台湾の五ツ星レストラン。中華風な空間で優雅に本格浙江料理がいただけます
こんにちは、台北ナビです。
台湾に家族旅行で来る時に、意外と悩むのがレストランではないでしょうか。快適な空間で、ゆっくりと台湾らしい料理が食べたい。そんな時にオススメしたいのが、「點水樓」。優雅な中華風空間で、小籠包や牛肉麺などの台湾名物料理のほか、本格浙江料理も楽しめます。あっさりとした味付けでどれも日本人好みなはず。
優雅な中華風空間で味わう
點水樓は忠孝復興にあるSOGOや、台北駅近くの懷寧街にも店舗を構えていますが、ナビが今回訪ねたのは台北アリーナ近くにある南京店。
中国のお城のようなレトロな外観で、圧倒的な存在感を放っています。
お店の入り口もいい雰囲気
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もうすぐやってくる端午節にあわせて、ちまきの紹介もしてあります
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手前に見える階段の枠が格子型にデザインされています。こちらが「窓花」です。
外観もさることながら、お店に一歩足を踏み入れると、優雅な中華な雰囲気が漂っています。インテリアは江南地域の建築スタイルを取り入れています。窓や天井を飾る格子状のデザインは「窓花」をイメージしているそう。
中華風なインテリアで雰囲気も最高!
入り口を入ったすぐのところにある石橋に使われる石材も江南地域のものを使用。わざわざ大陸から運んできたのだそう。
階段の下には素敵な池が。
一般的には階段の下の席は敬遠されやすい場所。そこをオーナーのアイディアで素敵な池にしました。すると、この場所を予約時に指定する人もいるほどの人気席に。
2階の個室
南京店は3階建て。
1階は少人数用のテーブル席、2階はテーブル席と個室があり、3階はすべて個室となっています。その他の店舗よりも個室が多いのが特徴。というのも、ビジネス街に位置していることもあり、ビジネスや接待で使われることも多いからなのだそう。ナビがうかがった時もビジネスマンと思しき方々が食事を取っていました。2階の個室はガラス張りで開放的な雰囲気ですが、3階の個室は外から見えないようになっているので、著名人やVIPに主に利用されているのだそう。
エレベーターはうれしい配慮
また、多く訪れる年配のお客さんに配慮して、エレベーターも設置してあります。これは家族連れにはうれしいですね。
伝統的江浙料理の調理法×台湾食材
ナビは點水樓といえば小籠包というイメージだったのですが、小籠包以外にも驚くほどたくさんのメニューがあります。
その数なんと140品以上!本格浙江料理レストランなのです。
その実力はお墨付き。台湾版ミシュランと呼ばれる「台湾レストラン評価」で2010年、2012年と2度も五ツ星を獲得しているのです。
季節限定メニューも見逃せない!新メニューはどれも1~2か月ほどの時間をかけてじっくり開発されています
點水樓の料理の特徴は、浙江料理の調理法と、台湾食材の組み合わせ。もともと浙江料理の味付けは濃い目なのですが、台湾人の口に合うようにあっさりとした味付けにしています。
また、季節の食材を使ったメニューもいろいろ出しています。ナビが取材にうかがった時は、新竹店のオープンを記念して、新竹名物の東方美人茶を使ったメニューなどもありました。
特別メニューは季節ごとに変わるので、いつ行っても新しいメニューが食べられるのは楽しいですね。
2014年は6月2日が端午節。それに合わせてちまきの特別メニューも出ていましたよ。
ちまきは台湾南部のものとはひと味ちがう湖州風のもの。甘い「紫米豆沙湖州粽」と、貝柱と栗入りの「干貝栗子湖州粽」はこの時期のみの限定メニュー!
味わいいろいろの小籠包
人気ナンバーワンメニューはやはり小籠包。
點水樓の小籠包はバラエティ豊かで、なんと7種類もの異なる素材を使った小籠包が味わえます。
小籠包はなんと7種類!
小籠包
小籠包(5個120元/10個220元)
お客さんが必ず頼むというノーマルな小籠包。こちらの小籠包はその餡に並々ならぬこだわりがあります。
小籠包などの点心を担当する周浩暐さんによると、小籠包に使われる豚肉はすべてワンランク上の黒毛豚を使用。また、しめたての冷凍されてない新鮮な豚肉を使っているため、冷めても臭みがないのです。
できたてホヤホヤ~。この湯気が見えますか?
老雌鶏と豚皮を6~7時間煮込んで作った煮こごりを後外腿と前腿の部分を使った餡に混ぜ込み、それを上質な小麦粉で作った薄い皮で包んでいます。
餡も皮もすべてこだわりぬかれた素材で作られており、その味はとても上品。さっぱりとしつつも、しっかりと肉汁の味わいを感じることができ、何個でもパクパクと食べられそう。
九層塔小籠包
九層塔小籠包 (5個170元/10個320元)
ナビがびっくりしたのはこちらの台湾バジルを使った小籠包。これを食べられるのは點水樓だけ!オーナーのアイディアで開発されたメニューなのです。皮にも餡にも台湾バジルが練りこまれており、ひとくち食べると濃厚な台湾バジルの味わいが口の中にじわーっと広がります。新感覚の小籠包!台湾バジル好きな人は絶対好きなはず!
XO醬小籠包
XO醬小籠包(5個220元/10個 420元)
自家製XO醬が入っています。このXO醬は80%が干貝柱。とてもぜいたくなXO醬がたっぷりと使われていて、きちんと貝柱の繊維感も感じられます。ちょっとピリ辛。
蟹皇小籠包
蟹皇小籠包 (5個300元/10個580元)
冷凍されていない、新鮮な「大沙公」というカニを使用。濃厚なかにみその味わいがたまりません!この小籠包は、ナビが今まで食べたカニ肉小籠包の中でナンバーワンかも。他の小籠包より値は張りますが、試してみる価値はある逸品です。
翡翠小籠包
翡翠小籠包(5個220元/10個420元)
ヘチマとエビの小籠包。エビは濃厚な味わいが特徴な剣エビを使用しており、あっさりとしたヘチマとエビがマッチしています。
その他、トリュフが入った「松露小籠包」(5個290元)やピリ辛の「麻辣小籠包」(5個190元)もありますよ~。
お好みで組み合わせられるのはうれしい!
「どれにしようか迷う~」と思った方に耳寄り情報をお伝えしちゃいます。
メニューでは5個単位でしか価格が表示されていませんが、実はお好きな小籠包を食べたい個数ずつ注文することもできるのです。例えば、「小籠包1個、九層塔小籠包2個、蟹皇小籠包3個」といった組み合わせで注文することも可。その場合はそれぞれ1個ずつの価格で計算されます。
このサービスは少人数で行くことの多い観光客にとってはかなりうれしいですよね!
1階では小籠包の作業台が、お寿司屋さんのようにオープンスペースになっており、間近で小籠包作りが見学できます。
このカウンターの席に座ることもできるのだそう。
職人さんが丁寧に小籠包を作っています
南京店では小籠包職人が6-7人おり、およそ1年程度の訓練を経て厨房に立っているのです。ナビがお話を聞いた周浩暐さんは、なんと小籠包職人歴24年!この美味しさは長きにわたって小籠包を作ってきた賜物なのです。
料理部門の料理長を務める陳北生シェフ
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周浩暐シェフは点心部門の料理長
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あっさりとした上品な料理の数々
點水樓牛肉麵
點水樓牛肉麵(680元)
ナビ編集長大絶賛のこちら。紅燒スープにもちもちの刀削麺と大きな牛肉の塊が入っています。紅燒スープには一般的には唐辛子などが加えられますが、こちらで使っているのは豆板醤。玉ねぎやにんじん、にんにくなどを8時間ほどぐつぐつと煮込んで作られたスープは、野菜の甘みたっぷり。紅燒スープは味が濃いイメージですが、こちらは上品なあっさりとした味わいで、すっーと喉に入っていきます。
牛肉は、台湾産の牛筋と、アメリカ産のスネ肉が使われています。両方ともほろほろに煮込まれていて、歯が弱い人でも食べられそうなほどのやわらかさ!
もちもちした太めの麺がたまりません!
牛肉麺コンテストでも五ツ星を獲得したというから納得。
この牛肉麺はもともとは無かったメニューなのですが、短い日程で台湾に訪れる中国のツアー客の、「小籠包も牛肉麺も食べたい」という要望に応えるために開発されたのだそう。
価格は一般の牛肉麺と比べるとお高めですが、一碗で女性だと3人で食べてちょうどいい分量なので、こちらはぜひとも試していただきたいメニューです。
蟹粉豆腐煲
蟹粉豆腐煲(小580元)
「紅蟳」と「大沙公」という種類のカニ肉で作ったソースで揚げた芙蓉豆腐(玉子豆腐)を煮込んだもの。芙蓉豆腐がとても甘くふわふわしていて、美味!キヌガサタケが食感のアクセントとなっています。
紅糟酥魚
紅糟酥魚(小520元)お酒のおつまみにぴったり!マトウダイのフライと、中華おこげを紅麹のソースで調味してあります。思った以上に辛いのですが、この辛さがお酒とよく合いそう。ビールでも紹興酒でもOK!
辛いのが苦手な方は、注文時にその旨を伝えれば対応してくれます。
龍井蝦仁
龍井蝦仁(小680元)龍井茶葉と剣エビの炒め。剣エビそのものの味を味わえます。さっぱりとした味わい。
薺菜鍋餅
薺菜鍋餅(380元)
このメニューが食べられるのも點水樓だけ!鍋餅には甘いあずきなどがはさんであるのが一般的なのですが、こちらでは薺菜(ナズナ)と合わせてあります。
中にはたくさんの食材が入っているのです
しかも、中に入っているのは薺菜だけではなく、エリンギや揚げたエビ、豆干なども混ぜられているのです。細かく刻んで入れられているとのことで、残念ながらナビは全然気づかなかったのですが、いろいろな素材が入っているからこそ味に深みが感じられます。表面にたっぷりとまぶされたゴマが香ばしい!
杏仁豆腐
杏仁豆腐(180元)
この杏仁豆腐はあなどることなかれ。今までの杏仁豆腐のイメージを覆してくれること間違いなし!なんといっても濃厚、かつなめらか。一般によく使われる香料も不使用で、これぞ本物の杏仁豆腐といった感じ。
2人用のセットメニューもあります。こちらはランチタイム限定で、小籠包や牛肉麺、大根餅などがセットになっています。
4人以上だと単品でいろいろ頼むのも楽しいですが、2人くらいだとあまり種類を頼めないのが難点。
そこで、少人数の方向けに、2人用のセットメニューなども用意してあります。これだと、少人数でもいろいろ食べられそうです。
本格的浙江料理が優雅な空間でいただける點水樓。少人数にも大人数にも対応しており、またお年寄りへの気配りもバッチリなので、家族旅行で食事するのにもぴったり。
日本から家族が遊びに来た時にはこちらに案内してあげようと思ったナビなのでした。
以上、台北ナビがお伝えしました。