれていること! あれはテイクアウト用ですね。1.5倍のカップラーメン分くらいはありますよ、巨大です~。で、数がまたこれすごすぎます! ざっと数えて1000個はあります。お店の方に聞いてみると、なんとコレ、1日で全部使い切ってしまうそうです! しかも週末にはこの2倍、2000個はなくなるとか。しかもしかも、それはテイクアウトだけの数ですから……、本当にこのお店の人気と、台湾でのかき氷の存在感に感心してしまいます。
いただきました、店主のオススメ5品!
ではではいよいよかき氷タイムです~!!
☆ 八寶冰、60元 ☆
龍都氷果専業家といったらなんといってもコレ。8つのお宝が乗った楽しいかき氷。具材は、小豆、金時豆、緑豆、ピーナッツ、タロ芋、白玉、芋丸(白いタロ芋もち)、脆圓(ピンクのタロ芋もち)で、とってもカラフル楽しい感じ。見ているだけで幸せになれちゃいます♪ ではでは、パクリ。う~~、うまい! もちもち、ねっとり、ツブツブ、くにゅくにゅ、ぽくぽく、ほくほく……もう、ありとあらゆる食感が口の中を駆け巡る~~~、絶頂ハーモニー、大拍手です!! 一種一種が甘すぎず、薄い味付け。それぞれの素材の地味深さが見事に引き出されていて拍手は増す一方! あぁ、だからこそ、8つもあわせることができるんですね、なるほど。しかも、それらをエスコートする氷の、なんとふんわりキメ細やかでおいしいことでしょう。いやいや、さすが老舗はこの辺のこだわりも違うんですねぇ。感心&悶絶すること数分間。このときは3人で食べましたが、みんなうなるうなる、スプーンの上に、8種の具材を少しずつと氷を盛って、食感オーケストラを楽しみ続けたのでした。
☆ 四菓冰、60元 ☆
これは、八寶冰の具材を人気の4品に絞った通好み一品。金時豆、ピーナッツ、タロ芋、白玉が乗ってます。これはこれで、選んだ気持ちがよーくわかります。くにゅくにゅ感やツブツブ感より、ぽくぽくもちもちをより好む場合は、この4つがあればばっちりですもん! そして実際、八寶冰を何度か食べたらここに行き着くような気がしました。見た目の華やかさ、よくばり感より、地味目の選抜隊で勝負をかける感じが、大人かつ通な気分になれてイイではないですか。今度来たときはこちらをサラッと頼んでみたいと思いました!
☆ 芒菓牛乳冰、120元 ☆
台湾でかき氷といえば、マンゴーは外せませんよね! こちらのお店でも大人気ということで、しっかりいただいてきました。運ばれてきたときには思わず歓声、なんって太っ腹なマンゴー盛り! テンション急上昇です!! ではでは、ザクッ、そしてパクッ。……マンゴー、あっまーーー! マンゴーソースとコンデンスミルクに包まれて、とろとろジューシィ、たまりません~~!! はぁ、この上なく幸せです。
でも、ちょっとだけ、マンゴーソースとコンデンスミルクがかかりすぎな気が。まぁ、そんなこと問題にならないくらいおいしいのですが、点数をつけようとするとその分が欠けてしまうので惜しいです……。
と、思っていたらば、お店の方がやってきて、「一番甘くておいしい愛文マンゴーは、9月にはもうないんですよ。だからちょっと甘さが足りないでしょ。」ですって。なるほど! 普段、たいしたマンゴー経験のない日本暮らしのわたしには、充分すぎるほどこちらのマンゴーも甘く感じられました。でも、極上マンゴーの味が舌に染み付いている台湾の方はその辺厳しいのですね。贅沢すぎますっっっ!! なるほど、そういうわけで、ソースとコンデンスミルクを大胆にかけたのでしょう。ともあれ、来年の最強愛文シーズン(6月~8月)にも絶対来るぞと誓ったのでした。
☆ 酸梅凍冰、60元 ☆
おぉ。これはまたキレイで珍しいタイプのかき氷です。『酸っぱい梅』という名前はついていますが、どちらかというと赤さが甘さに見えるのです。想像のつかない味にわくわくしながら、いただきまーす。するとあらまぁ、予想以上に甘酸っぱい! くっきりとした梅の酸味と、ぷるんとしたゼリーの食感、ふわふわの氷が合わさって、すっごく爽やか、大人味! あっつい夏に、かなりイケると思います!! ただ、酸味に弱い方はダメかもです。好き嫌いがバチッとわかれそうな、個性溢れる逸品でした。
☆
木瓜牛奶、70元 ☆
台湾でジュースといえば、パパイヤミルク! このお店は、かき氷だけでなくフルーツジュースもとってもおいしく、これも大人気なんですって。
ではではさっそくチュー(っと吸い上げました)。う~ん、これこれ、このもったり感。舌の上をのんびり転がるように通過していくのがたまらないんですよね~。パパイヤって、甘さはほどほどで、酸味はないし、牛乳との相性は抜群です。
でも、お店の方は、これについても申し訳なさげ。やっぱり、マンゴーと同じく8月くらいまでが一番おいしいんだそうです。充分満足でしたけど、ならばやっぱり来年は絶頂期にやってきます!
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:いや~、書いているだけでテンション上がる、おいしいお店でございました。トッピングもさることながら、氷のふわふわ感に老舗のプライドを感じます。ぜひぜひ、地元の人に愛され続ける「龍都氷果専業家」にお立ち寄りくださいませね!
以上、台北ナビでした。
【自己紹介】
新米ナビ=とまこ(http://tomako.tv)
旅のおえかき作家。著書は『電車でぐるっとよくばり台湾』『気がつけば南米』(アスペクト)、『世界一周旅ごはん』(朝日新聞出版)など。