日本式建築を改築したコスパ最高のベジタリアンビュッフェ!
こんにちは、台北ナビです。
高鉄「雲林」駅が開通し、アクセスしやすくなった虎尾。製糖の町として栄え、現在は台湾における布袋劇の故郷とも言われていますが、実は日本統治時代の建物が大切に残されています。
本日はそんな虎尾にある1軒のベジタリアンビュッフェのお店をご紹介したいと思います。
虎尾一大きな日本統治時代の建物
「虎尾生機廚房」は高鉄「雲林」駅から車で15~20分ほどで到着し、近くには以前の虎尾駅があります。正直、日本統治時代の民家をリノベしただけなのかなと思っていましたが、お店に到着してその大きさにビックリ!
天井は見渡す限りのひのき
こちらの建物は1916年(大正5年)に建てられ、100年の歴史があります。以前は虎尾製糖工場の病院として使用されており、台湾中部で初めて作られた診療所でした。建物は3つの部分に分けられ、真ん中の部分を「虎尾生機廚房」が政府から借りるという形で運営しています。どこからも助成金を受け取ることなく、900万元をかけて修復したといい、窓以外はそのままの様子をとどめています。100年前の建物を感じながらご飯がいただけるのは嬉しいですよね。
少し詳しく建物を見ていきますと…屋根は寄棟造と切妻造が採用され、天井は台湾ひのきを使用して作られていいます。壁は竹を編んだものに泥を塗っていったもの、木の下地にモルタルを塗ったもの、レンガの3種類が使われていたのだとか。下見板張りの外壁は雨水の浸透を防ぐという働きがあります。また、建物は通風を考慮し、高床式になっています。日本家屋でよく見られますよね。診療所として使用していたころには仕切りがあったそうですが、それを取り払った後でも強度は保たれ、1999年台湾中部で発生した「921大地震」でもびくともしなかったそうです。
では、お庭へ出てみましょう。まず目に飛び込んでくるのが池。虎尾製糖工場が当時東南アジア最大の製糖工場だった関係で、防火用水を溜めていたのだとか。そして、なんと第二次世界大戦で使われていた防空壕までありました。中に入れるのは4人までと、ちょっと小さいサイズ。その奥には100年の歴史があるというお手洗いが。何でも拡張ができなかったので、少し狭めでしかも男女共用になっています。ごめんね…と申し訳なさそうに語るオーナーがかわいらしい!
お寺の回廊のような縁側。懐かしい気分になると共に、強い日差しを遠ざけ、通風もいいんです
診療所にやぐら? いえいえ、これは通風のためのものだそう
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庭から見ると高床になっているのがよくわかります
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バランスのいい食事を心がけて欲しい!という願いから、体力の源となる「穀物」、新陳代謝を促進する「野菜」、体質を改善してくれる「海藻」、免疫を増強しがん予防も期待できる「きのこ類」、ベジタリアン料理において肉の代わりとなる「大豆製品」と幅広く使っていますが、そのほとんどが雲林産。そうすることで、運輸にかかる時間も少なくすみ、新鮮なうちに料理ができるとともにエコにもつながっているといいます。
こちらはメニューのないビュッフェ料理。というのも栄養価の高い旬の野菜を取り入れたいという思いがあるからです。とはいうものの、冬に採れるローゼルなどを使った料理もあるのですが…。これは、自分達で加工し、夏でも食べられるようにしているのだとか。これらジャムのほか、ゴマペーストなどのソースもほとんどが自家製。もちろん無添加にこだわっています。
肉大好きナビとしてはお肉がないと物足りないんじゃないか…、たんぱく質はちゃんと取れるのだろうか…という心配もありましたが、肉を食べなくても栄養をバランスよく採れる様に工夫しているそうです。実際ナビも食べてみましたが、その日の体調はよく、途中おやつがほしいなと思うこともないくらい、腹持ちも良かったのが驚きでした。
そして、こちらの特徴のひとつは彩が美しいこと。よくあるベジタリアン料理はどうしても茶色一色になることが多いのですが、ブロッコリー、香椿(チャンチン)、ゴーヤなどで「緑」、ビーツ、パプリカなどで「赤」を出すなど、見ているだけで嬉しくなるお料理が並びます。
健康に過ごしたい
どのテーブルにもある「麻仁粉」。どんなお料理にもあうそうで、自由にかけてOK!
オーナーのお母様が大きい病気になってしまった際、看護の一環として食に対する知識を学んだそうです。それを元に食事療法を行った結果、病気が改善されたのだとか。その経験からバランスよく食べることの必要性を感じ、より多くの方に広めたいと思ったことからこちらをオープンしました。
台湾では「自分にとって一番のお医者さんは自分。つまり自分の身体を一番わかっているのは自分だということ。そして最もいい診療所は自分の家の厨房。つまり自分の健康を守るのは家の厨房。」と言われるそうです。最もよい薬は日ごろから食べる健康的なお料理ということなんですね。
もちろん家でこれだけのものを作れたらいいのですが、それは難しいのが現実。栄養が偏ってしまったかな?という時にこちらで栄養を補うのも良さそうですよね。しかもなんと費用は168元(+サービス料)ポッキリ!あぁ、台北にもあれば毎週でも通っちゃうのに…。
オーガニック商品も幅広く取り揃えています
お店入って右側はレストラン、左側はショップになっています。ショップにはオーガニック商品が、国内外の商品問わず、ずらりと並べられているのですが、その中からナビは「紅藜(赤キヌア)」に注目してみました。日本でもスーパーフードとして人気のあるキヌア。実は台湾でも栽培されていて、市場にも出回るようになってきました。新たなおみやげになるか?とナビは期待しています。
何も買う予定がなくても、ぶらりと見るのも楽しいスペースです。どんなオーガニック商品があるのかな?と眺めてみてくださいね。
オーガニックにこだわったドライフルーツはお土産にも良さそう
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醤油や苦茶油などの調味料も
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キヌア製品がいっぱい!
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ナビはこれを購入してみました~
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レストランのお隣は以前、図書館として利用されていました。現在はスープ屋さんとして使われています。毎日数種類のスープが用意されており、これにサラダやご飯orパンなどをつけてセットにするもできるそうで、軽く何か食べたい時にいいですね。実はこちらのお店はオーナーの娘さんが開いています。この日はお休みだったので、お料理などは見られませんでしたが、中を見せていただきました。
虎尾生機廚房よりも若々しいデザインが特徴的な店内。席数も多く、ゆったりとしています。そして、トイレのタイルはそのままだそうですよ。外にあるので、下駄に履き替えて行くというユニークなシステムをとっています。こちらを訪れた際には是非見てみてくださいね。
また、店内のいたるところで犬がモチーフの雑貨が見られますが、これは店長が犬を大好きだからなんだとか。当日も飼い犬を連れてきてくれましたよ~。元々は捨て犬だったそうですが、引き取ったのだとか。里親探しにも熱心で、それに関する資料も張り出されていました。
トイレへはこちらで下駄にお履き替えください
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縁側にも席があります
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