2年連続ミシュランガイド台北2つ星獲得!世界もうならせる台湾を代表する美食「請客樓」
こんにちは、台北ナビです。
2018年よりスタートした「ミシュランガイド台北」は、台北が誇る美食を世界へと発信し、注目を集めました。その中で、2018年、2019年と2年連続2つ星を獲得したのはわずか2軒。その1つは、シェラトングランデ台北ホテルにある「請客樓」です。川揚料理、蘇杭料理をベースに、豊かなアイデアを加えたオリジナル料理は、ミシュランガイド2つ星の基準「きわめて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理」の評価も頷けます。今回は、世界の食通たちも虜にする請客樓の美食の秘密をナビと一緒に探ってみましょう!
シェラトングランデ台北ホテル17階に位置する「請客樓」
台北喜来登大飯店
「請客樓」はMRT「善導寺」駅出口2すぐの場所にある「シェラトングランデ台北ホテル(台北喜来登大飯店)」の17階に位置します。シェラトングランデ台北ホテルは館内が広く、東側(East)と西側(West)に分かれています。請客樓は東側に位置しているので、ロビーから入って、左手奥に進んだところにあるEastのエレベーターを利用して17階へ移動します。エレベーターを下りたらすぐ目の前に請客樓の入り口がありますよ。
江南水色、蘇州の景色をちりばめた店内
孔子の残した有名な言葉に「有朋自遠方來,不亦樂乎」(朋あり遠方より来る、亦楽しからずや(遠方から友が来て、こんなに嬉しいことはない))という、仲のよい友人とともにお酒や食事を楽しみ、話をすることは人生の喜びであるという教えを説いたと言われるものがあります。この孔子の教えをもとに、「請客樓」は大切なお客様をおもてなしするためのレストランとしてホテルの一番見晴らしのよい場所にあり、レストラン内にある煌びやかな螺旋階段からは最高階の18階に行くことができるようになっています。17階、18階合わせて13の個室があり、VIPのおもてなし、会合、記念日の食事などに重宝されています。
請客樓では、四川料理と上海(揚州)料理を融合させた「川揚料理」、中国江浙一帯のエリアの特色料理「蘇杭料理」をベースに、台湾のエッセンスを盛り込んだ創作中華料理が味わえます。店内のデコレーションには江浙の雰囲気をあしらい、壁には蘇州の景色を描いた水墨画、窓際には柳をイメージしたすだれを飾り、全体は「江南水色」という江南の水辺をイメージした水色を取り入れています。18階へと続く螺旋階段はまるで非日常の世界へといざなってくれるような豪華さで、さらには随所にオーナーさんの美術コレクションも置かれ、優雅な空間の中、おいしい料理とともに江南の水辺の雰囲気を感じられます。
蘇州の景色を描いた水墨画があしらわれた店内
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17階から18階へ続く螺旋階段
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台湾を代表する中華の巨匠 林菊偉料理長
林菊偉料理長
2年連続で請客樓をミシュランガイド台北2つ星という輝かしい功績に導いた林菊偉料理長にも話を伺うことができました。高校卒業とともに料理の世界に飛び込んだという林料理長は、約20年この道一筋です。縁あって、シェラトングランデ台北の前身となる「台北来来大飯店」に入り、中華、洋食など様々な料理を学びました。途中、ほかのホテルの厨房に移ったり、兵役に行ったりしながらも、ひたむきに料理と向き合い、この道を究め、今や台湾を代表するシェフの1人と言っても過言ではありません。
ミシュランガイド台北の星獲得に向けて、さぞ意気込んでいると思いきや、2つ星を2年連続も獲得できたことはとても嬉しいながら、たまたま自分がその評価をもらえただけで、賞などにこだわっているわけではなく、ただレストランの品質を守り、お客様のことを思い、厨房に立つことが大切なんだと教えてくれました。ナビは、その思慮深い言葉に感動。
休日も新作料理の開発に励んだり、様々なレストランで料理を食べ歩いたりするのかと思いきや、意外にも夜市で小吃を食べたりするのも好きなんだそう!新しいメニューのアイデアはTVを見ている時や、生活の中でふと湧いてきたりすることの方が多く、ずっと賞を意識していると自分の力が出し切れないので、ただ自分が積み重ねてきたものを大切に、その力を全力で毎日の仕事に注ぐことを大切にしています。自分が培ってきたものを今後、若い世代にも伝えていきたいと思っていますが、本当に大切なのは自身のやる気と努力なんだとも話していました。料理長の謙虚な姿勢ながら、料理、お客様への真摯でひたむきな気持ちが、きっとミシュランガイド台北の審査員の心にも届いたのですね。
請客樓を訪れたらこれを食べずして帰れないと言われる有名料理をご紹介します。目にも舌にもおいしい料理ばかりですよ。
厳選した台湾産高級豚肉の耳とタンを特製ダレでじっくり煮込み、豚耳でタンの包み丸型に形成します。型に入れたまま再度煮込み、さらに味をしみ込ませるという、なんとも手間ひまをかけた一品。
外側の豚耳のコリコリとした食感、やわらかく煮込まれたタンの内側はねっとりとした舌ざわりの食感のコントラストも楽しいです。臭みは全く感じられず、甘辛いたれに特製スパイスの香ばしさも口に広がります。
一度素揚げした後、薄皮と種を取り除いて醤油と氷砂糖に漬け込んだ青唐辛子でピータンを巻いています。和風の揚げびたしの調理方法と四川料理を融合させたオリジナルの一品。
青唐辛子がピータン独特の香りをやわらげ、甘辛い醤油ソースとまったりとしたピータンの味わいがとてもよくあいます。後味にピリリと青唐辛子辛さがやってきていいアクセントになり、深みのある味わいです。前菜としてはもちろん、ビールやウイスキー、紹興酒のおつまみとしてもピッタリ。
請客樓の名物料理ともいえる「鮮露豆腐絲」は、大豆たんぱくを原料に作られたプルンと弾力のある豆腐「百頁豆腐」を千切りにし、鶏油、醤油で味付けした一品。
タコ糸ほどの細さほどに千切りされており、柔らかな百頁豆腐をここまで細く切れるのかと驚くほどです。錦糸卵のような食感ですが、鶏油とネギの香ばしさが口いっぱいに広がり、まるでふわふわとした麺を食べているようです。油っぽさは全く感じず、とてもあっさりした口当たりです。
豌豆藍蝦仁
鮮やかな一皿
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プチプチはじけるエンドウ豆とプリプリのエビがおいしい!
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さやから出したエンドウ豆と蝦の炒め物「豌豆藍蝦仁」。 使用しているエビは、旨味や甘みが強いとされるブルーシュリンプという種類を厳選、毎日シェフたちが一匹一匹丁寧に殻をむき、下ごしらえをしています。
ぷちぷちと口の中で弾けるエンドウ豆は、驚くほど甘みがあり、エビの旨味をより引き立てています。味付けには鶏ガラスープと少しの塩、そして香り付けに黄酒 (米などを原料に造られる醸造酒) とゴマ油を加えています。
宜蘭産のチェリーダックを低温の油でじっくりと過熱した「香酥櫻桃鴨腿」は、請客樓を訪れたら必ず食べたいと言われる名物料理の1つです。もともと丸々1匹の鴨を使用したメニューでしたが、少人数でもオーダーしたいというリクエストに応えて、特においしいもも肉を使用した小さいポーションのメニューも登場しました。葱、しょうが、八角、花椒、粗塩などにひと晩漬け込んだ鴨もも肉を、約1時間半もの時間をかけてじっくりとコンフィします。皮部分は美しい黄金色になり、サクサクの食感がたまりません。
赤身の部分も柔らかくとってもジューシーで、しっかりとスパイスも効いています。鴨の旨味が凝縮しているようです。
魚子燒豆腐
大人気メニュー!
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麻婆豆腐に見えますが、魚卵が入った奥深い味わい。
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一見、麻婆豆腐のように見えますが、なんと鯉の卵が贅沢に入っています。
口に入れた瞬間はとてもまろやかでクリーミーで、後からじわじわと辛さが増してきます。トビコのようなプチプチした食感がおもしろく、やわらなか豆腐との食感のコントラストが口の中いっぱいに楽しめます。白ご飯と合わせて食べると箸が止まらなくなりますよ!
紅豆煎鍋餅
デザートにオーダー必須!
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薄焼きのパリパリ生地の食感がおいしい
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薄い生地の中に粒あんを入れて揚げ焼きしたデザートです。
中力粉と水で作った生地を6時間寝かせ、生地に弾力を持たせた後、薄く伸ばし、中に屏東萬丹産の小豆で作った餡を包み込みます。さらに生地を四角く伸ばしたら、卵液と白ゴマをたっぷりかけて、多めの油で揚げ焼き。生地はサクッとして、中の餡は甘さ控えめ、ゴマの香ばしい味わいが口いっぱいに広がり、いくつでも食べられそうです。台湾茶と合わせて食べると、風味が増してよりおいしく食べられます。
「請客樓」の料理はどれも精緻で美しく、舌でおいしいのはもちろん、目でもしっかりと楽しませてくれる華やかな料理ばかりです。プライベート空間を大切にした店内の雰囲気は、ゆったりとおいしい食事を楽しむのにもぴったり。大切なお客様のおもてなしや、お祝いの席にも利用したいレストランです。台湾で贅沢に中華を楽しんでみたいという方は、ぜひ請客樓を訪れてみてはいかがでしょうか?
以上、台北ナビでした。