アンティークな雰囲気のある空間で、味わい深い台湾料理に舌鼓
こんにちは、台北ナビです。
今回は、台北の旅をより印象深くする台湾料理のお店、そして在台の方には日本から来る知人友人を連れて行きたくなる場所をご紹介します!
この看板が目印です
MRT松江南京駅より歩く場合は少しだけ距離がありますが、場所としては建国高架道路のある下の道沿いなのでわかりやすいです。近くにミニチュアアートが展示されている袖珍博物館があります。
四角の「時寓」と書かれた小さな看板を見つけたら、そのすぐ下のベージュ色の扉から2階へ階段で上がります。
老房子なので窓にも趣があります
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手書きで書かれたお店の情報
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老房子をリノベーションしたぬくもりのある空間
1階から2階へ上がる際にすでに感じられるアンティークな雰囲気。時寓の扉を開けた瞬間、レトロな雰囲気に包まれます。こちらは台湾に昔からある老房子(古い建物)をリノベーションして造られた空間です。
「燕、茸、參」の文字の入ったものは漢方薬の棚で、ココに置かれているとさらに趣がありますよね。こちらの看板商品牛肉麺にはおばあちゃんから受け継いだ漢方がたっぷりと使われているから、漢方薬の棚にしているそうですよ。
照明や机、椅子は、オーナーが雰囲気のあるものをこだわって集めました。
中には、現在50代の大家さんが小さい頃に使っていた食卓もあります。ピクルスが並ぶのは本棚で、日本統治時代のもの。壁には日本の蚤の市などで探してきたといういろいろな形の時計と麺などを掬う際に使う湯切りがコーディネートされて、アートのようになっています。
時にはJAZZ BANDを迎えてのライブやライチ酒作り、聞き酒などのイベントも催されています。(イベントの予定はFacebookで告知)
実は左下の時計のみ正確な時間で動いています
テーブルに着くとお水を出してくれますが、瓶はウィスキーなどの洋酒のもの、コップはオーナーのお婆さんの時代のもの。その時代、日本に企業の名前が入ったタオルがあるのと同じように企業が自社のコップを作って取引先に配っていたのだそう。
お婆さんはそれをずっと取っておいて孫が今それを受け継ぎ、自身の店でお客さんに振る舞う道具のひとつとして使用しています。時代を越えた物語がありますね!
トイレの窓にはさりげない表示
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電気スイッチもレトロでお洒落!
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台湾式家庭料理の数々
台北での生活は中南部に比べストレスを強く感じるので、ここに来たら外のストレスのかかる喧騒を忘れてゆっくりと食事を楽しんでもらいたいというのがオーナーの願いです。50年ほど前は健康で安全な食べ物が溢れていたけれど、最近はそうでもないので、昔のような料理を提供していきたいとの思いで食事メニューを作っています。
そしてオーダーした各料理の価格の10元分は助けが必要な人たちにお店から寄付しています。素敵空間でおいしいものを食べて、誰かの助けになれるなんていいシステムですよね。
*時寓滷味拼盤 (時寓煮物盛り合わせ ) 280元
全体的にコクのある深い味わいの滷味。煮卵も十分に味がよく染み込んでいます。台湾のクラフトビールもたくさん揃えてありますので、ついつい飲みすぎちゃいそうです!
* 手工花枝丸 (手作りイカボール) 200元嘉義産のイカを使用。ホクホクの状態で食べたいのがこちらのイカボール。中身がギュっと詰まっていて、塩胡椒がほどよくかかって美味しい〜。揚げ物ですがまろやかなお味です。
* 炒青菜 (野菜炒め) 150元季節の青菜の炒め物、今回は小松菜でした。滷味と合わせて食べてもとてもバランスがとれていい感じです。
オーナー夫婦がホームパーティを開いた時などに振舞った時に、大好評だった牛肉麺。地元台湾人のお墨付きの味ですよ~♪
* 香麻牛肉麵 (ピリ辛香味牛肉麺) 250元日本人にも大人気のピリ辛牛肉麺。辛いものが得意な方は是非食べてみてください!舌が痺れるような刺激的な辛さですが、辛いだけではなくしっかり味わいのあるスープと麺。
*來金清燉牛肉麵 (来金あっさり牛肉麺) 220元オーナーのお母さんのレシピを受け継いで命名された、牛肉麺です。あっさり麺と翻訳されていますが、牛肉の脂分も感じられて食べ応えバツグン!
スープには、枸杞・紅棗・麥門冬など10種以上の漢方が使用されていて、やさしい甘みも感じられます。牛肉はお箸ですっと切れるほどの柔らかさでビックリ!
思い出深いアンティーク時計
西荻窪 TAKIGUTI NOBUO / CHIE夫妻から贈られたもの
店内の壁にあるたくさんの掛け時計。その中でひとつだけ離れて別で飾られていることが気になったナビ。聞いてみると、その時計には日本と台湾を結ぶ物語がありました。
それはオーナーがアンティーク時計を探しに東京に行った時のこと。蚤の市でいろいろ見たものの、最後のひとつだけ納得のいくものが見つからず、帰国の時間が迫る中で西荻窪にあるアンティークのお店に向かいました。ただ、具体的にどのお店との情報を持ち合わせておらず、探せなかったら諦めようと考えていたのですが、遠くの方に光が見え、引き寄せられるようにそのお店へ。扉を開けて入ってみると、西洋のものばかりの商品の中、ふと目に止まったのが唯一その店にあった日本のアンティーク時計でした!
話はこれだけでは終わりません。購入しようとお店の人にいくらなのかたずねると、オーナーが台湾人だと分かるや否や、「日本の震災の時は本当にありがとうございました!」と感謝され、そして、「掛け時計をプレゼントします」と言われたそうです。
申し訳なく思ったオーナー。「支払いはさせてください!」と何度も言ったそうですが、アンティークのお店の店主は黙々と時計を整理し始め、それが完了すると一輪の花と共に時計を差し出してくれたそうです。とても感動して言葉にならなかったと、この時計にまつわる物語を語ってくれました。聞いていたナビも思わず涙が出そうになりました。そんな温かい思い出のある時計がひとつだけ別で飾られているのです。
時寓=時間を忘れて食事をする。という意味が込められた店名。その意味にとても合う素敵なレストランでした!
以上、台北ナビでした。