三寒四温のこの季節、ああ?カゼひきそう…と思ったら「鶏窩砂鍋」へ。
こんにちは、台北ナビです。なんだか気温が熱くなったり、寒くなったり、こういった気候はカゼを引きやすいですよね。特に疲れていたり、食事時間が不規則だったりしたらなおさらです。そういう時は、洋は東西を問わず、熱々のチキンスープが体に一番効くみたいですね。
元気の源、チキンスープ!
今日は皆さんに、取って置きのチキンスープ屋さんをご紹介したいと思います。その名も「鶏窩」。2007年3月に新装オープンしたんだそうですが、もともとここは、台北ナビでも以前ご紹介したことのある、「驥園」(チーエン)という四川料理の店のシェフの一人が独立して開店した店だそうです。現在は息子さんと二人でこの店を切り盛りなさっているとか。 われわれナビが取材した日の昼も、お客さんでごった返していました。そんなお忙しい中、オーナーシェフの息子さん、ご自身もシェフである蔡佳霖さんが厨房から出てきて、いろいろと取材に応じてくれました。
息子と二人、独立の夢を果たす
もとはといえば、釣り好きのオーナー、蔡さんのお父さん。それが昂じて日本の懐石風な店を開きたかったそうです。そして2007年、「驥園」より独立し、夢を実現。でも思うようにお客の足は入らなかった。そこで息子と二人で創意工夫を凝らし、今のチキンスープの店にたどり着いたというわけです。また店の内装を一からやり直し、多くのお客さんが絶賛する、手軽に本格チキンスープがいただける店となりました。
ここでなぜ「手軽」なのか、ちょっとご説明いたします。もともとこのチキンスープは本家、「驥園」より伝授されたものであります。でもご本家ではそのボリュームはとても少人数では消化しきれない量なのだそうです。大きな土鍋で出てくるスープは味は抜群でも、量が多すぎて、結局残すお客さんが多く、蔡さん親子はせっかくのスープが無駄になるのを惜しんだそうです。そこで!ここ「鶏窩」では、それを改良し、一人分の小さな土鍋にしました。味はそのまま、それにお値段までお手軽なのがうれしい所以ですね。
本格中華の味をリーズナブルに提供
チキンスープは一人分の土鍋で出てくるんですよ。しかもテーブルには個別にガスコンロがついていて、そこに土鍋を置くので、常に熱々なチキンスープが飲めるんです。
しかもメニューは季節ごとに変わるんだそうです。これなら食べ飽きるなんてこと、ありませんね。
それでは蔡さんが伝授してくれました、チキンスープの作り方をご紹介いたします。まずは「湯底」という元になるスープを、もう卵を産まないめん鳥を丸ごと入れて、丸一日煮込むそうです。鶏はもちろん地鶏。蔡さんの親戚の方が台湾の東部で地鶏の養鶏場を営んでいて、いつもそこから新鮮な地鶏を仕入れるんだそう。「湯底」の味が十分でたら今度は香りとコクを出すために、干した貝柱とトン足を入れてさらに12時間煮込みます。この店のスープ作りの秘訣は、薬味や野菜類を一切入れずに煮込むこと。出来上がったスープはというと、濃厚な黄金色。コラーゲンたっぷり、たんぱく質たっぷりです。
どうですか?すばらしい色合いでしょ。
今回ナビはこのスープをおこげといっしょに飲んでみました。このおこげというのは、普通私たちがよく目にする炊飯器の底にくっついているものではなく、(といっても、現代の炊飯器にはそんなものくっつきませんでしょうが)中華料理の食材の一つであるおこげのことです。小さいお椀に入ったそのおこげに目の前のあつ~いスープを入れて食します。感覚でいうと、コーンフレークに熱いミルクを入れて食べるような感じがしますが、でもこれはこれで面白い食感だなと思いました。肝心のスープのお味ですが、さすが濃厚。この味はじぶんちでは出せない味です。もう、コラーゲンがふんだんに入ってるって感じがしますね。これなら明日あさ起きたら、肌がツルツルになって化粧のりがとてもいいこと請け合いでしょう!
おいしそうなエビチリ
今回お店のほうで出していただいた一品料理をご紹介します。まずは皆さん定番のエビのチリソース煮。エビの身が新鮮で歯ごたえバツグン。
からそうに見えますが、それほどでもないです。
それから四川料理ではおなじみの「宮保鶏丁」(120元)。普通は辛い!というイメージがありますが、ここのはマイルドな辛さ。しかも鶏肉の一つ一つが大ぶり。食べ応えがあります。もうこの二皿で、ご飯ください!という感じです。
盛り付けがきれい。カニも大ぶり。
カニの赤青ピーマン炒めは盛り付けがステキ。あっさりした味もなかなかいいです。
もう一品は「無錫羔羊排」(200元)というラム肉の煮込み。こちらも大ぶりでくさみがなく、中までやわらかいです。
蔡さんのお父さんは趣味は釣りなので、時おり新鮮なイシモチをつってきては、メニューに加えるんだそうです。この日も蔡さんお勧めの天然イシモチのフライをいただきました。だいたい釣りの名人というのは、魚をさばくのも上手ですよね。蔡さんのお父さんもご多聞にもれず、魚の骨と身をきれいにそいで、食べやすい大きさに切り、下味もきちんとつけてあります。お味はというと、全くくさみのない、外側はサクッ、中はホワッとした食感。味付けも他に何もつける必要なく、塩コショーの味がこれだけでちょうどいいのです!やはりご飯に合うなあ、という感じ。こちらは一皿200元。
食後のコーヒーをいただきながら、辺りを見回してみますと、まあ、なんとくつろいだ感じのラウンジのようなインテリアでしょう。中華を食べるという雰囲気より、おしゃれにワイングラスでも傾けたいようなムード。蔡さんいわく、かなり内装にお金を注いだんだそうな。でも、ナビが今回いただいたお料理は、全部ハナ丸をあげたいくらいのおいしさ。それにこの雰囲気ですから、なるほどお客さんが入るはずですわ。昼は場所柄、会社がらみの接待関係やサラリーマンなどがよく来るそうです。晩のほうだと、家族連れが増えるそうです。それからこちらのほうでは、お酒の持ち込み料は一切とらないそうなので、自分たちでお酒を持ち込みたい方はご自由にどうぞと言うことでした。ちなみにこちらには台湾ビールと赤ワイン(大、小)、ジョニー・ウォーカーの黒ラベルとグリーンラベルはおいてあります。(全て一瓶売り)
こちらはカップルにピッタリなスペース。
棚には日本風のマスコットが。
メニューもセットで注文しなくとも、全て単品でオーダーできますので、小さいお子様連れや女性だけで来ても安心ですね。 台北ナビでした。