茶畑を持つ茶農家の主人が作る「六季香」や冷凍茶などが味わえ、ごはんもおいしい茶芸館!
こんにちは、台北ナビです。今日はたくさんのお茶屋さんが立ち並ぶ癒しの地「猫空」から、眼下に茶畑をもつ茶芸館「六季香茶坊」をレポートいたします。「動物園」駅からロープウェイに乗って、終点の「猫空」駅で降りて、右側の道(指南路三段)をひたすらまっすぐ歩いていけば、カフェやら茶芸館がポツポツ見えてきます。およそ1km歩くと、今日の目的地「六季香茶坊」に着きました。数ある茶芸館の中でどうしてこの「六季香」さんを選んだのか、というと、台湾の知り合いからすすめられたことと、朝早くから夜遅くまで営業している、という便のよさでした。
お天気がよければ、ロープウェイからは台北が一望に見渡せますし、25分間のロープウェイはなかなか乗りごたえがあります。休日は朝早くから、観光客でいっぱいになります。
ちょっと歩いたら到着
ほっと一息ついていると、笑顔の優しいオーナー張信鐘さんが現れました。昨日から春茶作りが始まったそうで、夜を徹して朝9時まで8時間ぶっ続けで作業をしていたそうです。台湾の鉄観音(通称木柵鉄観音)は特に焙煎が強いのが特徴ですが、この焙煎を6~7回繰り返し、深い味わいにさせるには、かなりの時間と体力を要します。さっき少し仮眠をとっていたそうですが、この茶作り作業は約2週間続きます。「体重も数キロ減るんだよ、今日は1日目だからまだ笑っていられるけど、2週間後に来てくれたら、もうゲッソリしているから」と、微笑みながら話してくれます。眼下に見下ろす茶畑は張さん3兄弟のもので、「六季香」に隣接しているもう一つのレストランもご兄弟が経営していました。張さんが茶畑を指さしながら、新芽がきれいに出て、まだ茶摘みを始めていない方向を教えてくれます。
茶畑を歩いてみます!
この日はかなりの陽気で暑かったのですが、ナビたちは降りて見てみることにしました。上から見るとそうでもなかったのですが、かなり急な坂で、滑らないように気をつけないと。途中「樟樹歩道」まで降りたら、上の方から張さんが「もっと左だよ~」と叫んでくれてます。さらに歩くナビたち…。張さんのご先祖は、1895年からこの土地で「鉄観音」茶の栽培を始めました。もう100年以上経ってますね。昔の人は、住んでいるところにお墓も作ったので、張さんのご先祖様のお墓もこの茶畑の眺めのいいところに位置しており、静かに「猫空」の茶作りを見守っているようでした。
お茶の段々畑が続きます
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茶摘み籠を持った人がいます
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猫空のお茶の歴史について語ってくれます
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あそこだと指さしてもらい行ってみることに
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珍しい冷凍茶
ハアハア言いながらまたしても坂道を登ってきたナビたち3人。うち一人は完全に参っております。張さんたちは毎日この坂を行ったり来たりするんですね。ここを歩いただけで、もう茶作りの大変さを身にしみて感じてしまったナビです。汗を拭いていると、張さんは、中からヒンヤリと凍った茶葉を出して見せてくれました。この「冷凍茶」の噂は前から聞いていたものの、この地域にはお茶を凍らせて飲む習慣があるのに驚きました。しかもこのお店では、オリジナルの「六季香」を凍らせて作っているので、他では味わえないプレミア物です。これを入れてもらったのですが、生茶の味わいで、意外な新鮮さを感じました。
茶葉はほとんど自分たちの畑で採ったものをお客様にお出しするそうです
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香りがとてもいい!すがすがしい香りがします!
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1煎目はあまみが少しありましたが、2煎目は青みを感じます
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スポーツ?の後は、お茶ですね
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茶油などを使った料理
お茶をいただいていると、奥の方からいい匂いが漂ってきました。オーナーの奥さんが料理を作っています。数年前までは、お茶がメインだったのが、料理も食べたいという人たちの要望に応え、メキメキ腕を上げてきた奥さん。ナビたちもおいしい!を連発しながらいただきました。
招牌茶油麺線 150元 お茶で作った油「茶油」を使った料理です。一見そうめんに見える麺を湯がいた後、茶油で絡めたもの。あっさりとしているので、日本人の口にも合うし、ツルツル入ってしまいます。
六季香茶香炒飯 120元 鉄観音の茶葉を混ぜて炒めてあるチャーハン、細かいのがまんべんなく入っているので、香ばしいいい匂いがします。
香噴鹽焼豚肉 280元 ナビたち3人のおすすめです。原住民料理にもこういうのありますよね。豚肉の塩焼きです。横に添えてあるのは、ネギではなくニンニクの茎。もちろん一緒にパクッと食べてください。セット料理にもなり、300元でお茶付き。
養生油雞 260元 あ~これもおいしかったですねえ、地鶏を漢方に漬けこんであるんですけど、この味がまた何とも。上手く味付けられています。これもセットメニューにでき同じく300元でお茶付きです。
六季香茶豆腐 150元 ここにも鉄観音の葉が入っていて、出汁に一役買っているようです。豆腐は木綿豆腐、茶葉が入るだけで一味違いますね。
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六季香茶葉烘蛋 150元 やはり鉄観音とネギを卵に絡めて混ぜ、フワッと焼き上げた卵焼きです。パクパク食べてしまいました。
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桂竹筍 150元 郊外に来たら、台湾では地鶏とタケノコは必ず出てくるメニューと言ってもいいくらいの定番ものです。おいしく炒められてました。
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茶香高麗茶 100元 キャベツの炒め物ですが、新鮮さは、食べたときにわかります。シャキシャキした食感はやはり地元産でした。
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六季香茶蝦 260元 エビには烏龍茶、茶葉が加わるだけで料理が一層引き立つんです。エビもおもてなし料理には必ず出てきます。
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六季香招牌茶油雞湯 500元 茶油で炒められたチキンのスープなのですが、とても濃厚でおいしかったです。冬場は一杯飲むだけであったまります。かなり大きなスープどんぶりで出てくるので、5人くらいで来たならぜひ注文してほしいメニューです。
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食事の後はお茶で
さあ、おなかが満たされた後は、お茶タイムです。ここで茶修業をしている黄さんがお茶を入れてくれます。お母様がお茶の先生だそうで、ご本人も「泡茶師」資格を取るべく毎日講座に通い、昼間はここで茶作りを学んでいるそうです。さっそく!「正欉鉄観音」のお手前を拝見し、味見させていただきます。茶色を見てもわかるとおり、お茶もいい味を出していました。
今度は、オーナーの奥さんが入れてくれます。まずは冷凍茶なのですが、先ほど飲んだ「冷凍茶」とちょっと味が違うみたい、と思っていたら張さんがやってきて「何入れてるの?」、奥さんが袋を見せると、「これは一番いい冷凍茶だよ」と座って自分も一杯。世間話で盛り上がります。お茶を飲みながら台湾の人たちとの談笑は、本当に心が和みます。張さん夫妻も穏やかで、もてなし上手。お客さんが自然にリラックスできるムードを無意識にうまく作り上げているんですね。
いい色ですねえ
お茶は一人160元で、お食事の後にお茶をいただく場合は、お茶の部分が20%OFFになります。お茶を買うなら、一例としては、冷凍茶1斤(600g)1000元~2000元、鉄観音1斤(600g)1600元~6000元
一袋40元の小さい袋に茶葉は2両ずつ(1両は3.75g)入っているので、残ったら持ち帰ることができます。
お茶菓子もありました。茶梅(60元)、緑豆糕(50元)、核桃酥(60元)。茶梅は自家製なのでおすすめです。甘すぎずさっぱりとした味。
お茶もいろいろ
「六季香茶坊」へは茶葉の持参もできますが、現地で年に6回とれるお茶はいかがでしょうか? このお店には張さんのお父さんが開発した新茶があります。「六季香」という店名にもなっている烏龍茶がそれで、少し専門的にいうと、烏龍と包種の間位の浅めの発酵です。その名のとおり年に6回取れるので、行った時期によって微妙に違う香りが味わえます。季節の指定もできるとのことです。
冬場には、焼き芋のサービスもあり、日本人の心をくすぐるのがこのサービス。炭火焼きの台に現地産のさつま芋を乗せて、自分で焼かせてもらえるのです。黄色くて甘いこのお芋に、さらにとろけてしまいますね。
以上、台北ナビでした。