扉を開けたら、そこはもう台湾! 地元常連客に熱烈に愛される台湾料理屋さんを発見
こんにちは、台北ナビです。
日本で「台湾料理」という名前に惹かれて入ってみたら、普通の中華料理屋さんでガッカリ……なんて経験をしたことのある方も多いのでは?
そんな人はぜひ、この「阿Q麺館」に行ってみましょう。
台湾の小吃店からワープしてきたみたいなママさんが、台湾仕込みのご自慢の料理を披露してくれます。
実家の小吃店で幼い頃からお手伝い
台湾本店はこんなお店です!
実はこの阿Q麺館、台北に本店があるんです。
ママさんのご両親が1977年に中山区の合江街に小吃店を創業。ママさんは7歳の頃からそのお店を手伝っていたんだそう。
「屋台の英才教育よ」と笑うママさん。
聞けばおじいちゃんも料理人で、親戚も台北のいろいろな場所でお店をやっているそう。料理人一族なんですね。
そのママさんがなぜ日本でお店を始めたかといえば、それは台北で知り合って結婚した相手が日本人だったから。
ご主人と一緒に来日し、10年以上、専業主婦として子育てに専念していましたが、3年前に「専業主婦はつまらない!」と一念発起。自宅の近所であるここ、東砂にお店を出したんです。
店内に足を踏み入れると、パッと目に飛び込んでくるのは鮮やかな客家花柄の暖簾と提灯。
台湾の旗やポスター、写真やメニューが所狭しと貼られていて、テレビからは賑やかな中国語のニュースが流れてきます。
この雰囲気、なんだかすごく台湾っぽい!!
ママさん曰く「お店の中のもの、ぜ~んぶ台湾にしたいの! 私、台湾大好きだから」
取材中も本当に楽しそうに、ときに恥ずかしそうに、いろいろな話を聞かせてくれるママさん。そして、次々とご自慢の料理を出してくれるんです。
そういうところがまた、台湾の小吃店のおかみさんっぽくて、こっちも楽しくなってきちゃいます。
台湾のニュース番組。早口でまくし立てるような中国語が現地っぽい!
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気さくでにこやかなママさんが、厨房でせっせと料理を作ってくれます
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ちなみに、店名の「阿Q」というのはお父さんの愛称(日本語で言えば「Qちゃん」って感じ?)からきているんだそう。気負わないネーミングも台湾らしくていいですよね。
それでは早速、懐かしの台湾の味をいただいてみましょう。
◆阿Q牛肉麺(880円)
人気メニューの一つが、お肉たっぷりの牛肉麺。台湾本場と同じように、ゴロッと大きな塊肉がいくつも入っているんです。これで880円という安さも驚き!
ピリ辛の紅燒スープがちぢれ麺に絡んで、旨みをたっぷり楽しめます。この麺も、ママさんが「こういう麺を」と指定して日本で作ってもらった特注品。
「麺は日本のものがおいしいからね」というママさんこだわりの逸品です。
◆排骨飯(880円)
衣がカリカリの台湾風とんかつがドーンとのった排骨飯も人気の一品。台湾の塩コショウ味が、軟らかい肉の旨みをぐっと引き立てます。
ご飯には魯肉もかかっているので、2つの味が楽しめるのもお得!
ビールのお供にはサクサクの炸排骨(1000円)もオススメですよ。
ボリュームたっぷりの排骨飯
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外はカリッ、中はジューシーで軟らかい!
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◆台南担仔麺(780円)
あっさりとしたスープに、もやしとにらがたっぷり入った台南名物の担仔麺。醤油味のそぼろ肉がいいアクセントになっていて、こってり味の牛肉麺とはまた違ったおいしさを堪能できます。
◆大腸麺線(1000円)
数人でシェアできる宴会メニューの一品。素麺のような細くて軟らかい麺を、レンゲでツルンといただくのが台湾流。
カツオ風味の出汁がやさしい味わいで、日本人の舌によく合います。ホルモン(大腸)の臭みもなく、シメの一品としてもオススメです。
◆魯肉飯(380円)
台湾の代表的な小吃。
醤油で煮込んだそぼろ肉をご飯にかけたシンプルな一品ですが、だからこそお店によって味もさまざまだったりして、奥深いんですよね。
ここの魯肉飯は、ママさんがお父さんから引き継いだ昔ながらの作り方をしているそうで、豚の脂身がいい感じにご飯となじんで、あっという間に完食しちゃいます。
◆ちまき(380円/テイクアウト用500円)
ママさんが一つひとつ手作りしているちまきは、モチモチご飯の中に豚の角煮、干しシイタケ、干しエビなどの具が詰まっていて、食べごたえ十分。
台湾では端午節にちまきを作る家も多いのですが、そういう「家庭の味」が楽しめる一品です。
◆バーワン(肉圓 680円)
片栗粉とさつまいも粉でできた半透明の皮で肉餡を包んだ台湾小吃。観光地の屋台などでよく見かけますよね。「千と千尋の神隠し」で、千尋のお父さんが食べていたものがこれに似ている! ということで有名になりました。
ナビが台湾で食べたものは中の餡がひき肉でしたが、こちらのバーワンは肉やシイタケがゴロゴロ入っていて、すごくおいしい! 外側の皮もモチモチっとした食感で、ちょっと甘めの醤油ダレとの相性も抜群。台湾で食べたものよりおいしいかも……と思ってしまったナビでした。
◆牛肉湯餃子(380円)
阿Q麺館の水餃子は、なんと牛肉麺のスープに入っているんです。水餃子と牛肉湯、2つのおいしさを一度に味わえるなんてお得!
この牛肉湯餃子と魯肉飯や汁なし担々麺を組み合わせたランチセットもオススメです。
◆一品料理いろいろ(各380円)魯肉飯、牛肉湯餃子、ちまき以外にも、小籠包、棒餃子、蔥油餅、菜脯蛋、タラ魚肉団子スープなどの小皿料理が、どれも380円でいただけます。
メニューに並ぶ台湾小吃の数々を見ていると、全部食べたくなっちゃう!
お酒一杯と一品料理2つを選べる
「ちょい飲みセット」(1180円)、お酒一杯と一品料理一つ、さらに麺類も選べる
「お疲れさまセット」(1380円)なんていうのもあるので、数人であれこれ頼んでシェアするのも楽しいですよ。
◆鹹蜆仔(大皿1000円/小皿500円)
蜆を醤油に漬け込んだ、台湾でもおなじみの一品。唐辛子やニンニクの辛みが程よく効いていて、ツルンとした食感がクセになりそうなおいしさです。身のしっかりした大きな蜆は台湾から仕入れたものだそう。
ビールのお供に人気のメニューですが、お土産にいただいたので、家でご飯と一緒に食べてみたら、これがまた相性抜群! 白飯がどんどん進んじゃう、新たな発見でした。
◆酸辣黄瓜(380円)
台湾風のきゅうりの漬物。さわやかな味わいが特徴の、定番小皿料理です。
◆豆花(380円)
豆乳を固めた豆花に茹でピーナッツとシロップをかけた、台湾の代表的なデザート。優しい甘さがクセになります。
他にも愛玉、タピオカミルクティー、冬瓜仙草などの台湾デザートが、どれも380円!
テイクアウトもできるので、ナビは家族へのお土産に重宝しています。
熱烈な常連さんがお店を宣伝!
阿Q麺館LOVE!のSさん
ふと見ると、お店の壁に「台湾阿Q麺館」というロゴの入ったサイクリングウェアが飾ってあります。聞いてみると、サイクリングが趣味の常連さんがご自分でオーダーメイドしたもので、なんとこれを着て大会に出たりして、お店の宣伝をしてくれているんだそう。
しかも、取材時にたまたま、その常連・Sさんがお店に!
お話を伺ってみると、仕事で何度も行くうちに、台湾好きになったんだそう。
「近所に住んでるんで、たまたま近くを通りがかったときに、『台湾』って提灯が目についたんです。で、入ってみたら、『あ、ホントに台湾だ!』って感じで。料理もおいしいし、しょっちゅう来てますよ」
「おいしい台湾料理をたくさんの人に食べてほしい!」と話すママさん。
このママさんの笑顔を慕って、たくさんの常連さんが集まってくるんですね
他にも、壁に貼られたポスターの絵や、台湾の料理を解説したかわいいイラストを描いてくれたのも、常連のお客さんなんだそう。
「お客さんがね、いっぱい宣伝してくれるのよ」とうれしそうに話すママさん。そういうママさんの明るい人柄に、ますます人が集まってくるんでしょうね。ナビもすっかりファンになっちゃいました!
このイラストもお客さん作。お店のポスターとしても使っているんだそう
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観葉植物かと思ったら、なんと台湾バジル! これもお客さんからのプレゼントだそうです
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以上、台北ナビでした。