ブーム到来の予感!老舗漢方薬局のエッセンスが詰まったアツアツ薬膳鍋
こんにちは、台北ナビです。
夏でも汗をかきかきお鍋を食べるほど、鍋好きの多い台湾!街のあちこちでいろいろな種類のお鍋を楽しむことができますが、中でもぜひ試してほしいのが、おいしく食べて身体をいたわることができる薬膳鍋です。
今回ご紹介するお店は、オープンしてまだ数か月という新しいお店ながら、老舗の漢方を取り入れたお鍋がいただけると話題のお店です。鍋のためにお腹をペコペコにしてきたナビ。早速行ってきます!
老舗漢方薬局と新しい火鍋店がコラボ
お店があるのは、台南市議会すぐそばの大通り沿い。カルフールの安平店と同じ敷地にある路面店で、買い物帰りに立ち寄って行くお客さんも多いのだとか。
重厚感ある大きなドアを開けると、漢方ならではの独特な香りがただよう明るい空間が広がります。いちどに60人以上のお客さんをお迎えできる店内は、広々として開放感たっぷり。グループやおひとり様など、女性の姿が目立ちました。
お店の名前になっている「德記」というのは、新竹にある漢方薬局「杏春德記中藥房」から来ています。この薬局は、100年の歴史を持つ老舗薬局で、現在5代目店主が伝統を受け継いでいます。そして、今回ご紹介する「德記中藥火鍋」は、若きオーナーである陳昭宏さんが今年の1月にオープンしたお店で、「杏春德記中藥房」の安心安全な漢方を取り入れた薬膳鍋が楽しめるお店なのです。
「杏春德記中藥房」で代々受け継がれるレシピは「藥補不如食補(薬補は食補に如かず)」、つまり「普段の食事こそが薬に勝る予防医学になる」ということをモットーとし、中国医学のエッセンスがいっぱい詰まっているのです。
季節限定もある!種類豊富なメニュー
目の前に用意されたメニューは、セットメニューと単品メニューが1冊。とてもレパートリーが豊富です。ほとんどの人がオーダーするというセットメニューのページには「李時珍」や「張仲景」など、何やら人の名前らしい文字が……。この方たちは、学者や医師など中国医学界に名を残す著名人なんだそうです。勉強になりました~。
「扁鵲」という、これまた中国における名医の名の付いた鴛鴦鍋(2色鍋)のセットについても、4種のセットそれぞれに「望・聞・問・切」という、4つの診療方法を当てはめていて、なんともユニークです。湯底(スープベース)には、季節限定のものもあり、冬メニューは10月頃から始まります。また、妊娠中の方には適さないスープもあるので、妊婦さんは注文前に確認しておいた方がよさそうです。
蟲草精力湯 180元(単品一人前)ナビが気になったのは「蟲草花」というキノコの一種である漢方を使ったスープ。虫が入っているわけではないのでご安心を。たっぷりのニンニクが入ってこってりとしたスープです。滋養強壮や疲労回復に効果があるといわれる「人参酒」をお好みで入れてくれて、フワッとお酒のいい香りがただよいました。
「精力湯」というと、主に男性のための滋養強壮剤というイメージがあったのですが、女性にもそしてお子様にもおすすめなスープだそうです。「李時珍個人鍋套餐(一人前セット)」にすると、肉と野菜のほか、ごはんや麺などの主食とデザートが付き、選ぶお肉によってお値段が変わります。ニンニクパワーに、食が進み野菜もお肉もペロリといただけますよ。
一人前のお鍋が個性的
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もっとパワーアップしたい方は「人參酒」をプラス
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蓮花養身湯 150元(単品一人前)見ためにもあざやかな、蓮の花が咲くお鍋も気になりました。キレイなお花をいただくのは何となく心が痛みますが、これは丸ごと食べられる食用のお花です。
あまり煮込みすぎないのがポイントで、今までに食べたことがないような、キュッキュツとした不思議な食感でした。透き通ったスープはダシがきいていて、野菜の甘みを引き出してくれます。あっさりとしたスープが好きな方は、ぜひ試してみてください。
そのほかにも、自家製の麻辣醬を使った「麻辣湯」や、これまた自家製の白菜と新鮮なフルーツをたっぷり使った「黑釀酸白菜」のお鍋などもおすすめです。
セルフサービスの付けダレの種類が多いのも、うれしいポイント。ちょっと変わった豆腐乳のソースがあったり、ゴマすりセットも用意されているので、ひとつのお鍋で幾通りもの味が楽しめちゃいます。先ほどナビがいただいた「蟲草精力湯」には、五香醬油と青蔥花、それから辣椒花をそれぞれ1に対し、ニンニクを2分の1入れた、お店おすすめの黄金比ソースがベストマッチです。
これからが楽しみな「徳記」
「德記」では、大人数で大鍋をつつくテーブルはもちろん、おひとり様でも気軽に楽しめる席も用意されています。老舗の味をのんびり堪能するためにも、あらかじめ予約していくのがおすすめです。FBのメッセージからでも、すぐに対応してくれます。
お店は今のところ、本店となる台南のみですが、今後は他都市への進出も視野に入れているそうです。ゆくゆくは、日本でも「德記」の味を楽しめる日が来るかもしれません。
今回取材をしてみて、若者の漢方離れが進んでいるといわれる反面、普段の食事に漢方を取り入れるというスタイルは、女性にはまだまだ根強い人気を保っているような気がしました。今後日本でもポピュラーになっていくのでは?そんな予感がします………。
以上、台北ナビ(岩田優子)がお伝えしました。