高級ホテルで優雅にいただく四川料理。本場の味を再現して、常にハイレベルの味をキープしています。
こんにちは、台北ナビです。
中国5大料理のひとつ、四川料理。スパイスをふんだんに効かせた味には独特さが際立っていて、それでいて庶民的なお値段で食べれる、ということもあって、おなじみの方も多いのでは。その庶民性もあって、現在ではホテルの中に四川料理店があることは少ないのですが、国賓大飯店には広東料理レストランと並んで四川料理店が今も健在で、宴席の場としても利用されています。
忘年会・新年会にもいいかもです!
国賓大飯店12階の「川菜庁」。ナビも何回か訪ねたことがあります。2009年にVIPルームなどを改装、2012年にはお店全体がリニューアルしたと聞いて、おじゃますることにしました。店内は、窓から光が差しこむ明るい雰囲気。12階ですから、台北市内を見おろせ、VIP気分です。できるだけ窓側の席につきたいところです。天井も高めなので広々とした印象を与えます。リニューアルにあたって「老上海」をテーマにした落ち着いた雰囲気の内装に変わりました。会社の食事会や接待などには申し分なし、といったムードです。
さらに、ソファなどがそろった個室も用意されていました。国賓大飯店はVIP級の国賓の接待に使われることもあるホテルなので、個室にはシャンデリアあり、回転テーブル上には切り花がゴージャスに装飾されていたり、豪華です。パーティーやVIPを招く際には、こんな場所を検討したいところです。
日本人に優しい店づくり
こちらのホテルはもともと日本人の宿泊率が非常に高いところですから、レストラン利用者も自然と日本の人が多くなる、ということもあって、メニューのほうを見ると、日本語バッチリ!辛さを表すスパイスマークもメニュー上についていて、お好みを選べるようになっているし、四川料理のレパートリーだけではなく、北京ダックなど、日本人好みのレパートリーもちゃんと抑えています。それを含めると、料理の数は、200を超えるでしょうか!選択肢が豊富なのもうれしいのですが、中華に慣れていない人はどうやって注文するか迷ってしまうところです。そこは、日本語で応対できるスタッフも常駐しているので、どんどんおすすめを聞いちゃいましょう。日本の人はどんな料理が好みなのかをちゃんと把握しているので、的確にバランスのよい注文をしてくれるはずです!
辛さを表すスパイスマーク
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メニューも日本語ばっちり
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人気のおすすめメニュー
今回はこちらで注文率の多いという品々と、ナビのリクエストでお料理を選んでみました。
「麻婆豆腐」 ご存じ、四川料理といえば外せない料理。それぞれのお店の味の違いがハッキリしているので、お味見してみると…第一印象は「ん、そんなに辛くない」。が、じわじわ~と辛さが舌や口にしみ込んでくるようで、そのうちに額に汗が出てきたりします。山椒の風味もふんだんについて、豆腐も崩れずにしっかりとしています。ナビ一同、合格点がでた次第。
「四季豆餅」 インゲン豆と豚挽き肉の炒め物で、四川料理を代表する野菜料理でもあり、日本人にも人気のメニューだそうです。ここでは小麦粉の薄くのばして焼いた皮もいっしょにサーブされるので、それにくるみながら食べます。インゲン豆のシャリシャリ感とモチモチした皮のハーモニーが絶妙です。
「蒜泥白肉」
テーブルにこの料理をおいたとたん、白い肉がプルプルン、と波立っていたのが印象的。切り方がとっても薄く、歯ごたえがありました。甘酸っぱい特製ソースがさらにほかの店の蒜泥白肉とは違っていると思いました。キュウリを添えて食べるとさらにさっぱりした味わいになります。
「覇王風味排」
ポークのスペアリブの中華風、といった感じですが、シャレたお皿にのってくるので、ちょっと見では洋食のメインディッシュみたいです。これがよ~く煮込んであって柔らかく、マイルドな味付けに、思わずうなっちゃいました。中華風角煮と洋風ポークソテーをかけて2で割ってできた一品、といえるかも。
「宮保鶏丁」
鶏肉とピーナツの唐辛子炒め。大量の赤トウガラシが使われていてびっくりするかもしれませんが、トウガラシ自体を口に入れなければ、味自体はマイルドな辛さに仕上がっています。エビバージョン「宮保蝦仁」もあります。
「竹生豆花」
この一品は、ちょっとアイデアがきいているな、と思いました。豆花はふつう、デザートとして食べられるのですが、こちらは、スープとして食べる豆花。キヌガサダケの歯ごたえと、チキンベースのスープとの相性、そしてふるふるの豆花のハーモニーが口に広がります。
「豆酥鱈魚」
柔らかいタラはフンワリと蒸しあがっていて、さらに肉厚なので食べごたえあり。それに黄豆をすりつぶして、ネギ油で揚げた「豆酥」の味がマッチしています。ほかに魚料理で人気なのは、「多椒小黄魚」やハタの醤油蒸し「石斑魚」などだそうです。
「水煮魚」
もともと四川料理の人気メニューである「水煮牛」をアレンジした一品。脂も少なくヘルシーなお料理ですが、骨の多い白身魚の味は好みが分かれるかもしれません。
「タンタンメン」
「四川といえばこれでしょ~」ということで、ナビ、これも注文してみました。スープなしの麺に、トウガラシミソ仕立てのソースが絡まっています。麻婆豆腐同様、はじめはそれほど辛くは感じませんが、あとからジワジワきます。
「四川風炒米粉」「台湾といえばビーフンでしょ~、でも四川風って、聞いたことない」と不思議顔のナビのために、ホテルの担当の方が注文してくれました。激辛エスニックビーフンなのかな、という期待とは裏腹に、しいたけ風味をきかせたわりとうす味の家庭風ビーフン。シェフによると「日本の人が時折注文するので、四川料理のカテゴリーではないけれども、おいてるんです」とのこと。でも、フツーにおいしかったです。
「杏汁木瓜」ヘルシー志向から、日本でもちょっとした人気のある杏仁茶。こちらのは、濃厚なアーモンドの香りがする味わい豊かなあったか杏仁スープです。台湾名産パパイヤの中に注いだ盛り付けがおしゃれ。パパイヤと一緒にすくって食べてもさわやかですし、中華風油あげ(油条)をつけて食べても美味。
今回はありませんでしたが、日本人向けとしては、おこげの上にエビチリソースをかけて食べる「鍋巴蝦仁」もおすすめ。おこげとアツアツのエビチリソースが別々に運ばれてきて、テーブルの上でエビチリソースをかけるのです。そのときに出る「ジュワ!」という音と香ばしさがたまりません!また、ホタテやハム入りのちまき風たきこみご飯を、蓮の葉に包んで香りづけをした「荷葉意仁飯」も、なかなかの味だと思います。
それにしても、こういったホテルのレストランのいいところは、魚料理、肉料理などをスタッフが人数分に切り分けてくれることですよね~。自分が身を乗り出して、大きい皿から盛る面倒がない、というところがラクです。
本場の四川料理にシフトした味作り
四川料理というとすぐに「激辛料理」と連想する人もいると思います。確かに四川省は香辛料の産地として知られ、あらゆる種類の薬味が存在しているため、辛さを強調した料理も多いのですが、台湾の四川料理は台湾風にアレンジされていて、本場に比べると一般的にマイルド。たとえ辛い料理であっても、まろやかな辛さで仕上げられているものが多いです。が、こちらの店は、ここ数年は中国からの文化交流が盛んになっていることから、「本場の味に戻しつつある」とチーフシェフはいいます。
山椒粉や各種のトウガラシを本場四川省から取り寄せているのはもちろんですが、こちらのシェフたちは定期的に四川省に視察に行き、現地の味を確かめたうえで、台湾で新たなレシピやメニュー作りに役立てているそうです。だから料理の味が洗練されているんだ、と納得。小さな店ではなかなかできない味へのこだわりを持ち続けていることを思い知らされました。
12階と、敷居の高いところにあるため、値段が高いと思いきや、手軽に食べられる時間帯もある、ということで、こういった高級店もひとつ挑戦したいところですよね。国賓大飯店のメインエレベーターは混み合うことも多いのですが、12階までスムーズに行けるよう、裏手に専用エレベーターもあります。詳しくはホテルのスタッフにお尋ねください!
四川料理三昧で満腹の昼下がりでした… 以上、台北ナビでした!