元台南市長官邸がフレンチレストランに大変身!パイナップルケーキやパンも絶品♪
こんにちは、台北ナビです。高雄で有名なベーカリー併設のレストラン「帕莎蒂娜(パサデナ)」が満を持して台南市でもお店をオープンしました。オーナーの許正吉氏は故郷である台南にお店を持てたことがとても嬉しいんだそうです。
食べて、見て、買って楽しめる台南のニュースポット!余すところなくご紹介します。
アメリカの地名が名前のフレンチレストラン
許正吉オーナー
許氏は裸一貫から、プラスチック射出成形でパソコンカバーなどを製造する会社「湧力實業」を立ち上げました。その後、日本へ行ったことがきっかけで、カフェをオープンしようと計画していたところ、美食好きの奥様やお子様に影響を受け、雰囲気にもお料理もこだわるフレンチレストランをオープンすることになりました。
レストランの名前を決める際、お子様が留学先として訪れていたロサンゼルス北部の町の隣町「パサデナ」の独特の雰囲気が頭をよぎったといいます。芸術と教育に力をいれる美しい高級住宅街であるパサデナは、毎年お正月に行われるローズパレードで全米に知られているそうですよ。この素晴らしい雰囲気はまさしくお店が求めているもの。また、パサデナはインディアン語で「谷間の王冠」という意味を持つことから、レストラン「パサデナ」も訪れてくださったすべての方の王冠になれるように努力を惜しまないという気持ちも込められています。
台南市長官邸は、台南市民にとって台湾首府官邸の地位と同じくらい崇高な場所だといわれています。ここは日本統治時代、台南市尹官邸(市長に相当します)としても使用されていて、日本にゆかりがあり、約80年の歴史があります。
洋風の建物は、1974年、当時の台南市長が建てたもの。その頃からこんなにもおしゃれなたたずまいをしていたなんてビックリです。その後、台南市長がここに住まなくなり、荒れ果てていたところ、2014年台南政府による公開入札により、パサデナがここを使用する権利を得て今に至ります。館内は大胆にリノベを施しましたが、お庭には日本統治時代からここで根を張る4本の樹があり、この敷地の歴史を見つめ続けてきました。
樹齢110年の玉蘭花ということは日本統治時代からあるのですねっ!
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樹齢60年の羅漢松(イヌマキ)。台湾では高価な樹だそうです
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樹齢110年の茄苳樹(アカギ)です。台湾ではこの葉を料理に使用し、鶏肉と一緒に煮込むとおいしいそうですよ!
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樹齢70年の苦練
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これらの4本の樹はすべて台南市から指定を受けている貴重なものです |
呉寶春の名を轟かせたあのパンに遭遇!Pケーキも美味♪
酒釀桂圓麵包 350元/1000g 175元/500g
台湾のパンと聞くと世界チャンピオンの「呉寶春」氏の名前を思い出す方も多いですが、実は呉氏が2008年、クープ・デュ・モンド・ド・ラ・ブーランジュリー(ベーカリーワールドカップ)において2位に輝いた際、働いていたのがなんとパサデナだったのです。そのため、「酒釀桂圓麵包」のレシピはここパサデナにも伝えられています。台南の東山で昔ながらの製法で燻製された「龍眼乾」を使用しているのですが、龍眼は別名桂圓といい、漢方としても親しまれていいますよ。その他くるみやワインが入っていて、東西の食材が口の中で完全なハーモニーを奏でます!
龍鳳酥 (2入)/(4入)188元/288元
王冠をイメージしてつくられたそうです
そして台湾旅行に来たら必ず買いたいパイナップルケーキ(鳳梨酥)も売られていました。パイナップルケーキは龍眼ケーキ(龍眼酥)とセットになって売られており、その名も「龍鳳酥(鳳梨酥+龍眼酥)」!パイナップルケーキと龍眼ケーキが各1つずつからセットになっていて、皮にはヤクルトが開発したガラクトオリゴ糖を練りこんでいます。胃腸の働きを助けるため便秘にも効果があるんだとか!パイナップルケーキは「2號土鳳梨」と「17號金鑽鳳梨」という酸味が強く繊維が荒いタイプのパイナップルを使用。パイナップルのフルーティーな香りがぷぅ~んと香ってきて、甘すぎない皮と絶妙なバランスが病みつきになっちゃいます。龍眼ケーキも昔ながらの製法で、1週間ほど燻製した東山産の龍眼を使用。その後小米酒に漬け込み、甘く芳醇な香りと味を閉じ込め、パインジャムや黒糖を加えたこだわりの一品。
1つ120元(写真は試食用にカットしてもらいました!)
そして、ナビ一番のオススメは「酒釀芒果」。愛文のドライマンゴーをホワイトワインに1日漬け込み、蜂蜜を加えた後、4回熟成発酵させたもの。驚いたのはマンゴーの量!こんなにマンゴーを惜しげもなく使っているパンにはあまり出会えません。くるみの食感もいいですよ♪
知酥達禮-龍鳳酥禮盒(8入) 1080元 婚約の際に結納金などを収めるために使われる「謝籃」をイメージ!パン用はプラスチック、パイナップルケーキなどを入れる時は紙のものを使用します
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酒釀桂圓【福】字版400元 昔、贈り物をする際によく見られたパッケージをイメージして作られています
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パッケージにもこだわっているので、贈り物にどうでしょう? |
セントラルキッチンで作られたお惣菜。メインシェフ自ら研究し作り上げたお料理を、セントラルキッチンで再現できるように工夫しているそうです
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これらスープの外、日替わりスープもあります!濃厚で飲み応えアリ♪
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ベーカリーで購入したものはお庭で食べるのもOK♪
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新鮮、作りたて、健康、安全がモットー! 長高雄長庚紀念醫院でもパサデナのパンが食べられます!それだけ健康で安全ということですね!
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メインであるフレンチレストランへ潜入です!1階、2階あわせて100席近くの座席がありますが、食材確保のため、予約制となっています。お料理には極力地元台南の食材を使用し、1週間に2度は市場へ行き食材を見に行くほどのこだわりぶり。四季によってメニューを変更するようにしていますが、シェフ達が節気を大切にしている関係で、2ヶ月に1度というはやいサイクルでメニューが変わります。テーブルに並ぶのは五感をフルに活用して感じてもらえるお料理ばかり。まるで台湾で最近流行の「文創」がテーブルの上で表現されているようなものなんだそうです。
メインシェフは海外で研修した本格派
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デザートは女性シェフが担当!女性らしい細やかなお料理を作り出してくれます
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では早速、この日試食させていただいたコースをいただいてみました。この日のメニューは試作段階ということでお値段はまだついてないそうです。メニューを見てみると、アミューズ、前菜、スープ、メインディッシュ、デザート、ドリンクのセットは1480元~。単品はピザやパスタなどのイタリアンメニューが中心です。
炙燒干貝與蟹肉酪梨
(カニとアボガドのサラダ炙りホタテ乗せ)北海道産のホタテを軽く炙り、オリーブオイルとバルサミコ酢で味付けたもの。シンプルな味付けですが、各素材のおいしさをとてもよく引き出しています
低溫鮭魚佐黎麥與炒菌菇(サーモンのキアヌ添え)サーモンの水分を保つため、60℃という低温でお料理したサーモンに、スーパーフード「キアヌ」を炒めたものを絡めたお料理。キノコも添えられています。食感の楽しい一品で、ホワイトワインにとても合うお味でした。
中卷與台灣竹筍西班牙臘腸
(イカと台湾タケノコ、スペインソーセージを散らして)やわらかいイカ、サクサクのタケノコ、カリカリのソーセージを一緒に口にいれると、楽しい食感で、いつもよりよく噛んで食べたくなってしまいます!トマトと赤パプリカで作られたソースが、淡白な味のイカとタケノコとよく合います。ピリっと辛いソーセージと少し香菜の味がする豆苗がいいアクセントになっています。
芒果雪霜(マンゴーシャーベット)お口直しは愛文マンゴーのシャーベット!あっさりしていて食べやすい。
嫩烤羊里肌與北非小米(ラムステーキ)ニュージーランド産のラム肉を低温で焼き上げたステーキ。ミディアムの焼き加減で、ラム肉の臭さはほぼ感じません。オレンジの味がさわやかなクスクスとよくあいます。小さな黄色いものは台湾産のにんじんなのだそう。
主廚甜點(デザート)見て、食べて楽しめるデザート。ブルーベリーの上に金箔が乗っていて豪華~☆イチジク、キャラメル、バニラ、クリーム、ブルーベリー、チョコが見事なハーモニーを奏でる大人な味。3層にもなっていて、リッチな気分です!
この日は、中華圏のバレンタインが近かったので、バレンタイン特別料理も披露してくださいました。見ているだけでも、おいしさが伝わってきそうなお料理の数々です。