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38年の歴史を誇る老舗牛肉麺店、台湾産の牛肉を使用し、牛肉にはこだわりあり!!


こんにちは、台北ナビです。

台湾のいたるところにある牛肉麺店。その中でも牛肉麺の主役である牛肉に、こだわりにこだわった老舗店が「清真中國牛肉麵館」。元は牛肉を売っていた牛肉店というから、その牛肉への知識は半端なものではありません。店名にある「清真」とは、ムスリムの料理を指し、こちらの牛肉麺は台北に住むムスリムにも愛されています。

前身は牛肉店



清真中國牛肉麵館は牛肉麺の老舗店。創業38年の歴史を誇ります。そして、その前は牛肉店だったというから驚き。現在のオーナー・鍾枝葳さんの父親は中国山東地方の出身で、台湾に移り住んできてから牛肉店を営んでいました。しかし、当時の台湾ではあまり牛肉を食べる習慣がなく、「牛肉の食べ方を紹介したい」という思いから、この牛肉麺店をオープンさせました。


オーナーの鍾枝葳さん

オーナーの鍾枝葳さん


メニューはオープン当初からほとんど変わってないのだそう。しかし、時代の移り変わりにより人々の好みも変わってくるので、伝統の味を守りつつも少しづつ改良を加えています。実は以前はもっと塩辛かったそうなのですが、今は健康志向が高まってきたため、塩を控えめにしているのだとか。 そして、近年台湾では牛肉麺選手権も行われているのですが、清真中國牛肉麺館は不参加。「心を込めてきちんと作ることが大切」という信念があり、お客さんに認めてもらえることがもっとも重要なので、順位などは気にならないのだそう。この姿勢からも、牛肉麺への自信が感じられます。 


店内は中国風にまとまられていて、とても清潔。ゆったりと料理がいただける空間づくりがなされています。

今ではなかなか見かけないレトロな電話も

今ではなかなか見かけないレトロな電話も

台湾産の新鮮な牛肉を使用

牛肉へのこだわりが書かれています

牛肉へのこだわりが書かれています

「清真中國牛肉麺館」のこだわりは、その食材にあります。オーナーの鍾枝葳さん曰く、おいしい料理を作るためには、いい食材を使うことが基本中の基本であり、もっとも重要なこと。その信念から、こちらで使用している牛肉はすべて台湾産なのです。ナビが今まで台湾で食べたことのある牛肉はほとんどアメリカ産やオーストラリア産だったので、台湾産と聞いてびっくり!しかも、オーナーがみずから台湾各地に仕入れに出向き、質のいい牛肉を選んでいるのだそう。仕入れる牛肉も生後1年半から2年半の成長した牛のみ。というのも、長時間煮こまなければならない牛肉麺にとって、肉の弾力は非常に大切で、子牛だと筋肉が十分に成長しておらず、肉質がやわらかすぎるため、牛肉麺にはふさわしくないからなのだとか。 


鍾枝葳さんは熱心に牛肉麺へのこだわりを語ってくださいました

鍾枝葳さんは熱心に牛肉麺へのこだわりを語ってくださいました


台湾産牛肉にこだわるのには、理由があります。まずひとつ目は、海外からの輸入の牛肉だと、どうしても冷凍になってしまい、そうすると牛肉内のたんぱく質が30%も失われ、香りも味も落ちてしまうから。牛肉麺に使われる部位は、アメリカやオーストラリアなどの産地では食べられることが少なく、これらの輸入ものだと、台湾産よりもずっと安く仕入れることができるのですが、おいしさのために、輸入物は使わないことにしているのだそう。 


そしてもうひとつはハラル(HALAL)の関係があります。初代オーナーがイスラム教徒であった関係で、こちらで使われている牛肉はすべてハラル認証を受けています。ハラル認証を受けるためには、イスラムによって定められた規則によって処理をせねばならず、そうなるとどうしても国内で仕入れるしかなくなってしまうのだそう。 オーナーの牛肉に対する深い知識と熱意には脱帽です。 ハラル認証を受けている牛肉を使っているということもあり、お客さんの6割はイスラム教徒。トルコやマレーシアのお客さんも多いそうですよ。ナビがうかがった日にも、イスラム教徒と思しきお客さんが食事を楽しんでいました。台北には今でこそイスラム教徒が食事をできるレストランも増えてきましたが、それでも多くのイスラム教徒がこちらに来るのは、味に定評のある老舗だからこそ。


 ただ、イスラム教徒向けの店なので、イスラムで禁止されているお酒などは置いてありません…。持ち込みもNGですよ~。お酒好きな方にはちょっぴり残念かもしれませんが、お酒は食後に楽しむということで。  お茶はセルフサービスで無料です。


熟練した職人さんによる「東北斤餅」はぜひお試しあれ!


入り口を入るとすぐ左手で、職人さんが鮮やかな手つきで小麦粉生地をのばして、何かを作っています。これが、「東北斤餅」。ナビは初めて目にした料理でした。
小麦粉をこねて、丸く伸ばして、焼いて~と、見ているだけだと簡単そうに見えますが、実はとんでもない!かなりの熟練した技術が必要なのです。

最初はゆるめのこんな感じのタネです

最初はゆるめのこんな感じのタネです

それを薄く伸ばして、上に何かを塗っています

それを薄く伸ばして、上に何かを塗っています

生地の上に塗っているのは、油と塩、小麦粉を混ぜたもの。油も質のいいものを使っています。

生地の上に塗っているのは、油と塩、小麦粉を混ぜたもの。油も質のいいものを使っています。

タネを細長くのばして、

タネを細長くのばして、

端から渦巻形にくるくる巻いていきます

端から渦巻形にくるくる巻いていきます

それをまた平たく丸くのばします

それをまた平たく丸くのばします

平たくしたものを鉄板で焼きます。ナビも試しに鉄板の上に手をかざしてみたのですが、これが想像以上に熱い!

平たくしたものを鉄板で焼きます。ナビも試しに鉄板の上に手をかざしてみたのですが、これが想像以上に熱い!



熱い鉄板に薄く伸ばした生地を入れて焼くのですが、なんとひっくり返すのもすべて素手!そして、生地の層を開くために、丸い生地をたたんで叩く作業があるのですが、これもなんと素手!もしも1秒でも多く手を置いてしまったらやけど必至なのだとか。 

ベテラン職人の劉永錚さん

ベテラン職人の劉永錚さん



そんな過酷な作業のため、若い人が入ってきてもすぐに辞めてしまう…という苦悩を明かしてくれたオーナー。お店には現在斤餅を作れる人が3人いるのですが、最ベテランの劉永錚さんは斤餅職人歴35年!生地をのばしながら、焼いている生地も同時にチェックするという手つきはさすがとしかいいようがありません。


熱々がおいしい!ということで、出来たてのものをいただくことに。 


東北斤餅

東北斤餅



東北斤餅(30元)

まずはそのままいただいてみます。手でちぎろうとすると、伸びる伸びる!もっちもちです!そして、塩気も効いていて、普通にそのままでも十分おいしい! 



次は、具材を巻いて食べてみることに。

京醤黄牛肉絲

京醤黄牛肉絲

 

京醤黄牛肉絲(小)200元

細切りの牛肉に甘辛のたれがよく絡まっています。そのままで食べてももちろんおいしいですが、しっかりとした味付けなので、やはり斤餅が欲しくなります。


合菜玳帽 合菜玳帽

合菜玳帽

合菜玳帽(小)160元
もやし、黄ニラ、豆干、きくらげ、ねぎ、春雨などたくさんの具材が入った炒めものです。薄焼き卵が上に乗っています。 



この分量は4人で食べてちょうどいい感じです。 この2つはそのまま食べてもいいですが、斤餅で巻いて食べるのがおすすめ!その割合は、肉:合菜=1:2がお店のおすすめ比率。もちろん、肉が好きな人は半々でもOK!ギューッと巻いて召し上がれ!そうすることで、食感により深みが出るのです。  

肉と合菜を1対2の割合で乗せます

肉と合菜を1対2の割合で乗せます

三角形の頂点をまず最初に折り曲げ、端から巻いていきます

三角形の頂点をまず最初に折り曲げ、端から巻いていきます

完成!

完成!



これだけで、お肉も野菜もたくさん取れて健康的。ひとつ食べるだけでけっこうお腹にたまります。 

ナビは初体験なので、特別に店長の王さんが巻いてくれました。王さんは日本に住んでいた経歴もあり、日本語がペラペラ。 


大蔥甜麺醤

大蔥甜麺醤


もうひとつ、ナビのお気に入りの食べ方がネギ巻き。

大蔥甜麺醤(25元)

お店で作った甜麺醤と、宜蘭の三星葱を巻いて食べます。かなりシンプルなのですが、斤餅も甜麺醤も三星葱もそれぞれが美味で、素材の味を直接感じることができるのです。これに使う三星葱も甘みのある根の部分しか使わないというこだわりよう。


斤餅には牛肉湯をあわせて

斤餅には、牛肉湯をあわせるのがツウな食べ方。もちろん牛肉麺でもいいのですが、それだと量が多すぎるので、牛肉湯を頼む人が多いのだそう。


清燉牛肉湯

清燉牛肉湯

清燉/紅燒 牛肉湯(小)130元

こちらのお店では牛肉麺も牛肉湯も、清燉と紅燒の2種類のスープから選ぶことが出来ます。そして、この2つのスープ、作り方も使っている食材も全く違うのです。

清燉はスープの色が透き通っていて、あっさり味。漢方食材でもある甘草とサトウキビ、玉ねぎと一緒に脇腹と肋骨の間にある肉、前足の肉をじっくり煮込んでおり、あっさりとしたのど越しなのに、野菜の甘みと牛肉の味をしっかりと感じることができます。

透き通るスープ

透き通るスープ

スッキリとしているので、知らず知らずのうちにどんどん飲んでしまいました。
牛肉は臭みがまったくなく、しっかりと煮こまれているのでホロホロ。オーナーの牛肉へのこだわりを確かに感じました。

ナビが運ばれてすぐの熱々の牛肉湯を飲んだあと、斤餅などを食べており、しばらくしたころ、オーナーから「しばらく時間がたったら、さっきとまた違った味が楽しめるよ」とのお言葉。そこでナビも再びお椀にスープをよそって飲んでみることに。すると、本当にわずかにですが、甘みが増したような…。オーナーの説明によると、スープが空気に触れることで発酵が進むため、ちょっと酸味と甘みが増すのだそう。そんな短時間で??と思いますが、味が変化したのは確か。ぜひみなさんも自分の舌で変化を確かめてみてください! 

器にも注目。できるだけ熱々の状態で食べてほしいとの思いから、土鍋を使うのがこだわりなのです。 


本丸・牛肉麺の登場です!

招牌紅燒/清燉黄牛肉麵(170元)
紅燒スープで麺をいただきました。紅燒スープは、醤油と豆板醤、そして唐辛子に48時間煮込んだ牛骨スープを加えて作られます。丸2日も煮込まれるってすごいですよね!そしてこのスープにもこだわりが隠されています。紅燒で使われる部位は、13本ある牛の肋骨のうち、9から12番目の肋骨の間にある部分。なぜかというと脂身が多いから。濃い味のスープを作るために、あえて脂身の多い部分を使っているのだそう。異なるスープで異なる部位を使うという技は、やはり長年培ってきた牛肉麺に関する知識があるからこそなのでしょうね。 


このこだわりの紅燒スープを口に運んでみると…。予想以上に辛い!!でも、辛い中にもやはり確かな牛肉から出たエキスの味を感じることができます。そして、牛肉は赤身と脂身の多い部分が入っており、ボリューム満点。辛さは調節できるので、辛いのが苦手な方は小辣を頼むといいかもしれません。



使われている麺は拉麺(ラーメン)。昔こちらで働いていた職人さんが別のところで作っている麺を仕入れているのだそう。この麺ももちもちしていて、よく牛肉湯とからんでおいしかったですよー。 




清燉牛肉麺(小)140元
清燉スープの牛肉麺はこんな感じです。先ほどのおいしいあっさりスープに青菜とホロホロの牛肉。
そして、歯ごたえもあるしっかりとした拉麺は牛肉の下に隠れていますよ~。

たっぷりの肉の下には、コシのある麺! たっぷりの肉の下には、コシのある麺!

たっぷりの肉の下には、コシのある麺!

そのままでもおいしい蒸し餃子

牛肉蒸餃

牛肉蒸餃



牛肉蒸餃(140元)

ぷりぷりとした厚めの皮にたっぷりの牛肉餡が包まれています。ひと口かむと、じわーっとたっぷりの肉汁が溢れてきました。しっかりとした味付けがされているので、たれをつけなくてもOK!
肉汁がたーっぷり

肉汁がたーっぷり

大きめの餃子、湯気が立っています

大きめの餃子、湯気が立っています


小菜もあります。毎日4種類ほど用意。この日はきゅうりの和物、白菜の漬物、炒めナスなどがありました 小菜もあります。毎日4種類ほど用意。この日はきゅうりの和物、白菜の漬物、炒めナスなどがありました

小菜もあります。毎日4種類ほど用意。この日はきゅうりの和物、白菜の漬物、炒めナスなどがありました

牛肉にこだわりにこだわった牛肉麺がいただける「清真中國牛肉麺館」。上品な味わいで、老舗店の底力を感じさせてくれました。この味でこの価格はかなりリーズナブル!これからナビの牛肉麺の定番店になりそうです。

以上、台北ナビでした。

記事更新日:2014-05-08

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上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

スポット登録日:2006-02-07

スポット更新日:2014-05-02

チェックイン日
宿泊数
部屋数 部屋1 大人 子供

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