薬屋さんの息子プロデュース!身体の中からきれいになれる漢方茶芸館
こんにちは、最近風邪をひいてしまった台北ナビです。
風邪をひいたり、病気になってしまった時に、日本人にとって頼るのはやっぱり西洋医の方ですよね。「漢方」と聞くと、なんとなくゆっくり作用して、身体にもよさそう…なイメージがあるものの、どうやって始めたらいいのかわからない。興味があるけど漢方医に行くのはちょっと勇気がいる…。今日はそんな漢方デビューを待ち望むあなたにふさわしいお店をご紹介します。ここなら自分の気になる症状に合ったお茶を、おいしくいただくことができますよ!特に女性におすすめの体の中からきれいになれる茶芸館です。
迷わずにたどり着く方法
お店のあるエリアは、伝統市場やお寺が近くにあり古い古民家が立ち並ぶエリア。
住所の「裕民街」は小さい路地に分かれているので、住所通りに行くと迷いがちです。わかりやすい行き方は、大通りの忠義路三段から行く方法です。忠義路三段51号を見つけ、その脇道にはいれば絵が描かれた緑の壁が見えます。そこが「手艸」です。
2015年オープンと、まだまだ新しいお店。でも建物はなかなかの古民家です。間口が広く、奥行きのせまい長四角のお店は、もともとは雑貨店だったそう。まん中を仕切っていた壁を取り壊し、キッチンをとりつけ、床を貼り…古民家のリノベーションはすべてオーナーさんたちにより、3か月の時間をかけ行われたそうです。ナビがお邪魔した時も、お店の片隅で修理道具を見つけました。自分たちの手で作り上げられた店内には、古民家のレトロな感じと手作りの温かい雰囲気が調和しています。
店名「手艸」の「手」は手作りの手。そして「草」の旧書体であるかわいい文字「艸」は、お店のメニューにふんだんに使われているハーブに由来するんだそうです。そういえば、店先にもたくさんの植木が並んでいました。
実家が漢方医のオーナーさん
Hugoさん(右)と大裘米さん(左)
オーナーのHugoさんのご実家は、漢方薬と西洋薬を取り扱うお店で子供のころから漢方には慣れ親しんでいたのだとか。台湾ではあちらこちらで「中醫」という漢方医の看板をよく見かけますし、家庭でも身近に漢方の料理が食べられています。
ところが最近、若者世代の間では徐々に漢方離れが進んでいるそうです。そこでもっとたくさんの人に漢方を身近に取り入れてほしい…とオープンしたのが「手艸」です。
Hugoさんの作品
実はナビ、来た時から緑の壁に書かれた絵も気になっていましたが、店内の写真やメニューに書かれたかわいい絵もずっと気になっていたんです!早速聞いてみると、カウンター席近くに掛けられたセピアの写真はHugoさんの作品で、お店のあちこちに書かれた絵はHugoさんの彼女、大裘米さんの作品によるものでした!!
子供のころから絵が好きで、学校で腕を磨いたという大裘米さん。小さな黒板を取り出すと、チョークですらすらと絵を描き始めました!出来がった作品は、外の植木の所へ。あっという間の事でナビはビックリ!「手」をモチーフにしたオリジナルキャラクターも、大裘米さん作ですよ。
良薬は口に甘し!?気になる症状から選ぶお茶
手艸の漢方茶は、6種類の効能に分けられます。
・声(好聲音)
・活力(好元氣)
・美容(好美顔)
・代謝(幫代謝)
・不眠(夜未眠)
・リラックス(好紓壓)
それぞれの効能ごとに2~4種類の漢方茶があり、更に詳しく症状や使われる漢方薬の名前がメニューに記載されています。
もちろん全て薬剤師監修のもと、作られたお茶で化学添加物もなし。無漂白で農薬検査にもクリアした安心の漢方薬を使用しています。手艸の漢方茶には、砂糖が使われていません。甜草の自然な甘さで飲みやすく調節されています。「良薬は口に苦し」というイメージがありますが、「調合の仕方や作り方によって飲みやすく作ることができる」とHugoさん。夏にはアイスの漢方茶も登場しますよ!
川貝好漢果/160元、テイクアウト80元、ホットのみ声(好聲音)の中のこのお茶がおすすめとのことでした。
なになに、長時間声帯を使う人や、気管がガラガラする時に効果があるようです。最近風邪をひいたし、しゃべってばっかりなので、ちょうどよさそうです!
スプーンにのっているのが「川貝」という漢方。一見、無味無臭の粉ですが、比較的高価な漢方なんだとか。お茶請け付きでゆっくり楽しめそうです。
手艸薑奶(ジンジャーミルクティー)/ホット120元、アイス130元漢方茶にお茶やミルクをブレンドしたものもあります。こちらはジンジャーティーの黒糖&ミルクをブレンド。
農家から直接仕入れるというこだわりのショウガがプチプチと浮かんでいます。黒糖とミルクが入っているので、ショウガ特有の辛味はなく、とても飲みやすく体の芯から温まりました。
飲み物だけでなく、食べ物でも養生!
桂圓堅果(龍眼とナッツのパン)/90元
龍眼の他に、カシューナッツやクルミ、カボチャの種、ゴマ、ホールウィート(全粒粉)など、体にいい物がたくさん入ったパン。パンは台中に住む大裘米さんのお母さん直伝なんだそう。いろなナッツとナッツオイルで作られた手作りの堅果醤(ナッツのジャム)が添えられています。ドレッシングにもなるジャムのお味は、ちょっとしょっぱいような奥行きある味で、癖になりますよ。
紹牌尋香蛋(漢方の煮たまご)/1個20元台南の伝統菓子、椪餅の中にたまごを入れた「椪烘蛋」やサラダなど、たまごを使ったサイドメニューもできました。
手艸オリジナルの煮たまごは、独自にブレンドした漢方で15時間もぐつぐつ煮込まれています。コンビニで売られている茶葉蛋とはひと味違って、中まで漢方がしっかりしみ込んでいました。
蔓越苺洛神水果餅(クランベリーハイビスカスフルーツ餅)/50元甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がり、お茶請けにぴったりな水果餅。
見た目はペッタンコですが食べてみると食べ応え十分です。こちらは大裘米さんの同級生がお店を切り盛りする伝統菓子のお店「王西勢食品行」のお菓子です。台南の永康區にお店がありますが、林百貨でも購入することができますよ。
こんなことも楽しめる手艸
秋分や冬至など、1年を24の季節の節目に分けた「二十四節気」。それぞれの節気には、Hugoさん特製の養生ご飯を振舞うイベント「手艸食堂」が開かれます。
ご飯、スープ、おかず…どれも栄養たっぷりでヘルシーなものばかり。お茶碗やお箸を持参して、物々交換の物を持参すれば参加できるという、ちょっと変わったシステム。ナビは、通ってしまいそうです…。
その他にも、お店では子供の絵本読み聞かせクラスなど、講師を招いたイベントなども、定期的に行っているそうです。ちょっとした雑貨販売コーナーや、オリジナルティーバッグの販売コーナーもあり、お茶を楽しむ以外にも、いろいろ楽しみか方がありそうな「手艸」。
今後は、日本語のメニューも作成予定で、ますますお世話になりそうな予感がいっぱいです。
以上、台北ナビ(岩田優子)でした。