やっと出会えた!今まで食べた滷味の中で断トツのおいしさ♪建物も歴史があります
こんにちは、台北ナビです。
今回は台湾全土にファンがいる「丐幫滷味」の旗艦店にお邪魔しました。台鉄「彰化」駅から徒歩5分とアクセスも良好。
「丐幫滷味」のおいしさの秘密と旗艦店ならではのメニュー、そして建物の歴史について、王能宏董事長(会長)にインタビューしてきました!
嬉しい誤算
元々は町のドリンクスタンドとして始まったこちら。ドリンクのお供には「滷味」だよね!ということで、滷味の販売も始めました。そして、この「滷味」が評判になり、滷味だけのお店を開いてみると、ドリンク屋さんの売り上げをはるかに越えてしまったそうです。
ドリンク店は早々とやめ、滷味屋さんとして今では30年の歴史を持つようにまでなりました。今ではセントラルキッチンを構え、毎日朝早くから滷味を作り、調理後すぐに各店舗に届けられるそうです。
日本に持って帰りたいくらいのおいしさ
ファミリーパック
おひとり様用セットもありました~♪
みんながおいしい!と口をそろえる滷味。その秘密とは何なのでしょうか?
多くのお店では高圧蒸気の力を使い煮込むことで、調理時間を短くしているそうで、香りやうまみが十分染みこまないのだとか。しかし、こちらは伝統的な作り方を守り続けており、香りもよく、味が染み込み、弾力性も抜群!
使用する醤油は、科学原料を使って作られた醤油の6倍もの値段がするという「純醸醤油」。これで煮込むことで、天然酵素から生み出される独特の香りが漂うそうです。煮込み汁には14種類の天然漢方も入っていて、健康にも良いといわれているのだとか。こちらの煮込み汁は20数年もの間、継ぎ足して使われており、味に深みが増しています。しかも毎年きちんと検査も受け、安全であることも証明されているから、安心ですね。
滷味の人気商品「豆干」。遺伝子組み換えされていない大豆から作られているものだけを厳選!2時間ほど煮込み、味をしみこませます
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もうどれを食べてもうまい!
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みんなすごい勢いで食べ始めましたよ~!それくらいおいしい!!
とにかく食べて味を確かめてみて!という言葉を聞き、一口!「う、うまい…!!」ちょっと漢方っぽい味もするのですが、クセもなく食べやすい。止まらぬうまさというのはこういうことをいうのだと、無言で次々と口に運んでしまいました。ファミリーパックの大きさでもひとりで食べつくしてしまいたい…それくらいのお味でしたよ。
正直ナビは滷味ってそんなに好きではなかったんです。なのに、こちらの滷味は素材そのもののおいしさを残しつつ、煮込み汁の深い味わいも感じられて、しかも弾力性があるんです。いやぁ、御見それしました!これからは好きなものの欄に滷味と書きたいくらいこちらの滷味に惚れこみました。
ビニールできちんとパックされているので、保存期間も長いのですね!
一切防腐剤を使用していないのですが、冷蔵2週間、冷凍3ヶ月持ちます。
でも、やはりおいしさを重視するなら少しでも早く食べてくださいね。風味はどんどん失われていってしまいます。
左側がお店です
1926年(大正4年)に建てられたこちら。会長の曽祖父が土地を購入し、祖父が建物を建てたそうです。その後1926年(大正15年に)道拡張に伴い、建物の前部分を取り壊し、バロック式建築に改築したそうで、建物の真ん中や奥は100年以上の歴史があり、前部分でも90年以上の歴史があります。
建物に使われている建材はすべて福建省から船で運ばれたといいます。運ぶ際、海水につけていたこともあり、防腐作用も出たそうです。水につけることで虫害、菌害、乾燥防止などに役立っていたのですね。そのおかげで今でも建てた頃のままの様子を留めることができているのだとか。
また、釘を使わず建てられており、しなやかで柔らかい構造「柔構造」だったおかげで、921大地震の時も何ともなかったそうです。
1階奥は落ち着いていますよね!
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天井も当時のまま!
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2階奥側では記念写真を撮りたくなるくらい雰囲気があります
では2階へ移動してみましょう。
2階奥側でジャンプしてみると…揺れる~~!!この揺れはきちんと計算されたもの。こういった柔らかな動きにより地震の揺れから家を守っているのだそう。
また、前部分は会議室や展示会のスペースとして開放しています。こちらは中正路で初めての2階建ての建築だったそうで、今は看板があって見えづらいですが、当時は中正路を端から端まで見渡せたといいます。何でも1959年にここ一帯で水害が発生した際、百人以上もの方がこのうちの2階に避難したこともあったそうですよ。
1階は木材の壁
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2階は竹で編んだ壁に石灰を塗りつけているそう
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今は展覧会などで使用されています
美しい中庭
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この階段も90年以上前に作られました!
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会長のお母様は台湾に嫁いだ日本人だった!
お母様の写真も飾っています
会長のお父様は彰化を代表するお金持ち。日本へも度々訪れていたのですが、自分と同じ紡績業のお嬢様と結婚しました。つまり、会長のお母様は日本人なのだとか。お母様が台湾に来た時は家が裕福だったそうですが、会長が6歳の頃、お父様が病気にかかったことで生活は一変します。お父様の細々としたお世話はもちろん、副業もしながら家計を助けていたといいます。会長が11歳の時にお父様が亡くなり、親戚からは日本へ帰った方がいいんじゃないか?とも言われましたが、「台湾へ嫁いで来たからには、5人の子どもは台湾で育て上げる。」とどんなに苦しくても頑張ることを宣言したそうです。
会長たちが小さい時にはたくさん苦労したそうですが、今は5兄弟それぞれ成功されています。この姿をお母様に見せたかったそうですが、もうお母様はいなくてちょっと残念だと悲しそうに語る会長の姿に、ナビもウルっとなりました。
そんな苦労をしながらも育ててくれたお母様はよくラーメンやどんぶり飯を作ってくれ、しかもとってもおいしくて忘れられない味だったんだとか。10年前、会長の奥様がお袋の味を再現したい!と、会長の記憶の中にある味に近づけていきレシピを完成し、「五井拉麵」をオープンしました。お母様への恩を忘れない!そういう思いが込められているそうです。
たくましく台湾で生きた日本人女性の息子さんが開いたお店だと思うと、何だか勝手に思い入れが強くなってしまうナビ。お母様はここで暮らしていたそうなので、その様子も想像しながら食べるのもいいかなと思います。
この枝豆、味がよ~く染みこんでいました
「丐幫滷味」は「王長發餐飲集團」のブランドのひとつ。そのほかに先ほど述べた「五井拉麵」のほかに、お鍋屋さんの「契雙舞鍋」「鍋兩好」、そしてフライドチキン屋の「摩登雞」も経営されています。
こちらでは、滷味だけでなく、各お店で培った経験を活かし、どんぶりものや麺類、揚げ物がいただけ、そしてドリンクスタンドから始まったこともあり、ドリンクも充実しています。もちろん、先ほど紹介した滷味パックを購入してここで食べることも可能ですよ~。
※セットメニューには3種の小菜とスープがついてきます。また、50元で好きなドリンクをつけることができます。
溫刀家5a滷味飯 単品120元 セット170元こちらの看板商品である滷味がご飯の上にのっているどんぶり。豆干、豚のハツ、ミミガー、うずらたまごという人気の滷味が選ばれていて、その横に滷味によくついてくるザーサイまで添えられていてニクイなと思いました。その上に半熟たまごが乗っけられ、特製タレと一緒に黄身も混ぜていただくと幸せ~♪ココに来たら滷味を食べないと帰れない!という方にピッタリです。