台南を代表する伝統台湾料理店のひとつ!濃い目の味付けでビールが進む~♪
こんにちは、台北ナビです。
小吃天国台南。道端のお店で食べるのも台湾らしくていいですが、旅の終わりなど、ここぞという時には、席に座ってゆっくり食べたいものですよね?そんな時にオススメしたいのが、飾らない雰囲気と確かな味で人気の「阿美飯店」です。
うなぎの寝床?
なかなかレトロです
人気観光スポット「赤崁樓」や「永盛帆布行」「合成帆布行」、林百貨などのお買い物スポット、昔ながらのフルーツ店などから徒歩5分くらいで到着する「阿美飯店」。周りのお店は早めに店じまいしてしまうため、通りに活気はなく、心配になってしまいますが、ご安心を!
「阿美飯店」の前に到着すると、店内から食事を楽しむ声が漏れ聞こえてきます。
中は細長~い
入り口はそれほど大きくないのですが、うなぎの寝床のように奥に長~い作り。1、2階あわせて150席もあります。席が多いため、平日は予約なしでも入れることも多いですが、休日は必ず予約してくださいね。
ナビが訪れたのは月曜日の夜でしたが、お店はほぼ満席!人気のほどがうかがえました。基本的には桌菜(10人ほどで丸テーブルを囲むお料理)ですが、少人数でも食べられるように席が用意されていまいましたよ。
2階
wifi飛んでいます
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紹興酒、高粱、そしてワインまで用意されていましたよ~
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昔ながらの台湾料理を楽しめる名店
初代オーナーの蔡崇廉さんは1950年代、民権街とロータリー近くにあった「酒家」で働き、「酒家菜」を学びました。
「酒家」とは当時の高級料亭のことで、そこで提供されていたのが「酒家菜」です。この「酒家菜」は中国福建省福州のお料理が由来の台湾料理に日本料理の要素が融合した独特のお料理で、特にお祝いなどの特別な日に食べられていたそうです。阿美飯店を開業する前には、總舗師(宴席料理人)として10年ほど「辦桌」料理も作っていましたが、その後自分のニックネームから名づけた「阿美飯店」を開業しました。
今では2代目の坤益さんがその味を守っており、なんでも開業当初からメニューはほぼ変わっていないんだとか。
お高級料亭料理「酒家菜」を手軽なお値段で!
見た目がかなり茶色~!
その当時、酒家菜を楽しめたのは、経済的に余裕のある男性が多かったことから、「酒家菜」は繊細に作りこまれ、あまり噛まなくていいもの、そしてお酒が進みやすいように濃い味付けがされているというのが特徴です。
「酒家菜」は伝統的な料亭で修行したことのあるシェフのみが作り伝えていけるのですが、下ごしらえが大変であること、手間がかかること、出来立てでないとおいしくないことから作り置きができないなどの理由で、現在では再現できる料理人がかなり少なくなってきています。
今回ナビ一行はほかのお店ではあまり食べることができないという幻の「酒家菜」4種をいただきました。
一品海参 ☆ナビお気に入り☆
魚、豚肉、大根、にんじん、しいたけをペースト状にしてなまこに詰めるという見た目はかなりグロテスクなお料理。
見かけからは想像できないほどあっさりしており、食感の違いが面白い一品!
桂花干貝 小350元/大700元 ☆ナビお気に入り☆
ホタテと筍を千切りにしたものをたまごと一緒に炒めたお料理。
出てきた時には切り干し大根のお料理かと思ったのですが、まさかホタテと筍だとは思いもよりませんでした。こんな細い筍とホタテは見たことがありません。「酒家菜」の名にふさわしい一品だと思います。筍のコリコリ食感がなんとも言えず、箸が進みまくります!
雞仔豬肚鱉 900元 ☆ナビお気に入り☆
鶏肉、豚肉、すっぽんを漢方と一緒に煮込んだスープ。「福祿壽大菜」の別名を持ち、縁起がいいことからお誕生日に食べることが多いそうです。
漢方の味付けが大好きなナビにとって、かなり好みの味です♪台南のクーラー攻撃に体が負けそうになっていた時なので、温かさと漢方が体中に染み渡るこのスープを飲むとほっとリラックスができましたよ!
肉米蝦 小350元/大700元 ☆ナビお気に入り☆
これだけは作り立てを食べて欲しい!と最後の最後に出てきたお料理。
結婚の時など「特別な日」に食べる一品なのだそう。台南安平の火焼蝦を使用し、豚のミンチ、椎茸、筍、ニンジン、大根、えんどう豆と煮込んだもの。酸味がきいていて、暑~い夏にぴったりです!
他にもオススメ料理をいただきましょう♪
砂鍋鴨 740元 ☆お店の看板メニュー☆
ど~んと1匹分の鴨肉!
旧正月には1000食も売り上げるという大人気メニュー。
まずは豚骨スープに白菜をクタクタになるまで煮込み、そこへ丸々一匹の鴨を入れ再度3時間ほど煮込むというかなり時間のかかるお料理。鴨肉のほか、金針花、豆腐、うずら卵なども具材として入ります。50年前から炭火で調理するというこだわりがあるそうですよ!
鶏肉を3時間も煮込むとバサバサになってしまいますが、鴨肉だと柔らかいまま!そして、鴨肉のいい香りがスープに移り、何杯でも飲みたくなります。酒家菜らしく、味がかなり重いですが、油っぽくなく飲みやすいです。スープは具材からにじみ出た甘みが広がっていて、イケル~☆具材もよく煮込まれているため、あまり噛まなくてもいいですよ。
量がかなり多いので6人以上で食べるのをオススメします。鴨肉が苦手な方は魚バージョンもあるので、是非お試しください!
入り口にも砂鍋鴨の文字!台南で砂鍋鴨と言えば「阿美飯店」なんです
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こんなふうにお鍋がずらぁ~と並べて調理しています
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烏魚子 1200元高雄産の天然カラスミ!こんなに分厚いカラスミとはそうそう出合えません。
ナビはカラスミがあまり好きではなかったのですが、こちらのものは食べやすくてビックリ♪添えられている大根&葱との相性が抜群なので、豪快にパクっと一緒に食べて下さいね!
三色拼盤 小350元/大500元
蝦棗(エビ団子)、蟳丸(カニ風味の揚げ物)、香腸(台湾ソーセージ)。お酒が飲みたくなるようなしっかりとしたお味で、台湾独特の香辛料が使用されています。
エビ団子
エビと魚のすり身、豚肉、クワイを油で揚げたもの。濃厚なエビの香りとさっくさくの口当たりがいい感じ~☆
カニ風味の揚げ物
元々は丸い形をしていたそうですが、現在はさつま揚げのような形をしています。こちらも皮がサクッサクで、中はほどよい固さ。これもおいしいです。
台湾ウィンナー
豚肉の香りがよく、甘い味付け。生にんにくも添えられていますよ。
紅蟳米糕 850元 ☆ナビのお気に入り☆
台南でカニおこわといえば阿霞の名前が挙がりますが、こちらのものも絶品です!
とにかくカニの身が甘くてうまうま♪カニミソも食べつくしました。カニの下のおこわには豚肉、タロイモ、干しえび、椎茸が入っています。タロイモが入っているのが、何とも台湾らしい!もち米に椎茸エキスが染み込んでいて、お箸が止まぬうまさです。
乾炒鱔魚田うなぎとたまねぎのにんにく炒め。台南の小吃としても有名です。
独特の甘辛の味付けがナビ好み♪箸が進む、進む~~。
デザートはプリンとカキ氷が用意されていました。
どちらも懐かしい味がして、お腹がいっぱいのはずなのにペロリと食べちゃいました♪
ビッグプリン
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八寶冰のトッピングはあずき、タロイモ、緑豆、ハトムギ、湯圓、粉粿、花豆、アーモンド!元々サカリバ営業していた創業100年の「龍興冰品店」から仕入れています
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台北ではあまり食べられない伝統的な台湾料理「酒家菜」を思う存分食べられるのが魅力的ですが、ナビはそれ以上に、二代目の坤益さんを始め店員の方々がみんな笑顔で働いている姿がいいなと思いました。作り手が楽しそうに作ったお料理を、満面の笑みでサーブしてもらえたら、やっぱりおいしいんですよね!
以上、カニおこわちゃんの味が忘れられない台北ナビがお届けしました。