地元民に愛される客家料理。約20種類の雑穀類が入った「擂茶」の体験もできます!
こんにちは、台北ナビです。
MRT「古亭」駅から歩くこと3分、オフィスビルとマンションの間にポツンと佇む平屋の日本家屋が見えてきました。思わずカメラのシャッターを切りたくなるこの趣ある家屋が、本日おじゃまする「北埔擂茶 晉江茶堂」です。地元民が足繁く通う客家料理店で、客家人の伝統茶「擂茶(レイチャ)」の体験もできると聞きつけてやってきました。
なんとも味のある佇まいに、台北ではめずらしい擂茶体験。これは入店前からディープで面白そうな予感がします!
天井には色鮮やかな客家花布
台湾には桃園、新竹、苗栗の北部3県や高雄、屏東など南部2県市を中心にに中国大陸の福建省や広東省などから移り住んだ独自の言語や文化を持つ客家人が多く、謝豊明オーナーは新竹県北埔ご出身の客家人。もともと、親戚の方が故郷で「北埔擂茶堂」という客家料理店を営んでいて、その支店として2000年にこの「北埔擂茶 晉江茶堂」をオープンしました。
日本統治時代の家屋をそのまま利用している店内には温かみのある電球が灯り、使い込まれたテーブルと椅子が所狭しと並びます。天井や壁には色鮮やかな客家花布が施され、これがまたいい感じ!新竹のご実家から持ってこられたという竹細工のかごや骨董品からも、客家人の文化や生活、日本統治時代の様子が垣間見えるようです。
う〜ん、はじめて訪れた場所なのにどこか懐かしく、その中に異国情緒も混在する素敵なレトロ空間です。
擂茶を作ってみよう!
客家擂茶120元
それでは、お座敷に移動してお目当の擂茶体験をしてみたいと思います。
「客家擂茶120元」を注文すると、黒ごま・白ごま・炒ったピーナッツ・緑茶が入ったすり鉢に、すり棒、緑茶ベースの粉、米香(お米のポップコーン)の材料が出て来ました。擂茶とは客家人が遠くは三国時代より好んで愛飲し、来客の際におもてなしのお茶として振る舞ったものだそう。数種類の雑穀類を擂(す)り、それにお湯または烏龍茶を加えて飲みます。客家人の多い新竹では擂茶体験ができるお店がたくさんありますが、台北では貴重な存在です。
※地元の方は体験をせずに出来上がった擂茶をそのまま嗜まれる方が多いため、注文の際には「自分で作りたい」という旨を伝えてください。
1、すり鉢に入った4種類の材料を棒で擂っていきます。最初にピーナッツをポンポンポンと砕き、手元を支点に棒の先をグルグルと回していきます。
「味があって素敵だな」と思っていたすり棒は、聞くとグアバの木とのこと。硬いグアバの木は木屑が出にくく、内臓を強くする作用もあるそう。使い込まれたすり棒は、しっくりと手に馴染みます。
10分くらい擂った状態。もう一踏ん張り!
10分くらい擂っていると具材から油分がじわ〜っと浸み出してきて、ゴマのいい香りが漂ってきました。
謝オーナーに「オッケー?」と聞いてみると、「粒々が残っているからもう少し!具材を完全に擂りきっていないと、お茶にした時に溶けきらずに具材が底に沈んでしまうからね」とのこと。もう一踏ん張りです。
これくらいになればOK!
ペースト状になったところでオッケーの許可が出ました。なかなか疲れますが、夢中になれる作業で楽しい!