食べたら病み付き!老舗の変わり種コーンカキ氷と手作り伝統の味でホッと一息。
こんにちは、台北ナビです。
台湾の夏といえばカキ氷!日本人観光客に人気なのは断然、マンゴーカキ氷!といったところでしょうか?しかし、地元の人にはもっとシンプルで昔ながらの味の方が気軽に食べられているようです。今日はそんな伝統カキ氷でありながら、他とはちょっと違った味で多くのファンを持つ「楊記花生玉米冰」に再度おじゃましてきました!
新商品に、マンゴーカキ氷もありますよ!
えっ!?コーンカキ氷!!!
お店に着くと、先客が食べているカキ氷に思わず目が・・・!
あの黄色いトロ~ンとしたトッピングは何!?
パイナップルにしては色が鮮やか過ぎる気がするし、マンゴーだったらもっとオレンジでゴロゴロとしたキューブカットのマンゴーちゃんが見えるはず。
う~ん…あれは???
何と正体はコーン。そう、トウモロコシだったのです。
えーーー!トウモロコシってカキ氷のトッピングにアリ!?カキ氷といえば甘いもの、スイーツでしょ?トウモロコシって野菜でしょ?野菜とカキ氷・・・なんともミスマッチな感じがしますが…。
トウモロコシだけのトッピングはちょっと勇気がいったので、ここはラオバン(オーナー)の娘さんオススメの「花生玉米加三圓」(90元)をいただいてみることに。こちらは人気TOP3のひとつだとか。
花生とはピーナッツ、玉米がトウモロコシです。それにプラス三圓(タロイモ・サツマイモ・湯圓)3つのお団子がのっています。恐る恐るトウモロコシを食べてみると・・・
あらっ!おいしい~♪
トウモロコシに甘みがあってイイじゃないですかっ!コーンのつぶつぶ感もイイ感じ。食べれば食べるほど病みつきになっちゃうなぁ・・・。だって、野菜ということはなんともヘルシーなオヤツですもん。子供のオヤツに買い与えるママも多いというのもうなづけます。ナビ、コーンカキ氷にすっかり魅せられてファンになっちゃいました。
老舗カキ氷店
お客さんが次々と…
そんなコーンカキ氷で有名な「楊記花生玉米冰」の開業は今から50ン年前に遡ります。民国49年、現ラオバンの爸爸(パパ)が現店舗近くの市場で開始。当時は荷車に氷を乗せて売っていたといいます。小さな屋台なのでトッピングも限りがあり、当時は紅豆(あずき)、緑豆などオーソドックスなもののみ。中でも紅豆・緑豆・湯圓・ヤングォと呼ばれるゼリーをトッピングした四果冰が人気だったとか。
その後、民国60年に現在の地にショップをオープン。当初は38号のみの(現在の住所は38号、40号)小さな店舗だったといいます。
気さくな楊オーナー
それから、7年後の民国67年、輸入業を営んでいた友達からポロリといわれたひと言、「コーンのカキ氷なんてどうだ?」この言葉に「イケるかも!」とピーンときたラオバンはコーンの缶詰を使ったトッピング作りを開始。試行錯誤の末、シロップを加えて甘みをだしたコーントッピングを完成。初めて見る変り種のトッピングはみるみる間に人気の品へと躍り出ました。
「今では他店でもやっているコーントッピングはウチが最初。他では生のコーンから作る店もあるみたいだけど、それはいただけない。缶コーンの方が芯が軟らかくてイイんだよ。」と楊ラオバン。
看板メニューが看板に!
そんな玉米冰 ・コーンカキ氷が今ではすっかり看板メニューに。そして正に看板メニューが看板、すなわち店名になったのは民国80年のこと。以前はラオバンの媽媽(ママ)とオジさんの名前をとって「新美芳」といったそうですが、お客さんはみな「市場の氷屋さん」とか「屋台のカキ氷」とかニックネームで呼んでいたそうですよ。そんなこんなで、今ではもうひとつの看板トッピング花生・ピーナッツと合わせた店名に。
伝統トッピングいろいろ
ピーナッツ・コーンカキ氷の他にも伝統の味が楽しめます。トッピング類はどれも、昔ながらの製法を守り、ナチュラルな素材とシンプルな作り方で毎日手作りしているそう。どれも天然のものだからヘルシーで身体によいのも特徴だとか。担当は粉粿はラオバンニャン(オーナーの奥さん)、それ以外は主にラオバンとのことですが、スタッフの誰もが作れるようになっているのだとか。
花生・ピーナッツ:
台湾宜蘭産のピーナッツをじっくり煮込むこと4時間半。以前は皮付きのピーナッツを使っていたとのことですが、今はむきピーナッツを使用しています。だから真っ白なトロトロとしたトッピングができるのだとか。煮込んだ後はさらに一晩おいて味をなじませます。お天気のよい夏の日には電鍋20鍋分が売り切れてしまうそうです…。
紅豆・あずき:
台湾屏東産のあずきを使用しています。甘さ控えめで豆の味がしっかりと残っています。豆の食感もよく大変おいしい!ラオバンいわく「日本のあずきもおいしいけれど、台湾のも負けちゃいない!」なるほど、ラオバン自慢の味。
麥角・麦芽:
隠し味にチョコレートを入れて煮込んでいるそうですが、風味付け程度のためチョコの味はほとんどせず。あまり甘くなく麦芽の風味が香ばしい!ベーシックでありながら日本人には変わり種トッピングといえそう。
芋頭・タロ芋:
煮込まれてトロトロですが、しっかりとお芋の形は残っているので芋の食感も楽しめます。
粉粿・サツマイモ粉のゼリー:
台湾ならではのゼリーはサツマイモの粉で作られています。モチモチともネチョっとともちょっと違う…どこかで食べたことのあるような食感。きれいな色は梔子という漢方薬として使われる植物から。実のような固い丸い鮮やかな朱色をしている梔子は煮ると黄色になるそうです。
鳳梨・パイナップル:
ほのかな酸味と強い甘みが特徴の南部・關廟産パイナップルだけを煮詰め、手作りジャムのようなネトッと濃厚なトッピング具材に。水は一切加えてないので、パイン本来の味が楽しめます。「鳳梨冰」(70元)はパイナップル好きならぜひトライしたい一品!
「紅豆・麥角・花生冰」(95元)はラオバンニャンオススメの組み合わせ。このようにメニュー以外にも好みのトッピングを組み合わせてくれますよ!但し、相性のよい組み合わせがあるようで、ナビオーダーの麦芽+パイナップルは「オススメしないわ~!」とのこと。溶けてきて混じり合っても最後までおいしくいただけるトッピングは、お店の人のアドバイスを元にオーダーした方がよさそうです。
台湾の夏、カキ氷…そしてマンゴー!
「牛奶芒果冰」(180元)はアップルマンゴーを使った夏だけの限定メニュー。その年のマンゴーの出来具合にもよりますが、だいたい5月末~8月いっぱい頃までお目見えします。他店よりもちょっと小ぶりにカットされていて食べやすいかも!練乳とマンゴーとカキ氷(普通の氷)との組み合わせはやっぱり鉄板!
そして新製品の「3Q 冰」(70元)は三圓(タロイモ・サツマイモ・湯圓の3種の団子)+粉粿+粉圓(タピオカ)のQQ(モチモチ)した歯ごたえ3種がトッピングされたカキ氷。
台湾人はモチモチした食感が大好き!
人気TOP3のひとつです。
冬は…
マンゴーやパイナップルなど季節の果物を使用しているため、夏季のみの限定メニューですが、他メニューは冬でも食べることができます。但し、お店は開放的な造り。クーラーはなく、頭上の扇風機だけで夏は逆に寒すぎずよいのですが、冬はさすがに扇風機はないにしてもちょっと寒そう…!そんな方にぜひオススメしたいのが、紅豆湯(おしるこ)や緑豆湯(緑豆のデザートスープ)。これなら身体も温まり、ほっこりできそう!そう、 「楊記花生玉米冰」の味はどれも昔ながらの優しい味。食べたら心もホッと一息できそうです。みなさんもぜひお試しを
以上、台北ナビでした。