黒にんにく×黒豆しょうゆがうまさの決め手!台湾人の大好きな滷味と牛肉麺を老街でいただきましょう♪
こんにちは、台北ナビです。
今日は雲林に来ています。雲林といえば高鉄の駅が開通し、交通が便利になったことで、観光客も増えてきています。そんな雲林で人気の西螺延平老街に、滷味や牛肉麺を食べられるお店があるよ!と聞きつけ、行ってきました♪
もしかしたら知らぬ間に食べたことがあるかも……
これ、ぜ~んぶ冷凍食品!加熱するだけで本格的なお料理がいただけます
「螺情懷舊冰釀滷味」は漢典食品有限公司という会社の1ブランドです。漢典食品有限公司は地元雲林の食材にこだわり、数々のレトルト・冷蔵食品を製造販売しています。なんと…有名ホテルにもおろしているそうで、もしかしたらこちらのお料理を食べたことがあるかもしれませんよ~。
2010年に立ち上げられた「螺情懷舊冰釀滷味」は西螺延平老街に旗艦店を開きました。それだけではなく、花博や南投寶島時代村に出展、なんと香港にまで輸出しています。そして、2013年には桃園国際空港第二ターミナルの地下2階にあるフードコートにもお店を設けました。 現在、国内では雲林、台北、台中、高雄、海外では香港、マカオ、中国、イギリス、アメリカで販売されています。
セントラルキッチンに潜入!
畑の中にポツンと現れるセントラルキッチン。1800坪あまりの広さを誇り、ここで商品が作られています。こちらで生産されているもののすべてがISO22000、HACCPの審査を通過。
また、多くのシェフを抱え、絶え間なく新しいメニューが増えることも魅力のひとつといわれています。特に牛肉麺の大会で毎年のように賞を受賞しており、味には定評があります。
オーナーが滷味にかける思い
鍾紀銘さんの自伝絵本もあります!このストーリーが描かれています
オーナーである鍾紀銘さんのお母さんは昼、農作業をして、夜は滷味を売ってオーナー兄弟を育てたのだといいます。生活は裕福とはいえないものの、家族で力を合わせて生きてきたそうです。そんな鍾さんが成長後、結婚して、夫婦で小さな塾を開いたことで生活が安定していきました。そんなある日、「寒くなってくると、スープで温まりたくなるけど、ひとりだと食材の準備や料理するのが難しい。」という友人の言葉を聞いて、一人用の冷凍スープを作ることができれば胃も心も温かくなる!と一念発起し、冷凍食品を作りはじめました。料理の基礎を学び、少しずつお店を大きくしていった鍾さん。そして、母が作ってくれていた滷味を多くの方に知ってもらいたい!と母の指導のもと、故郷である雲林の名産、黒醤油、黒にんにく、ハッピーピッグ(音楽などを聴いて育った豚)も使用し、冷凍滷味を完成させたのです。
その後も順調に商売を広げていった鍾さんですが、「故郷のために力になりたい」と西螺延平老街の建物を借り、「螺情懷舊冰釀滷味 旗艦店」をオープンしました。
雲林を代表する老街「西螺延平老街」でもひときわ目立つ建物!
鵝卵石と呼ばれる小さな石で作られた壁
「螺情懷舊冰釀滷味 旗艦店」の建物は「三進三崁」といわれる伝統的な建物で、当時では珍しく3階建て3棟でした。昔は建物向かって左の塔に時計台があったことから「鐘樓(時計台)」と呼ばれていたそうです。現在は3棟のうち、真ん中部分を「螺情懷舊冰釀滷味 旗艦店」として利用しています。では建物をじっくり見てみましょう!
その当時めずらしかったという時計台
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ふくろうを模っていました~!
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お店に入ったところは「一進」と呼ばれ、80年以上の歴史があります。元々、魚乾物を販売していた帝さん家族が使っていました。
この「一進」は売店となっていて、滷味や牛肉麺などのレトルト商品を販売していています。台湾の方々は老街めぐりの後に、こちらでおみやげを購入し帰っていくのだとか。残念ながら日本へは持ち帰れません。
一進にはずら~と冷凍食品が並んでいます
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その中でもサツマイモケーキは人気!これは日本へ持って帰れますよ~
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「一進」から中へ入っていくと「天井」と呼ばれる中庭のような場所が出てきます。ここは建物の中で一番貴重な場所。というのも、300年以上の歴史がある西螺延平老街で、はじめて作られた道だったというのです。以前はこんなにも狭く小さい道だったんですねぇ。
と、ここで面白い話を教えてもらいました。以前ここには「三不見(三つの見えないもの)」があったそうです。ひとつ目は、空。昔はここに多くのお店が軒を並べ、空を見ようとしても、屋根しか見えなかったそうです。ふたつ目は地面。以前、この近くには埠頭があったのですが、船が軽すぎて転覆してしまったそう。それを防ぐため、空の船には重しとなるように石が置かれていたのだとか。その石を使わない時には、老街の道に置かれるようになったため、元々の地面が見えなかったんだそう。3つ目は女性。男性は外で働き、女性は家の中を守るという伝統的な考え方があったからだといわれています。
もうひとつ中へ入っていくと、この建物の中で最も歴史のある「二進」にきます。ここは清の時代からあり、120年の歴史があります。以前は神様やご先祖様がまつられていたという「正廳」にあたる場所で、現在ではこちらで牛肉麺や滷味、ごはんものが食べられるイートインスペースになっています。
ここには2つの門(龍門、虎門)があるのですが、虎門にオーナーの名前の一文字があったため、縁を感じてこの建物を借りることを決意したそうですよ!
鍾紀銘さんの紀の文字発見!
「三進」には日本統治時代に建てられたと言われており、ここもイートインスペースとして使われています。こちらの透明な屋根の部分から後ろの建物も見えます。よ~く見ると「KEIYUURIUSHIYAUKOU」と書かれています。これはローマ字読みで「慶裕隆商行」の意味なんだとか。今のローマ字読みとは少し違うのも趣深いですよね。
ちょこんと乗っている2匹の獅子がキュート♪この2匹に見守られている感じも鍾さんがここを借りる決め手のひとつになったそうです
なんと、この1つの建物で3つの時代に活躍した建物が見られるのです!まるでタイムトンネルみたいですね。
では、実食!
今回は特別に工場にて、様々なお料理をいただきました。
というものの、レンジや大同電鍋があれば加熱できるものばかり!これらが日本で食べられたらどれだけ嬉しいだろう…と思わずにはいられないお料理の数々をご紹介していきます。お店で食べられる滷味や牛肉麺のほか、人気の冷凍食品も食べてみました!