地元の人に愛され50年以上。老舗の甘味屋さんで台湾スイーツをどうぞ。
こんにちは!台北ナビです。
今日ご紹介するのは、はやりすたりの変化が激しい台北で、長きに渡り続く老舗の台湾スイーツ屋さん、「雙連圓仔湯」です。創業はなんと1951年!
カキ氷のトッピング、どれにしようかな~
まずはカキ氷からいってみましょう!
ガラスケースの中に並ぶ20種類以上のトッピングの中から好きなものを選んで、カキ氷にのせてもらいます。自分で選べない!という方には日本語メニューでおすすめのセットがあるのでその中から選ぶことも可能です。
日本語メニューもあるので安心!
|
|
組合せの参考にしてみてくださいねっ!
|
トッピングの種類は、アズキや緑豆、ピーナッツ、はと麦など、豆類が中心。湯圓(白玉)やタピオカ、漢方系の蓮の実や白キクラゲなどもあります。そして注目なのが、紫色のどろどろとしたもの!これ、タロイモを裏ごしした「芋泥」というもので、このお店の看板メニューだそうです。怪しい見た目ですが、看板メニューというからには食べてみないわけにはいきません。ナビは「112番:芋泥+花豆+紅豆+福圓+湯圓」(裏ごししたタロイモ、うずら豆、あずき、乾燥させた龍眼、白玉)という組み合わせを選びました。まず、カレーを盛るように「芋泥」をカキ氷の上にかけてから、他のトッピングをのせていきます。できあがったカキ氷はボリュームたっぷり!!
芋泥はとろとろしていて、とてもなめらか。甘さもひかえめでカキ氷によく合います。氷はきめ細かで、口に入れるとさっと溶けていきました。乾燥させた龍眼「福圓」は、精神安定や血液循環などに効果がある漢方の一種で、冬に食べるとからだが温まり元気になります。歯ごたえはシャクシャクしています。福圓の別名は「龍眼乾」。なぜここでは「福圓」という名前を使うのかというと「福圓」の方が福という字があり、響きがいいから!お客さんに幸せな気分になってほしいからだとか。ちょっと漢方っぽい味がするので、苦手な人もいるかも。取材スタッフの中でも意見が分かれました。でも、芋泥に合うトッピングとしてお店の方がすすめてくれたのが福圓なんです。お互いの味が際立つそうなので、興味のある方は、ぜひ挑戦してみてくださいね!
まだまだあります!カキ氷!!
111番
歴史のあるお店で伝統的なかき氷が食べたい!と思い注文したのが、「111番:花生+花豆+紅豆+芋塊+湯圓」(ピーナッツ、うずら豆、あずき、タロイモ、白玉)という組み合わせ。「雙連圓仔湯」の三男坊である姚盧廷さんはトッピングをひとつずつ食べるのがいいよ~と教えてくれましたが、ナビたちは全部一緒に食べてしまいました。と、とってもおいしいではありませんか!コンビネーションが抜群です。それぞれのトッピングは素材の味を大切に味わい深いのですが、他のトッピングと合わせても決して主張しすぎず、ちょうどいい具合!
もうひとつナビが挑戦してみたのが、「103番:芋泥+玉米+花豆+湯圓(裏ごししたタロイモ、とうもろこし、うずら豆、白玉)。かき氷にとうもろこし?という台湾ならではの組み合わせです。他店のものはペースト状になっているのですが、「雙連圓仔湯」はとうもろこしの形そのまま!味付けも塩っぽい感じ。この塩とかき氷の甘さがよく合います。なんならうずら豆がいらないかもというくらい存在感バツグン!ナビはまりそうです。
「雙連圓仔湯」のもうひとつの看板メニューは、油モチ。
すべて手でこねて作ります。2代目にあたる女将さんがこの日も手でこねていました。そして、ビヨ~んとモチを伸ばして見せてくれました。「雙連圓仔湯」のモチは水分を最小限しか足していないので、こんなにも伸びるのだとか。こね終わったモチを低温の油で15分ほどじっくり煮て、こんがりきつね色になったところで油を切り、砂糖と黒ゴマ、ピーナッツパウダーをまぶします。日本のきな粉モチに少し似ているかも。
この、モチを油で煮る作り方は伝統的な方法だそうですが、手間がかかることから今では水で煮る方法に変わってしまい、伝統を守った作り方をしている店はほとんどないとのこと。今まで台湾のモチを何度も食べたことのあるナビですが、確かに油で煮るモチを見たのは初めて!
食べてみると、モチは粘り気と弾力があってなかなか噛み切れない!油で煮るなんて、ちょっとオイリーかな~と心配でしたが、油っぽさを感じませんでした。熱いうちに食べちゃいましょう。
台湾のスイーツと言えばかき氷が思い浮かぶ方が多いはず!でも冬のスイーツもおいしいんですよ!特に「雙連圓仔湯」のぜんざいやピーナッツスープなどがおすすめです。あずきのやさしい味が病みつきになります。ナビが注文したのはこの3つ。
「408番:紅豆+蓮子+白木耳+湯圓(あずき、蓮の実、白きくらげ、白玉」
「505番:花生+蓮子+白木耳+湯圓(ピーナッツ、蓮の実、白キクラゲ、白玉」
「605番:蓮子+芋頭+白木耳+湯圓(蓮の実、タロイモ、白きくらげ、白玉」
かき氷の時にもトッピングで白玉を入れていたのですが、ホットスイーツの時の方がもちもち感アップ!!白玉ももちろん手でこねて作っているんです。手でこねるからこそ伝わるやさしいお味。そして、ナビが盧廷さんに聞いてトッピングに入れたのが、白きくらげ!なんせ皮膚によく、美白になるっていうんです!台湾に来て以来、地黒と疑われるほど黒くなってしまったナビ。ここで白さを補わなければ!と注文したすべてに入れてしまいました・・・。また、注文した後で気が付いたのですが、蓮の実もすべてに入っていました。蓮の実の効能を聞いてみると肺と気管支にいいそう。たばこを吸う方によさそうです。
台湾原産の素材を使っています
こちらのお店の材料は、すべて台湾でとれたもの。輸入物に比べてコストは高くなりますが、その分、品質も味もよく、さらには健康にもよいそうです。
また、台湾のデザートには黒糖が使用されていることが多いのですが、こちらのお店では、紅糖を使用しています。紅糖とは聞きなれない名前ですが、黒糖の一種で、サトウキビを搾り出して精製されたもの。黒糖よりも甘さが控えめで、白砂糖よりも栄養が豊富だとか。
でも、それ以上においしさの秘密があるそうです。
それは・・・
『心をこめて作ること!』
これは2代目である女将さんが3代目の3兄弟にずっと教えていることなのだとか。どんなにいい素材を使っても、最後は心!そう胸を張って教えてくれた盧廷さんはどこか誇らしげでした。
家族で伝統の味を守る
「雙連圓仔湯」は1951年に開業して半世紀以上。開業した当初、このあたりは夜市だったそうです。初代にあたるおじいさんが、夜市の屋台で営業をスタート。当時のメニューは油モチとぜんざいだけだったとか。
味の評判からだんだんとお客が増え、1軒の店をかまえ、別の場所で商売を続けるようになりました。2代目夫婦が甘い物が大好きで、よく外で食べては家で研究を重ね、メニューがどんどん増えてきたそう。三代目の3兄弟も日々研究を続けているのだとか。そして、2004年、思い出の場所に戻って再オープン。現代的で清潔な店内は息子さんの設計だそう。
神様も見守っています
|
|
生肉と生魚を持ってくる人は少ないかと・・・でもイラストがかわいい!
|
お店のスタッフはほとんどが家族や親戚で、アットホームな雰囲気。2代目となるお父さん、3代目となる息子さんが中心となって、お店を切り盛りしています。50年以上前から、家族のあたたかいきずなで守り続けた味。今でも機械は使わず、毎日手作りをしているそうです。
取材中も子供からお年寄りまで客足が途切れることがありませんでした。特に目立ったのが常連らしき年配のお客さん。老舗のあかしですね~。常連さんいわく、自分が小さい頃から食べていて、子供ができたら子供を、孫ができてからは孫を連れて食べにきているとか。今ではお茶仲間と一緒に「雙連圓仔湯」に来るのが楽しみなんだとか。老舗の味はこうやって守られ、愛されるんだなぁと感じました。
おみやげ用モチもあります!
|
|
長男!忙しく走り回ってました
|
以上台北ナビでした。