地元の人達に愛されるローカル夜市、人気の小吃はもちろん、雑貨や洋服、ペットまで、何でもありの台湾イズムを味わい尽くしましょう!
こんにちは、台北ナビです。
今日は台北市のお隣、新北市にやってきました。というのも、ここ新北市の永和区に地元の人が足繁く通う人気の夜市があるからなんです。それがMRT「頂渓」駅から歩いて15分ほどのところにある「楽華観光夜市」。「士林夜市」や「饒河観光夜市」など、観光客で賑わう有名な夜市とは一味違い、ローカルな雰囲気が魅力です。味や価格にうるさい地元っ子たちを唸らせる小吃や台湾おなじみのドリンク類は、私たち日本人の口にもピッタリ。ナビ編集部МやライターHをはじめ、台湾在住の日本人の間でもひそかな人気を誇る穴場です。ではさっそくご紹介しましょう。
「永和楽華観光夜市」がある新北市永和区は、隣の中和区と合わせて「雙和区」と呼ばれる地域。近年は再開発も盛んですが、昔ながらの集合住宅が所狭しと立ち並び、古い商店がいまでも活躍している下町です。
台北市とは川を一本挟んだお隣なので、市内へのアクセスの良さも手伝い、いまでは台湾で一番人口密度が高いエリアと言われています。最寄駅の「頂渓」駅へは市内からMRTで10分弱。タクシーでも10分かからないので、ローカルとはいえ充分アクセス可能な距離です。
小吃のほかに、雑貨、洋服、ペットまで!何でもアリの楽華ワールド
バイクには気をつけて!
お目当ての楽華夜市は、永和路から中山路にかけて展開する中規模夜市。れっきとした公道に屋台が開店するため、今でも夜市のはじまる夕方以前は車やバイクが頻繁に行き来しています。屋台が開き、人が集まっても、バイクは普通に往来。時折車もゴリゴリと入りこんできますので、注意してください。 地元の人が日常的に使っている雑貨屋さんや布団屋さんの合間を縫って、ギャルテイストからシンプルスタイルまでさまざまな洋服屋さんが並び、バッグや靴を扱うお店もたくさんあります。夜市ならではのゲームは地元の子供たちと一緒に楽しみましょう。さらにさらに、ハムスターや金魚などの小動物を売る店も。何でもありのカオス感はローカル夜市ならではです。
地元の人が愛用する雑貨屋さん
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ギャル御用達の洋服屋さんもたくさん
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カラオケチェーン「PARTY WORLD」のある永和路からスタート!
この看板が目印です
お楽しみは盛りだくさんですが、やっぱり夜市の楽しみは小吃ですよね。楽華夜市には、舌の肥えた地元っ子も納得のおいしい屋台が本当に盛りだくさんなんです!
スタートは「頂渓」駅1番出口から永和路をまっすぐ歩いて右手にある入口から。さりげないアーチのかかった入口のすぐ左には、台北各地に支店のあるカラオケチェーン「PARTY WORLD」の看板が光っていて、いい目印になります。
向かって左の方にあるホルモン系の串刺しや、
豆腐などが食べやすくておすすめ
まずは入口のすぐ左にある「豆乳雞」の屋台に注目。この辺りは台湾小吃の定番中の定番「鹽酥雞」の屋台が集まるエリア。「鹽酥雞」というのは鶏に限らず串刺しになった肉や野菜をその場で揚げてくれる串揚げ屋さん。砂肝などのホルモンや「花子丸」と呼ばれるイカ団子、豆腐など何種類もある材料の中から、自分で好きなものをチョイスできるのが魅力です。「豆乳雞」というのは豆乳で育てた鶏のことで、特別柔らかくておいしいのだそうです。同様の屋台が並ぶ中でも材料がキレイで清潔感漂うこのお店。店頭にあるプラスチック製のザルに好きな材料を入れて、店主に渡せばオーダーは完了。5分程度でカラリと揚げてくれます。一串30元、5種類選んだので150元。片手で持てないくらいいっぱいの一袋ができあがりました。「鹽酥雞」といえば、胡椒と塩、トウガラシ粉などの香辛料をシンプルに降りかけただけの味付けが多いのですが、この屋台は塩ダレをネギ、にんにくとからめたオリジナルソースをかけてくれます。このソースが最高!砂肝が特においしかったので、ホルモン系がイケる方はぜひ。
袋にいっぱい入って150元
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砂肝が特においしかったです
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国民的フード「蚵仔煎」もボリューム満点!
「鹽酥雞」で早くもB級グルメの真髄を極めた後は、台湾人の国民的料理「蚵仔煎(カキ入りオムレツ)」の老舗屋台へ。夜市、屋台とくればカキオムレツ。入口から歩いてすぐの左手に黄色い看板が見えてきますが、やや地味なので見過ごさないようにご注意ください。
地元の人に長く愛される老舗は、観光客目当ての店とはまずボリュームが違います。厚みもふっくら、2人前はある大きさ。カキもたっぷり入って、空心菜で食感にも奥行きが。これで60元は安い!定番の甘辛ソースも決して甘すぎず、オムレツの美味しさをちゃんと引き立ててくれてます。
ボリューム満点!これで60元
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ふっくらおいしい。ソースも甘すぎません
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初めての人も苦手なあなたもトライしてほしい「臭豆腐」
台湾の夜市に充満する独特の匂い…そうです。
臭豆腐の屋台はもちろんこの楽華夜市にもあふれています。その中でもナビのおすすめは、入口から歩いて5分ほどのところにある小さな屋台。黄色い看板に「方家園」とあるお店です。強烈な匂いでビギナーには挑戦しにくい臭豆腐。親日家の外国人でも納豆だけはNG!というように、台湾好きでもこれだけは苦手、という方もいるかもしれません。
しかし、そんな人にこそ食べてみてほしいのがこのお店です!蒸したものと揚げたものを選べますが、揚げ豆腐の方が、臭みが気にならないでしょう。臭豆腐のトッピングは屋台によってさまざまですが、このお店はすりおろしにんにくの入ったタレがかかった豆腐に、キャベツとニンジンを酢で漬けた「泡菜」を添える伝統的な食べ方。サクサクした揚げものの食感と煮込んだ豆腐の旨みが両方楽しめて、思わずビールが欲しくなります。
にんにくたっぷりのタレと泡菜の酸味でいただきます
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外はカリカリ、中はジューシー
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喉が渇いたら夜市ならではのドリンクを投入
小さなお店なので通り過ぎないでください!
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甘くて冷たくて夜市フードにピッタリ
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ヤクルト色ですぐわかります
さてさて、夜市の定番メニューを立て続けに食べて喉が渇いてきた頃ですね。ここは無難なお茶ではなく、夜市ドリンクにトライしましょう。ナビ編集部Mの一押しはヤクルト味のスムージー。どこの夜市でも売っている定番ジュースです。ナビは臭豆腐の屋台からすぐの右手にある小さな販売機のお店で購入。甘酸っぱく冷たくて、にんにくや香辛料で火照った口によく合います。小40元、大50元という値段も嬉しいですよね~。
夜市は2つの道へ。分岐点でタピオカミルクティーを調達
さらにその先は中山路に向かう道と、折り返して永和路へ戻る道とに分かれます。ナビのおすすめ屋台は、中山路へ向かう道に集中していますので、お時間のない方は道なりに右へと進んでください。ちょうど分岐点に出ている屋台もぜひチェックしてほしいんです。
人気メニューの「黒糖原味珍珠」は、黒糖を使ったタピオカミルクティー。台湾を代表するドリンクのタピオカミルクティーですが、黒糖を使っているため甘みが一味違い、タピオカも新鮮で弾力充分です。こちらも中30元、大40元。小さな屋台の前にいつも人がひしめきあっていますが、負けずに注文してください!
ちょこんと座ったカエルが目印
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黒糖を使ったさっぱりした甘みが一味違います
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こじんまりとしたカフェ
分岐点といえば、右に進んだすぐのところにこじんまりとしたカフェが。「LITTLE ITALY CAFE」といいます。正直言ってコーヒーの味はごくごく普通なのですが、夜市の中で座ってお茶というミスマッチ感が逆に落ち着く不思議なお店です。
このカフェの手前、楽華夜市のど真ん中には行列のできる超人気屋台が。屋台の周りに小さな文字でメニューが書いてあるだけなので、一見何の店かわからないのですが、看板メニューは中央にある「三鮮焿」というものです。
人気のスープ屋台の前でトラブル発生!
三鮮というのはエビ、カニ、白身魚の海鮮三種、焿というのは片栗粉でとろみをつけたスープのことを意味しています。地元の人たちはこのスープが大好き。いつも10分以上は待たされます。三鮮以外にも自分の好きな海鮮を選んでもいいですし、お好みで麺、米粉(ビーフン)、冬粉(春雨)を入れることもできます。唯一の難点は夜市のど真ん中、しかも二股の分岐点で人通りがもっとも多い場所にあるので、行列がいつも混乱状態にあること。どこに並んだらいいのかわかりにくいんです。
そう思っていた矢先、ナビの目の前で事件は起きました。違う場所に並んでいた男性が、「指示通り並んだのに順番が来ない!」と店主に訴えるトラブルが勃発したのです。ケンカにでもなるのかとヒヤヒヤしながら見守っていたナビですが、どこからか親切な女性が現れて、「あなたはこの人の後ろよ」と男性を誘導し始めました。その後ろにできていた長蛇の列の人たちもみんな快く譲ってくれて、あっというまに円満解決。いつもゴチャゴチャ並んでいるので、お客さん達も行列トラブルには慣れているのかもしれません。最後尾がわからなかったら、とりあえず周りの人に頼ってみれば何とかなりそうです。
甘すぎないソーセージもありますよ♪
右手に韓国コスメのETUDE HOUSE、そのすぐ先の左手に「烤香嚐」というソーセージ屋さんの看板が見えてきます。
台湾のソーセージ「香腸」はボリュームと歯ごたえが魅力ですが、なんといっても日本人にとっては甘い…ですよね。ここの屋台のソーセージは、ナビが食べた中でもかなり甘さ控えめ(笑)。黒胡椒、麻辣など辛味の効いたトッピングを選べばほとんど気になりません。1本35元、3本買うと100元とお得なので、お友達と一緒にいろんな味を楽しんでみてください。
右にETUDE HOUSEを見たら…
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左手にこの看板が見えてきます
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3本100元。左から蔥(ネギ)、黒胡椒、麻辣(トウガラシ)
タイ人の奥さんのみぞ知るレシピ、一番人気のパパイヤサラダ
さて、だいぶお腹がいっぱいになってきたところだとは思いますが、ここらへんでサッパリメニューを一品。そろそろ中山路が見えてくる頃、右手に「小歇」という学生さんに人気の喫茶店が見えてくるのですが、その向かい側にとんでもない行列ができているんです。それが楽華夜市で一番人気のあるパパイヤサラダのお店。取材日は日曜日だったこともあって30分も並びました!
パパイヤといってもフルーツの黄色パパイヤではなく、野菜の一種である青パパイヤを使ったサラダで、台湾のベトナム料理店、タイ料理店でよく見かけるメニューです。夫婦で切り盛りするお店は奥さんがタイ人なので、秘伝レシピが本場仕込み。ココナッツに魚のエキス、レモン汁に乾燥エビといった材料を、腕っ節の強そうなご主人がクロックと呼ばれる臼で一人前ずつ潰し、混ぜていく本格派です。
一人前ずつ丁寧に作るので、時間がかかって行列はさらに長くなるのですが……。少辣でもかなり辛いので苦手な方は「微辣」を。ヘルシーでバクバクいけちゃいます。
質素な屋台からは想像できないおいしさ!
お店の目印は目立たないのでご注意を
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質素な木の屋台です
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台湾の人に鹽酥雞と並んで人気のある鹽水雞。こちらは揚げものではなく、鶏肉を蒸して塩水で味をつけた台湾ならではの小吃。塩水のほかにはネギなどの野菜、トウガラシや胡椒の香辛料、そして必ずニンニクが入っています。加える野菜はお店によって違っていて、野菜がメインのようにたんまり入っているところから、ネギを添える程度のところまでさまざまです。 中山路へのゴールも見えてくる頃。出口手前の左手に小さな小さな鹽水雞の屋台があります。蒸された鶏のモモが2,3個、あとは色とりどりの野菜が置いてあるだけの、知らなかったら見過ごしてしまいそうなほど質素な屋台です。
ここの鹽水雞が、もうとにかくビックリするほど美味しい!ナビライターのHは毎日通って老闆娘に顔を覚えられてしまった!というほどのお気に入りです。「半雞」はモモ部分の半分、さらに上半分と下半分に分かれていますが、モモの上のあたりの上半分がさっぱりしていておすすめ。骨も丁寧にひとつづつ取ってくれます。たっぷり入ったタケノコもシャキシャキで、一度食べたらやみつきです。毎朝市場へ行って買いつけるという野菜はもちろん新鮮なうちに塩水で味付けをしています。野菜や豆腐などはどれを取っても1種類20元、3種類で50元という明瞭会計!鶏肉とセットメニューにして注文することも可能で、指差し注文できるのも便利なんです。アツアツの小吃はその場で食べないと美味しさ半減ですが、鹽水雞はホテルに持ちかえっても美味しく食べられますので、満腹でもぜひ一袋買って帰ってください。
上半身がおすすめ
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シャキシャキのタケノコと鶏の皮を一緒に食べると病みつきに
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ボリューム満点のドッグを食べてゴール!
いつも行列ができています
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右の米腸(もち米ソーセージ)に左の小腸(豚肉ソーセージ)を挟みます
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最後にナビがこの夜市で一番好きな小吃をご紹介しましょう。それが中山路側の入口脇にある「米腸包小腸」の屋台です。「米腸包小腸」はどこの夜市にも一軒はあるメニューで、もち米ソーセージ(米腸)で豚肉ソーセージ(小腸)を挟んだボリューム満点のドッグのこと。もち米の方を大腸と書いて「大腸包小腸」という看板を掲げているお店が多いようです。
楽華夜市だけでも他に何軒か屋台がありますが、なんといってもここが一番人気。週末には必ず行列ができています。お店によって大きさや材料に大きな差がありますが、味のよしあしを決定づけるのは香腸の味とトッピングだと思います。ここの香腸は甘すぎず歯ごたえもしっかり。トッピングは定番のにんにく、トウガラシのほかに高菜やキュウリなど日本人にもなじみのある材料が使われていて、とっても食べやすいんです。サクサク野菜の食感とソーセージの弾力、米腸のモチモチ感が一体になった、夜市でしか味わえない不思議なおいしさです。
辛いのが苦手な方は「少辣」にして、さらにニンニクを減らしてもらうのがベストです。
他にも台湾の家庭料理「油飯」や、最近新しくできたミニどらやきなど、気になる屋台がいっぱい!さすがに地元の人に愛される夜市だけあって、本当に美味しい小吃が所狭しと並んでいる楽華夜市。お腹をペッコペコに空かせてお出かけください!
以上、台北ナビがお伝えしました。