食べて納得!!とことん手作りにこだわる名店で、庶民に愛され続ける味を試してみませんか?
こんにちは、台北ナビです。
今日はMRT「古亭」駅出口7を直進すること3分の場所にある、赤い看板が目印のお店「蘇杭点心店」へやってきました。地元民で賑わうこちらのお店の創業は1967年。中国浙江省出身の先代(お父さん)が開いたお店ということで、店名には蘇杭の文字が。蘇杭とは長江の南「江南」の風光明媚な場所を指す言葉で、浙江省も含まれます。
店内には二代目となるオーナーの奥様、黄珍如さんの声が爽快に響き渡ります。「手作りだからこそ、真心が伝わる」そう話す黄さんの思いは、オーダーを承けてから生地をこね始めるという、こだわりの製法からも伺い知ることができます。
カトラリー、調味料とお茶の準備はセルフサービス!
入店し、ぼーっとしていてもことは進みません。まずはオーダーシートに数量を記入し、お店の人に渡しましょう。日本語のメニューもあるので安心。運が良ければ、近くの常連さんが色々と教えてくれたりもします。店内側面に設置された調味料コーナーで小籠包用の調味料を調合します。たっぷりの刻み生姜入りがオススメ!ついでに、お箸とレンゲの準備もお忘れなく。
奥に設置された銀色の缶の蛇口を捻ると、2時間煎じているというこだわりのウーロン茶も自由に飲むことができます。
ちなみに、店内にお手洗いはなく、隣の建物の地下になるので、ご入用の方はお店の方に案内してもらいましょう。
迷っちゃう!!豊富な小菜(小皿のおかず)
入口付近にずらりと並べられた小菜たちは、毎日種類が変わります。
丁香蛋1個20元
丁香(魚)とはキビナゴのこと。ゆで卵の上に、キビナゴの粉、唐辛子などで味付けされたソースがのっていて、ピリ辛、スパイシーな香りが食欲をそそります。
蔥烤鯽魚 150元(値段は重さにより異なります)
弱火で4時間かけてじっくりと揚げたフナを、さらに4時間かけて煮込むという、なんとも手の込んだ一品です。醤油、紹興酒、氷砂糖、お酢で味付けされていて、佃煮のよう。ナビの箸を持つ手が止まりませんでした。骨まで食べられるので、カルシウム不足の方はぜひ!
46年変わらないお店の看板メニュー
絲瓜蝦仁湯包 8個200元 ヘチマの緑がキレイです
ではさっそく、お店のツートップメニューをご紹介していきます。まず、薄い皮からヘチマの緑が透けて見える絲瓜蝦仁湯包(8個200元)。
ヘチマの小籠包はよく見かけますが、こちらのお店のこだわりは何といっても、澎湖(ポンフー)産のヘチマを使用しているというところ!トロリととろける食感が通常のヘチマとは違い、澎湖で栽培されるヘチマは歯ごたえがあり、栄養価も高いのだそう。高価な澎湖ヘチマの食感とエビの甘みを同時にお楽しみ頂けます。
蘇杭小籠包 8個110元 あふれる汁にご注意を!
そして何といっても必ずオーダーしたいオススメ商品は、蘇杭小籠包(8個110元)。
皮を破ると、じっくり煮込まれた豚骨のスープがじわりと溢れ出てきます。こってりした豚骨スープを想像しがちですが、意外とあっさりしていてのど通りはなめらか。蘇杭小籠包の旨味の秘訣はそれだけではありません!なんと、餡の隠し味に使われている醤油も全て手作りなのです。生姜、煮干し、モヤシを炒め、何時間もかけて煮込んでようやく、添加物不使用、天然の醤油が出来上がるのだそう。このこだわりこそが、小籠包を口に入れた瞬間の喜びへと繋がるのでしょう。
その他にも、皮にほうれん草の汁を練り込んだヘルシー餃子の青江素蒸餃(8個150元)。
デザート感覚で食べられる黒ごまたっぷりの桂花芝麻小包(3個65元/8個130元)、10時半から11時半限定で販売される上海小湯包(15個200元)も人気です!
野菜とトマト、玉子のスープ 70元。
地元の人たちは、小籠包や餃子類を食べる時、必ずスープを注文します。
こちらはあっさり味で、もたれません。
小籠包が更においしく感じられるような味でした。
こちらのお店の特徴といえば小籠包の他に、先代の味を受け継いだ本場寧波料理を食べられるということ。今日頂いた「寧波白菜肉絲炒糕」110元は、白菜、豚肉の細切り、そして毎日もち米で作っているというお餅を炒め、醤油、塩、砂糖、白ダシ、大豆ダシで味付けされています。大豆のダシが味噌を思わせて、日本人には少し懐かしいような味になっています。手作りのお餅の食感も、モチモチしていてとってもおいしい。
こちらで使われるお餅は、「あっちの皿は多くて、こっちの皿は少ないということがないように」という黄さんの配慮から、一皿分ずつしっかりと分量が決められています。ここまで気を配るとは脱帽のナビなのでありました。
忘れてはいけないのが、店頭のショーケースに並べられた酥餅(台湾風パイ)15元~。
台北の雑誌などにも取り上げられている人気メニューで、ぜひ試して頂きたい一品。ベテランの職人さんが生地作りを実演している様子は、うっとり見とれてしまいます。ただ生地をこねるだけでなく、何層にも重ねて作られているため仕上がりはまさにパイのよう。丁寧に捏ねられた生地で、やさしく餡を包み、水飴でコーティングした後、白ごまをまぶすという手の込んだ製造工程を思うと、なんて良心的なお値段なのでしょう。
重酥棗泥豆沙(ナツメこしあん)
|
|
重酥蟹殼黃(ネギ)
|
ラインナップは全部で7種類。甘いのがお好みであれば定番の重酥棗泥豆沙(ナツメこしあん)20元、重酥芋泥松子(松の実入りタロイモあん)35元、重酥棗泥核桃(クルミ入りナツメこしあん)35元、重酥芝麻瓜子仁(黒ごまあん)35元。
しょっぱいのがお好みであれば、重酥里肌鮮肉(ロース)35元、重酥蘿蔔絲餅(大根の千切り)35元、そして有名な宜蘭産ネギを使用した重酥蟹殼黃15元。全種類1個から販売されており、冷めてもおいしく頂けるので、テイクアウトにもオススメです。
ちょっとお店の裏ものぞいてみます!?
お昼時の慌ただしさが一段落した14:00過ぎ、ふと周りを見渡すと店内の様子が一変。
客席が作業台と化し、職人さんたちが器用に酥餅の餡を生地で包み始めます。何しろ手作りにこだわっているお店ゆえ、生地を作る人、餡を作る人、お餅を小分けに計る人など、時間を余すことなくフル回転で食材の準備をしているのです。もちろん、お店は閉店時間の20:30まで休みなしで営業しているので、職人さんの早業を鑑賞しながらちょっと遅めのランチを、という方にはこの時間帯をオススメします!食事をしているテーブルの隣で、静かに作業は始まりますが、決して驚かないで下さいね。
一代目から変わらぬ営業スタイルで庶民に愛され続けて約50年。店内は1階、2階合わせて52席とこじんまりしていますが、客足は途絶えるがない様子。
今では口コミで日本人観光客の姿も増えたそうで、連休になると多くて15組前後のお客さんが足を運ぶとか。
厨房で腕を振るうオーナーに代わり、店内を忙しく駆け回る黄さん。「来年あたり、もう一店舗増やす計画中よ」とのこと。
老舗の新店舗も楽しみですね。
以上、台北ナビでした。