小路を曲がった先にある小さな隠れ家。自分だけの秘密の場所にしたい。だけど、大好きな人なら、こっそり連れてきたい
こんにちは、台北ナビです。台中は、降水確率が低く、過ごしやすい気候なので、オープンテラスや、広い庭園がある趣向を凝らしたカフェが多いのです。毎日あちらこちらと店を変えて楽しむことができます。
ナビは日本から知り合いがきたとき、必ずどこかのカフェに連れて行きます。台中のカフェは、時間を選びません。朝食を提供している所もあるし、昼食、午後茶、夕食、夜食、パーティの2次会など、いつでも使えて便利。世界中のどこにでも、ありそうでない「不思議な快適空間」。ナビはずっと台中に暮らしていて気付かなかったのですが、確かに台中の気風と気候、地代があまり高くないという様々な要素から、個性的なカフェがたくさんあるのかもしれません。
台中のカフェ、茶芸館巡りの第1弾として選んだのは、「胡同」。なぜこんなところに店を作ったの?と聞かずにはいられない場所にひっそりとあります。
【外観】
ヒントは、この2枚の写真。ここから入って、探してください。
白い壁に台湾の青天白日旗が。前庭に上がり、入口は?店は見えるけど、ドアが無い?!店の前をウロウロ。焦っているとお店の人がちゃんと中から開けてくれます。このドア、これは皆さんが到ったときのお楽しみ。すぐにドアを開けられたあなたはすごい。
↑ (この席もいい感じ)
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↑ (店内は禁煙。外のこのスペースでどうぞ)
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お店の中は、壁に数人のアーティストの作品を展示。毎月変わります。ナビが取材した日は、油絵や銅板の作品がありました。
始まりは、ある一人の男性が、コーヒー好きが高じて、マンションの7階にある自宅を開放してコーヒーを提供していたそうです。これがまた商売っ気のない方で、メニューも無ければ料金も言わない。代金は、そのお客さんが自分で決めて払うというスタイル。評判を聞きつけた人が、日に日に増え、マンションの住人から苦情が出たので、常連さんが何人も出資してお店を出すことになりました。それが「胡同」。この王店長も、元々はここの常連さん。そのほかのスタッフも、みんなコーヒーやお店の雰囲気に魅せられている人ばかり。店名の由来は、店のある場所が北京の胡同と呼ばれるエリアみたいな場所だから。
客層は幅広く、年齢も職業も国籍もいろいろ。みんなおいしいコーヒーと芸術に魅せられて集まってくるのだそうです。今日は、昼前からここでデザイン設計図をかいている逢甲大学の学生さんがいました。
2階は一般開放されておらず、イベントや発表会があるときに使います。赤の印象的なお部屋。
【こだわりのメニューたち】
「青檸咖啡扎片」 (レモンコーヒースライス)
「レモン+砂糖+コーヒー豆=おいしいコーヒー」
夏季のみのメニュー。説明を聞いただけで食べたいと思う人はあまりいないはず。私は、偶然台湾のテレビ番組で、他の店でこのメニューがあるのを見ていて、不思議な食物だと思っていました。こんな風変わりな店のメニューだからこそ、味わってみようと思ったのかも。一切れ口に放り込んでモグモグ。個人的には好き。こんなメニューを考えついた人は?と思いをめぐらせていたら、ここのコーヒーのコンセプトでもある「酸味、甘み、苦味のハーモニー」を他の材料で表現した一品でした。お試しあれ。
☆「オレンジスライスのシロップ漬け」これも夏季限定メニュー。シンプルにおいしい。このシロップの材料の配分が微妙なんだとか。クアントローやキャラメルシロップまでは分かったけど。オレンジを食べたら、残ったシロップに氷水を加えて飲み物に。夏の午後、窓の外に見える陽炎を見ながら、一口含んで、氷を噛んでみる。清涼感満点。
☆ほかデザートは、ティラミス(80元)、ラズベリーチーズケーキ、
ヨーグルト(カラメル、マンゴー、ラズベリー)、
ナッツ入り手作りクッキー、手作りチョコレート
☆「荷包(焼餅)シリーズ」
このお店の軽食は、この焼餅のみ。「焼餅」は、サクサクの「パイ生地」。ここでは、手を加えて、チーズ味のパイ生地に仕上げ、6種類の具を用意。今回いただいたのは、人気の高い2品。
「蕃醤甜椒牛肉荷包(ビーフのサルサソース添え)」
新鮮な牛肉を秘伝のたれに漬け込んでから焼いて、炒めたスライスパプリカとトマトたっぷりのサルサソース。辛さは控えめ。食事した気がします。
「芝士火局馬鈴薯(チーズ入りマッシュポテト)」
マッシュポテトはチーズの塩気とポテトの自然な甘みが、日本人好みの味。ちょっと小腹が空いたとき向けメニュー。王店長曰く「食事は新鮮で自然に近いものを腹八分目で」
☆スペシャルコーヒー
この日は、16種類のコーヒー豆がメニューにありました。その時々の一番おいしいコーヒー豆を選りすぐっておくため、メニューとは別の一覧表あり。自分の好みの味を伝えると、一番ふさわしい味を選んでくれます。今回は、酸味の強いコーヒーはあまり得意じゃないナビ、敢えて酸味の強めのコーヒーをお願いしました。
出てきたのは、エチオピア産の日干しのコーヒー。
まず香りを楽しみ、一口飲んでみると、予想と違い、酸味は感じるけど、不快じゃない。それに日干しの豆と聞いたので、日向の味がするような・・・(きっと気のせい?)
とにかく一口一口味を確かめながら3分の1飲んで、王店長とおしゃべり。コーヒーに添えてある「ビスコット(ナッツ入りコーヒー味)」で休憩。このビスコットをコーヒーに浸して食べてもおいしいと言われたので試してみたけど、私は、そのまま食べたほうが好き。同行したもう一人のナビは、浸したほうがおいしいとお気に入りの様子。ビスコットの話をしている間に、少し冷めてしまったコーヒー。飲んだときに、前より酸味が強く感じられて、舌の付け根が、キューッと硬く感じられる。店長は、「温度が下がると、酸味が強く出るから、そんなときは、そのレモンを食べてみて」というので、件のレモンスライスをモグモグ。それからまた一口。不快な酸味は消えたけど、やっぱり最初に飲んだ一口目のおいしさにはかなわない。今度来て飲むなら、無駄話せず、一気に気合いれて飲もうと思った。これって「コーヒー道」?
☆麺茶「むぎこがし」って知っていますか?大麦を香ばしく炒って粉にしたものです。日本でも、和菓子の材料になったり、砂糖を混ぜてお湯で溶いたりしておやつにして食べたりします。
台湾にもあるのです。台湾では、ピーナッツ粉やすりゴマなんかも入れて、トロトロのスープみたい。味は、麦とピーナッツの香ばしさ、ほんのりとした甘みが優しい、懐かしい味。台湾もすでに「古早味」と呼ばれています。お店のメニューにあるのは珍しいそうです。台湾人の友達(42歳)にこの話をしたら、子供のころ、台北の路地でも、夜になると、やかんの蒸気が「ピー~~」と甲高く鳴り響いて、「麺茶」売りのおじさんが売りに来たそうです。コンビニの無い時代、夜食に買ったとか。
☆法布冰沙(カフェオレフロート)
甘みを抑えた冷たいカフェオレの上に、さっぱり系のバニラアイスがのっています。暑い夏の日、散歩の途中で立ち寄ったら、これが良さそう。
以上、台北ナビ、台中からのレポートでした~!